ニュージーランドの湖畔に生活しながら数々のプロジェクトを手掛けるモバイルボヘミアンのスゴい人!

野外と自然が好き、屋内と勉強が嫌い、人間社会が苦手

アルバイトでは「使えない」と言われ続けた青年が、ヒットメーカーになる!

「モバイルボヘミアン」という生き方

本日登場するスゴい人は、ノマドライフの先駆者として知られるスゴい人。
彼はソニーミュージック、ワーナーミュージックに計15年間勤め、アーティストプロデューサーとして、絢香、Superfly、平井堅、CHEMISTRYなどを手がけ、7 度のミリオンヒット、20回のオリコン1位など数々の記録を創出。
2010年、ニュージーランドの原生林に囲まれた湖に移住。
現地で自給自足ベース&低消費の〝森の生活〟を営みながら、年の半分近くは世界中で〝移動生活〟を送り、山を何日間も歩き続ける冒険家の顔も持つ。
彼が伝えたい生き方とは?

さあ…
執筆家、森の生活者、フライフィッシング冒険家
四角 大輔様の登場です!

※この取材はSkypeで行いました。記事内の写真は四角様の様々な場所でのお仕事の様子を掲載させていただきます。

野外と自然が好き、屋内と勉強が嫌い、人間社会が苦手

元登山部の父に連れられて、僕の人生を“創る”ことになる釣り初体験は幼稚園に入る前のこと。
小2で親友と近所の川に通うようになって、完全にはまりました。
小さい頃から自然が好きで。毎日、真っ暗になるまで外で遊んでいて、そのまま大人に(笑)
野外と自然が好きで、屋内と勉強が嫌い。さらに人間社会が苦手。この三つの側面が今の生活につながっているなと。

大学時代、ニュージーランド移住を決意

僕は、心の底からわいてくる「やりたい!」という衝動に蓋をできない質なんです。
いろんな釣りを経て、大学生で「湖でのフライフィッシング」が、何よりも気持ちいいと気づくことに。
学生時代の大半を、その釣りに費やしたけど満足できなかった。
その「本物の衝動」を知ってしまった以上、この大切な感情を封印しながら生き続けるなんて、死んでも嫌だと。
ある時、ニュージーランドに世界一きれいな湖があり、淡水域の大半がフライフィッシング専用だと知ります。
どうせこの釣りを極めるなら世界一の場所がいいと、もう行くしかないと即決(笑)
そんな僕は、高校時代から色々なバイトで使えないと言われ続け、褒められるのは肉体労働とピザの配達だけ。
将来、スーツを着て会社勤めをやれるイメージが全くなくて、自分には無理だと確信していたんです。
でも、自然の中で魚を釣り、野菜を育てて生きることならできそうだと。
そんな人だったので、自然豊かな海外にワーキングホリデーに行ったりする人が周りに何人もいいたんです。
でも多くが、ビジネススキルも英語力もないまま渡航したため、低賃金でひどい扱いを受けたりして、志半ばで帰国。これはなんか違うなと。
僕は、湖のほとりで暮らし、フライフィッシングする生活をずっと続けたい。だから、安易に移住する選択肢を取らず、どんな世界でも生きていけるスキルをつけるためと、移住資金を貯める為に10年は働こうと決めたんです。

数々のヒットを生んだ考え方とは…

新卒でソニーミュージックに入社。
仕事には、1日の大半を費やすわけで、嫌々働くことは絶対にしたくなかったし、スキルを手にしたかったので「真剣にやるぞ」と決めていました。
当然、最初の5年くらいは、無意味に思える業務もいっぱいありましたが、コピーも弁当を買いに行くのも、何かの役に立つと信じ、どんな雑用も真剣にやりました。
最初の5年で、雑用に加え営業や宣伝など、音楽業界における基礎的なスキルを身につけた後、プロデューサーとして独り立ち。
その後、ヒットを出せた理由の1つに「リスクを取れたこと」があると思います。
周りに反対されても、本気でいいと思えたアーティストでは、リスク覚悟であらゆる挑戦ができた。
それと結果論ですが、「いつかニュージーランドへ」という逃げ道があったから挑戦できた、とも言えますね。
「ニュージーランド移住」という、“前向きな逃げ道”を用意していたから、どんな暗闇に追い込まれても常に「光」を感じられて、思い切ったことができた。
もちろん、音楽とビジュアルのクリエイティブ術、アーティストの緻密なブランディング、執拗なメディア戦略など、ぼく独特のプロデュースが時代に合っていた、ということもありますが、あの逃げ道がなければ、あの数々の挑戦はできなかったなと。
最初から売れているアーティストなんていなくて、誰もが最初は無名の個人です。
そして、「絶対いける」って信じた“最初の一人”が必ずいて、その人の情熱と行動が起点となって世の中に広まります。
僕はその“最初の一人”になるのが得意だった。
音楽に限らずこの構図は同じ。
まず、いいものを創る人がいて、それを届ける人がいる。
両者がいないと絶対ヒットは生まれません。
一番必要なのは「情熱」です。
創り手が熱いのは当たり前で、それに負けないくらいの熱量で届ける人がいて初めてヒットは生まれます。

35歳、人間が好きになったきっかけは

僕はいつも「いい歳なのに純粋ですね」とバカにされますが(笑)、ピュアじゃなくなること自体がすごく怖いんです。
子どもの頃、冷めた目をした口先だけの大人たちを見て、死んでもこうなりたくないと思って。
だけど、子ども心を持ったまま成長するにつれ、周りには馬鹿にされ、仲間外れにされる。純真なまま生き続けることって不可能なんだ、と人生に絶望していました。
気持ちが変わったのは、アーティストの存在。
アーティストは超ピュアなんですよ。
心が純粋じゃないと、人を泣かせる歌詞もかけないし、数千人の前ですべてをさらけ出して歌うなんてできません。
僕が諦めようとしていた「ピュアであり続けること」を貫いている、アーティストの存在に勇気をもらったんです。
だからこそ僕は、彼らの純粋さを守る環境を作ることに徹し、心を込めて音楽制作やプロモーション活動をサポートし続けました。
35歳くらいのある日、「自分は人間嫌いだけど、惚れこんでいるアーティストも人間だ」という、当たり前のことに気付きます。
心を開いて周りを見渡すと、アーティスト以外にもたくさんピュアな社会人たちがいることに気づけたんです。

心が惹かれるものに従う

移住して8年目ですが、事前に15回この国に通っていました。
とはいえ、旅行で行くのと住むのは違うからあまり期待するなと言われ、確かにそうだなと。
でも住み始めたら想像以上に素晴らしくて、次々と新たな魅力がわかり、それが僕の価値観に合致するものばかりで。
来るたびに「ヤバイ、最高」という言葉にしかできなかった感覚が、住んでみたらどんどん言語化できるようになりました。
本当に心の奥底から惹きつけられるものは、言葉にできなくても絶対に理由があるものなんです。
若い子によく言うのは「頭で決めてはだめ」ということ。
人生の大きな決断も、日々の小さな決断も、胸の最奥にある“心の感覚”を信じて行動したとき、人は絶対に後悔しません。
損得や利害、他人の評価といった打算的な基準ではなく、「何かわからないけど強烈に惹かれる」という“本物の衝動”に従うと、後でどんな結果になっても後悔しないものなんです。
「一人でも多くそういう風に生きてほしい」という思いが、僕の表現活動の原動力になっています。

ノマドの次のフェーズは「モバイルボヘミアン」

新刊『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』は、僕の兄貴分である本田直之さんとの共著です。
僕も本田さんも世界中を旅したり、湖畔や海辺で暮らしていますが、世捨て人ではなく、仕事を通して社会へコミットしています。
モバイルボヘミアンとは、場所の制約を受けず、仕事と遊びの垣根がなくなった状態で、生活や好きなことそのものが仕事になる生き方のこと。
ある独特な思考法や習慣、そしてモバイルテクノロジーをフル活用することで実現した、新しい働き方のすべてがわかる、僕と本田さんの人生の集大成となる一冊になっています。

取材を終えて・・・

とても気さくにお話しくださり、ご本人もおっしゃるように本当にピュアで、素敵な方だなという第一印象でした。
意味があるのかなと思うような仕事でも、必ず何かの役に立つと思って、工夫しながら取り組むこと。
これはどんな職業・職種でもすぐに実践できることで、とても勉強になりました。
また、頭で考える癖がついてしまった人は、情報ノイズをシャットアウトして一人の時間を持ち、自然の中にいくと良いと教えていただきました。
感動する光景に出会ったときにまず感じ、言語化できない感覚を味わって、時間をおいてから言語化する。
そうすると、だんだん頭ではなく心が求めていることがわかるようになると聞き、私も実践しようと思いました。

プロフィール

四角大輔(よすみ・だいすけ)
執筆家、森の生活者、フライフィッシング冒険家。
「人は誰もがアーティスト(表現者)」
というメッセージを掲げ、すべての人間に潜む、クリエイティビティと独創性に火を点けるべく活動し、起業家&クリエイター育成をライフワークとする、アーティストインキュベーター。
モバイルボヘミアンとして、場所の制約を受けない独自のワークスタイルを構築し、世界どこにいても複数のプロジェクトをプロデュース。
◆ホームページ http://4dsk.co/

◆instagram instagram.com/4dsk.co

◆新刊情報
『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』(ライツ社) 本田直之・四角大輔 4月14日発売
発売前に、Amazon「キャリアデザイン部門」1位(4/7付け)、梅田TSUTAYA書店ビジネス書週間ランキング1位(4/3-4/9)を獲得!
http://amzn.to/2nlk27X
定価:1500円+税
会社員だった2人はどうやって、場所にも、時間にも、会社にも、だれにも縛られない自由な生き方を手にしたのか。旅するように働き、生きる「モバイルボヘミアン」という生き方は、自分の人生を取り戻す「現実的」な手段。その生き方を実験し続けた2人の集大成となる一冊です。

特設サイト(全54ページ無料公開中!)  http://4dsk.co/mb/

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