日本各地で行われるローカルトーナメントの年間合計ポイント上位者のみが参加できるポッカテニスランキングのマスターズ大会。
この大会において、シングルスで2000年から2004年に5年連続優勝を果たし、シングルス、女子ダブルス、ミックスダブルスの3冠を2年連続で達成したスゴい人!が本日登場する。
彼女がテニスを始めたのは小学校6年生の頃。
彼女は家の中で一人でできる器械体操に熱中していたが、両親は、身長が伸びず、大怪我の可能性のある器械体操をやめさせたいと考え、代わりにテニスをやらせることにした。
もともと競争心の無い彼女が強くなった理由とは?
さあ・・・テニスプロコーチ杉山貴子様の登場です!
「優雅に強く」
試合で勝てるようになったきっかけは、15年前の母の突然死でした。
父と私はショックでひどく落ち込みましたが、当時は父も私も仕事をしていましたので、それぞれが自分の仕事場で活躍することを目指しました。
それまでの私は、勝負があまり好きではないので試合に勝てなくても良いと思っていましたが、
自分が何をしたら親を喜ばせることができるか、と考え、自分の為ではなく親のために勝ちたいと思うようになったのです。
意識が変わったせいか、亡くなった母が見守ってくれているのか、それからは順調に成績を伸ばすことができました。
でも、試合に勝つようになると、賞を他の人に渡さないようにする為に「大会に出るな」と言う人が出て来ました。
これでは大会に出ても応援してもらえないと思い、何とかファンをつけようと考えた結果が華やかなウェアを着ることでした。
私は「勝ちたい!」という気持ちを前面に出すのが苦手なんです。
だから、『エースをねらえ!』のお蝶夫人のように髪を巻いて、華やかなウェアを着て、優雅に強くいることを目指しました。
毎試合衣装チェンジをしていると、「次はどんなウェアで出るんだろう」と観客が期待してくれます。
次の試合に進まなければ次のウェアが見られないので、だんだんと皆が応援してくれるようになりましたね。
父が、家のことを何もできない人だったので、母が亡くなってから10年くらいの間、試合が無い週末は毎週静岡の実家へ帰っていました。
金曜日の夜に車で買出しをして実家に帰り、父と一緒に食事をして夜中まで掃除をして翌朝7時から父とテニスをし、月曜日のお昼までごはんを作りためて東京に帰ります。
そんな生活を10年続けましたが、全く苦にはなりませんでしたね。
高校生の頃から実家を離れていたせいか、親の喜ぶことをして恩返しをしたいという気持ちが強かったのです。
最近では、テニスをしている人達に喜んで頂けてテニスの楽しさを伝えるのが、
私の使命なのだと気付き始めました。
これからも一人でも多くの方にテニスの楽しみを伝え、試合に勝つ喜びや、仲間と楽しむことのできる
テニスの魅力を感じてもらいたいと思っています。