一般の消費者からの投票をもとに世界中のレストランやホテルが評価・編集されたガイドブック『ザガット・サーベイ』
1979年にニューヨークで誕生し日本など世界89都市で展開され、参加人数は実に37.5万人を超える世界一の評価ガイドだ。
この日本版の編集長を務めるスゴい人が本日登場する。
編集長就任のきっかけは、月刊スキーグラフィック編集時代のキャリアを認められ、ザガット・サーベイで編集キャリアを探していると声をかけられたことだった。
彼はこの仕事に就く時に「次の10年頑張れるものを見つけた」と直感した。
東日本大震災後の日本の観光を復興するためにある一大プロジェクトを立ち上げた。そのプロジェクトとは?
さあ・・・株式会社CHINTAIザガット・サーベイ日本版 編集長高田明彦様の登場です!
「周りの方々との関係構築で生まれる大きな成果」
2010年夏。私達は『ザガット・京都のレストラン&ホテル』の出版準備の為、京都にいました。
ザガット出版のご挨拶に伺った時の京都の人々の反応はとても厳しく、はじめは全く受け入れてもらえませんでした。外から一方的に評価される評価ガイドへの拒否反応が地域全体に広まっていたのです。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。毎日のように京都の町を歩き回り、関係者へご説明を続けました。消費者投票による評価ガイドという媒体特性上、地域のより多くの人に参加して頂くためです。
スーツはよれよれ、坂道の多い京都では汗だくの毎日でした。
すると、ザガットの趣旨と私達の熱意が伝わり、「一般の方の参加で評価されるのなら、社会的意義がある」と地域の方々が協力してくれ、翌年3月の出版に向けて準備を進めていました。
そして、地域の方々の応援によって、清水寺での出版記念イベントの開催が決まったのです。
オープニングアクトは、NYつながりのブルーマン、更にザガット創始者のザガット夫妻を筆頭に観光庁長官、林野庁、京都市長等の官公庁関係者や、地域の有識者など多くのゲストを招き、私達は、イベントの成功を目指して準備を進めていました。
そんな中、発生した3月11日の東日本大震災。イベントまであと2週間を切った時の出来事でした。やむを得ず、断腸の思いで発刊記念イベントを中止。
京都版と記念イベントは長い時間をかけて、社内スタッフや地域の人々など沢山の人と一緒に作り上げてきたもの。私は目の前が真っ暗になりました。その後、皆が同じ困難な状況の中でどのように社会に関わって行くべきかということを考え、これまでに築き上げた地域や政府関係者とのリレーションを生かして「ザガット・サーベイの英語版を世界中で無料配布しよう」という話が持ち上がりました。
ザガット東京版と京都版の記事を抜粋し、英語に訳した観光ガイド
「Thank You版」を世界で無料配布し、震災後に落ち込んでしまった海外からの訪日観光事業の復興を目指したのです。日本初の官民連携型ガイドブックの一大配布プロジェクトは3月末より合計約5万部を世界で配布し、大成功を収めることが出来ました。
「イベントは中止になったが、別な形で答えを出すことができた」
熱い思いを持った人ばかりのプロ集団ザガットチームは、これからも熱い仲間達と共に社会的意義のあるレストランガイドを生み出していきます。