日本No.1シェアを誇るサロン専売インナービューティー・メーカーを作り上げたスゴい人!

30歳で1,100万円の融資を受け独立

まさか自分が詐欺にあうとは!

復活への道を一歩一歩

本日登場するスゴい人は、日本のエステサロン12,700店舗(2017年5月現在)にインナービューティー商品を卸している。
エステサロンはスクラップ&ビルドが激しい業界のため、正確な店舗数を把握しづらいが、日本全国に約20,000店舗あると言われている。
従って、50%以上のシェアを確保しているのである。
著名人のSNSでもよく目にし、愛用者も多い。
一見華やかに思えるが、彼はそのイメージからは想像も出来ない人生を歩まれていた。
いかにしてどん底から成功への道を切り拓いたのだろうか!

さあ…
株式会社エステプロ・ラボ
代表取締役会長 佐々木 広行様の登場です!


SECOMがベンチャーだった時代

色々な起業家や政治家の本を読むのが好きで、政治家だと田中角栄さん、起業家だと藤田田さんに強く関心を持ちました。
藤田田さんの『ユダヤ流金持ちラッパの吹き方』に書かれていた「これからのビジネスは女性と口を狙え!」というフレーズは印象的でした。
起業しようと思っていたので就職活動もしておらず、かと言って創業資金もない。
たまたま友達の付き合いで受け、合格したSECOMに入社しました。
当時の日本は水と安全はタダだと言われていた時代で売れず、夜中も飛び込み営業し、数字が達成できないと夜中じゅう会議をする日々。
「俺は絶対に30歳迄には独立する!」と学生時代から友人にも言っていたのにもかかわらず、あと数年で30歳。
お金も貯まっていないし、何のアイデアもありませんでした。

30歳で1,100万円の融資を受け独立

企画書を書くのは好きでしたので、数名の中小企業診断士の人にあらゆる角度から見て頂き、川崎市の創業支援制度みたいなものに応募してみると、狭き門を通過し1,100万円を借りられたのです。
提出した企画は教えたい人と学びたい人を結びつける「生涯学習をテーマとしたフリー
ペーパー」。
広告の知識もありませんでしたが、新聞折込の求人広告などが枠売りで成り立っているのに衝撃を受けたのがベースです。
教育ビジネス情報だけ集め、更に有益な情報も掲載し、併せて主婦の人材バンク「田園都市ミセス1万人ネット」を立ち上げました。
優秀な人でも出産を期に家庭に入らないとならず、仕事をしたくてウズウズしている人を集めたのです。
ミセスの知恵で企業のお悩みを解決します!というサービスが非常に評判となりました。
お陰様で5年間は事業が順調に進みます。

まさか自分が詐欺にあうとは!

当時、元東急エージェンシー社長の前野徹さんに出会い、弊社の相談役になってもらいました。
前野さんからは人脈の作り方など色々と教えてもらい、前野さんのパーティーの企画や、雑用のお手伝いもさせて頂いておりました。
しかし、そのようなお手伝いなどが増えて行くのと同時期に、会社が傾き出しました。
1〜2年の間に2〜3社から合計7000万円近くの不良債権を抱えてしまい、銀行への返済が出来なくなってしまったのです。
お城のような大豪邸に住み、ホテルも沢山持っている人から5,000万円を超える発注を頂いたのですが、その人がまさかの確信的な詐欺集団でした。
更にフランチャイズで始めたエステ店舗があり、紳士服のAOKI様から日本一大きなスパを作りたいと相談され、自社の社員も15名程派遣し超大型スパを運営していたのですが、目標としていた利益確保が出来ないため、撤退する時期が重なってしまったのです。
金利29%が認められていた時代、500万円借りたら終わりだと言われていた所から3000万円借りました。
毎年金利だけで1000万円近くなり、3億円近くまで借入金額が膨れ上がりました。

真っ暗闇のどん底生活

相談すると全員がバンザイしろと言いましたが、諦めることが嫌だったのです。
俺が倒産するはずがないと。
一縷の望みはライブドアがIPOを目指す企業に出資されていて、私もそこに出資していた事でした。
しかし、それも2006年のライブドア事件で一瞬にして吹き飛びました。
この瞬間に1点の光が無くなり真っ暗闇。全てが闇に包まれました。
億の借金をどう返すのか。
毎晩、焼酎を2本空けないと眠れない精神状態でした。
寝ている間は忘れられるのですが、朝目が覚めると地獄の現実が待ち受けている生活が何年も続きました。
この頃の記憶は殆どありません。
どんなに追い詰められても打つ手は無限だ!と周りに強気な発言をしたものの、実は全く打つ手はない状態でした。
暴飲暴食に走り、お金がないので生活は荒んでいく一方。
100kgほどあった体重は、1年で64kgまで減ってしまいました。
間違いなく身体を壊していると自分でも認識していたのですが、病院には行きませんでした。
心が弱いので、診断結果を聞いてしまったらさらに弱ると思ったからです。

復活への道を一歩一歩

自社エステサロンの為に作っていたオリジナルハーブティーがあり、そのパッケージをリニューアルし、卸先をエステサロンとクリニックに特化して販売をスタートしました。
当時、サロンで扱っている商品は化粧品や美顔器など外面美容が主流でしたので、そのフィールドでは太刀打ちできないのは痛感していました。
外面美容と区分けするために、インナービューティーという言葉を我々が浸透させました。
この事業が少しずつ軌道に乗ったのです。
成功したポイントを振り返ると、先ずは誰も手を付けていない分野を攻めた事。
更に、目先ではなくブランド全体をイメージしてから一つ一つの商品を作った事。
そして、「痩せたい」など女性のお悩み別にハーブティーを処方し、美味しくて、医学顧問などとしっかりとしたエビデンスとった事で信頼を勝ち得たことです。
最大のポイントはお客様が商品の影響を体感され、リピートに繋がった事です。
ハーブティーを皮切りに、商品ラインナップを増やして地道に拡大していきました。

借金返済へ

億の借金はすぐには返済出来ません。
銀行へ月1回状況説明に伺うのですが、対応してくれる担当者は定年後のおじいちゃん。
「実際これまで返せた人はいなんだから無理しないでね。自殺するなよ。」と一線を越えている人には非常に優しい言葉をかけてくれるのです。
言葉は嬉しいのですが、心の中では「絶対に倍々返ししてやる!」という気持ちでした。
そして、実際に返済が完了したのはつい2年前。
最後の返済金を目の前に積んだ時、おじいちゃんは腰を抜かすほど驚かれ、自分の事の様に喜んでくれました。
この極貧と借金苦は本当に勉強になりました。
お陰で経営において丁寧さと大胆さの2面を手に入れる事が出来ました。

まずはアジアNo.1

ここ数年、何のため、誰のために経営をしているのだろうかとよく考えます。
新卒採用も始め、人を作っていく事に興味が出てきて、社員と共に何のためにやっているのかを常に共有する、目的経営に変化しました。
これからの目標は素敵な社員と共に、これまでと変わらず、原材料選定の段階から一切の妥協をせず「クオリティ」「安全性」を重視した商品開発をして行き、2020年迄にアジアNo.1インナービューティー・プロダクツ会社になる事です。
あと、あの辛い時期に毎月顔を合わせた債権回収担当のおじいちゃんとゆっくりご飯を食べにも行きたいですね。
どんなに追い詰められても打つ手は無限だ!!!

取材を終えて・・・

エステプロ・ラボさんの商品は知人も多く愛用していたので、どんな戦略で展開されて来たのかを聞くのが非常に楽しみでした。
しかし、つい2年前に借金を完済したばかりで、成功するまでの話が衝撃的すぎた。
見通しが全くない状態で数年間も過ごせる精神力に圧倒されました。
学生の頃に衝撃をうけた「これからのビジネスは口と女性」というフレーズのまま、ビジネス展開をされているのはまさにドラマチックです。
取材中は終始笑顔でお話しされ、仲間たちから「佐々木会長は本当に良い人だよ」と聞いていた通りのお人柄でした。
いつか本を出版される日が来たら、真っ先に手に取りたい人生を送られている。
今後も日本クオリティで世界の健康と美容を支えて行ってほしいです。


プロフィール

佐々木 広行(ささき・ひろゆき)
株式会社エステプロ・ラボ 代表取締役会長
◆エステプロ・ラボHP http://www.esthepro-labo.com/

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