本日登場するスゴい人は、約50年にわたり生活に関する様々な商品を企画、提案、制作、製造し、数々の賞を受賞してきた。
オムロン電子体温計「けんおんくん®」、世界初の女性専用「レノマ手帳」、累計2億7,000万枚を販売したCDを郵送料90円で送れる「CDメールパック®」など、分野にとらわれず商品を提案し、新たな市場を開拓、多数のヒット商品を生み出した。
“紙の仕事人™”の呼び名で知られている。
また、2010年の出雲大社遷宮の際には、これまで神事でご焼納されていた御本殿大屋根の檜皮(ひわだ)を紙にして再利用するという一大プロジェクトに提案ディレクターとして参画した。
さあ…
株式会社システムクリエイツ
代表取締役
小杉博俊様の登場です!
「紙の仕事人」
私は26歳で製紙会社の子会社に入社し、それからずっと紙の世界で仕事をしています。
様々な提案をしながら十数年間働きましたが、30代で独立。
「世の中にないモノを作りたい」という想いでものづくりを始めました。
特に生活用品に興味があり、生活に結びついた商品を作って、生活が豊かになり、みなさんが楽しく使ってくれることが、私の喜びなのです。
当時景気は上り調子で、新しい市場を開拓する大掛かりな仕事を提案し、デザインして、製造するまですべてを私が行っていました。
しかし、ヒット商品になって数年が経つと製造を他社に移管されてしまい、最終的に私はその仕事を降りる事になります。
それでも、景気の良い頃は次の仕事にすぐに取り掛かれ、食べていくことができましたが、バブルがはじけると大掛かりな仕事提案ができなくなり、次第に規模を縮小していくことになりました。
ある時、12㎝のCDを外寸12㎝の定形封筒で送れないものかと試してみると成功し、90円でCDを郵送できる「CDメールパック®」ができました。
最初は音楽CDを扱っている会社を300社程まわり、「90円でCDを送れます」と話すと良い反応はあるものの、なかなか導入にはつながらない日々が続きました。
そんな中、SONYさんのビデオCD発売の際にDMとして採用され、その後、パソコンの普及に伴いほぼ全プロバイダーさんの入会案内CD-ROMパッケージとして採用され、爆発的に売れていきました。
しかしその後、人間関係がうまく行かず一時はうつ状態になり、「CDメールパック®」の製造からは手を引き、その後十数年間は顧問業を中心に仕事をしていました。
気が付けば70歳目前で、十数年間にできたコトは出雲大社の檜皮紙づくりのお手伝いだけ。
これからどうしようかと思った時に偶然、日野原重明先生の講演を聞いて衝撃を受けました。
先生はよど号事件を経て世の中のために何かをしようと高い志を持ち、実践していて、私はこのままではいけないと猛反省し、新しい形で動く事を決心しました。
そして、今までの関係をすべて捨て、1人になり、今のco-lab渋谷アトリエに移りました。
ものづくりの楽しさや、紙の素晴らしさをみなさんに伝えることが、3年かけてようやく形(マテリアル・ガーデン、紙のエレクトロニクス応用研究会など)になってきました。
これらを通じてみなさんにものづくりの面白さが伝わればと期待しています。
これまでに幾度かの困難がありましたが、それは挫折というよりも、自分を変えられるチャンスだと思っています。
100歳現役を目指し、これからもブリコラージュ発想をし続けます。
◆「マテリアル・ガーデン」 で素材からのものづくりを発信中です
http://krei-project.com/project/material-garden
◆「紙のエレクトロニクス応用研究会」で紙の未来を構想中です
https://www.facebook.com/PrintedElectronics
◆「紙の仕事人」 として紙にまつわる情報を発信しています
http://www.facebook.com/kaminoshigotonin
◆「ブリコラージュ発想塾」 で発想の楽しさをお伝えしています
https://www.facebook.com/bricolagehiramekijyuku