Suicaにも使われているFeliCaを開発したスゴい人!

今や、老若男女誰もが当たり前のように使っている電子マネー。
Suica、PASMO、nanacoなど多種類の電子マネーがあるが、これら全てに使われている機能“FeliCa”を生み出したスゴい人が本日登場する。
エンジニアだった父の影響を強く受け、幼い頃から機械の中身を見てみたくて、ラジオやジューサー、扇風機など家にあるものを全部分解してしまい、よく怒られていたと彼は語る。
日本ではSuicaとしての利用から人々に広く知られたFeliCaだが、開発のきっかけは全く別の業種からの依頼だったという。
さあ・・・QUADRAC株式会社 代表取締役 日下部進様の登場です!

「できると信じて」

大学を卒業し、ソニーへ入社後いくつかの部署を経験し、FeliCaの開発のきっかけとなった佐川急便からの「荷物を仕分けする為のタグを作れないか」という依頼を受けました。
この時の条件は、バーコードのように読み取り専用ではなく情報の書き込みができること。
また、秒速20mの速さで移動する荷物を仕分けできること。
そして、1個につき20円程度で作れる事でした。
先の2つの条件をクリアしたものの、実際に作ってみると1つ2,000円ものコストがかかってしまうため、仕分けタグとしての実用化には至りませんでした。
しかし、社員証などのIDカードとしてなら使えると考え、高層ビルの建設ラッシュが起きていた幕張地域に売り込んだところ、いくつかの大手企業の社員証として導入が決まりました。
でも、社員証は購入数がさほど大きくならず、売れても儲からない。
そんな時に鉄道総研が電子乗車券を開発しているという記事が新聞に掲載されました。
「ここに売れたら良いな」と思って鉄道総研にICカードを売り込み、
共同研究が始まりました。
当時は私鉄や関西では磁気カードが導入されていましたが、関東のJRだけが完全に取り残されていました。
この状況で、一足飛ばしでICカードの開発を目指していたのです。
ところが、91年にJRが磁気カードの採用を発表。
あと10年はどこにもこの商品は売れない。
時を同じくしてかつて幕張に導入したICカードが、新たな多数の高層ビルの建設により
互いに電波干渉し合って、誤作動を起こすようになってしまったのです。
いよいよこの事業から撤退か、と思っていた時に、社長の大賀さんから
「何で撤退するんだ。もう1回見直せ。」と指示が下ったのです。
香港で導入を検討してくれている顧客の要望する仕様に製品の変更をしたのです。
電波を飛ばす距離を見直したり、内蔵の電池を取り除いたりと仕様を変更し、香港での導入が決まりました。
これが今のFeliCaのベースになっています。
「できる」と信じてやっていましたが、トラブルも多く、「本当に大丈夫かな」と思うこともありました。
けれども、やはり大事なのは「できる」と思うこと。
できないと思うときには、何故できないのかその原因を考え、突き止めたらそれを改善すれば良い。
今できている事が全てだと思い込まない事が重要です。
今後は、ソニー時代から目指し続けている、カードを出さなくても手をかざすだけで認識できるなどIC技術を使ったより便利な機能の実用化を目指し、研究を続けていきます。

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