漫画やドラマの土台となる原作を生み出す原作者として、数々のヒット作品を生み出し続けているスゴい人が本日登場する。
原作者の仕事は、作家によって様々。
日々の取材と常にアンテナを張っていること、そして、書きたいネタを良く調べることが重要だと彼は言う。
彼は、漫画で重要なキャラクターを大事に育てどう売り込むか考えることから、原作者とビジネスマンは共通しているところがあると語る。
さあ・・・漫画原作者 鍋島雅治様の登場です!
「漫画はキャラクターである」
小さい頃は海で貝を獲ったり山でアケビを獲ったりして、一人で遊んで育ちました。
本を読むのが好きだったこともあり、原作者の小池一夫先生が経営している出版社に就職しました。
経理部に配属されて、小池先生がやっている「劇画村塾」という漫画家や原作者を育てるための塾を、会社のみんなで聞くことになりました。
聞いているうちに、漫画は描けないけど原作なら書けるのではないかと思うようになったのです。
塾で教わったことを活かして漫画の原作を書いて、みんなで集英社の青年漫画原作賞に応募しました。
結果、三回連続準入選してしまい、これがきっかけで漫画の原作者になりました。
受賞はラッキーだったと思います。
ただ、私は普段から運をよくする方法を実践しています。
方法は二通りあって、一つ目は打席数を増やすこと。
諦めずに一生懸命、連続して何回も挑戦できる人は、当然ながら打率も打数も上がるのは自然の理です。
そのうちにはヒットだけではなくホームランが出ることだってある。
二つ目は人柄を磨く事。
たくさんの人と会って話をしたりさまざまな考えの人達と組むことで面白味が生まれ、可能性が広がるのです。
この二つを行うことで、人間の運というのは漫画原作者に限らずビジネスをやっている方でも上がるのかなと思います。
ある時「築地魚河岸三代目」の編集者から急に「原作はここまでで結構です。違う人にやらせます」とメールが届きました。
読者アンケートの人気もトップで売上部数も好調だったのに突然のことで、自分では理由もわかりませんでした。
次の回から他の人が原作を書いているのを見て、わが子を取られたようでとても悔しかったです。
当時の編集者に憎しみをも覚えました。
そんな茫然自失の状態から立ち直ったのは、たまたま見たブログで“魚嫌いの息子に築地魚河岸三代目を読ませたところ「面白い。これ食べてみたい」と言ったので作ったら、とても美味しいと言って食べてくれ、魚好きになりました”と書かれたのを見た時です。
それを見て感動して私は泣いてしまいました。
こういう読者さんがいて熱心に読んでくれる。
それだけでも一生懸命頑張ってきた価値はあるじゃないか。
お金の為や名誉の為に書いているのではないと再認識しました。
こうした経験から、妬んだり憎んだりネガティブな生き方をせず人を楽しませたり喜ばせたりすることにエネルギーを使うことが大切だと思っています。
明日はきっと今日よりもいい日になるのだから。
◆現在は執筆だけではなく、
積極的に漫画賞の審査員や後輩、新人の育成指導やアドバイスも行っている。
ヒューマンアカデミー漫画学科特別講義・映画24区漫画原作コース・京都精華大学漫画学科特別講義・漫画onWEBネーム大賞審査員・トキワ荘プロジェクト シナリオドクターなど。
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