日本で唯一の男性用きもの辞典 “男のきもの大全”を生み出したスゴい人!

インターネットの世界に男性用のきものについての情報がほとんど存在しなかった十数年前に、日本初の男の着物情報サイトを立ち上げ、男の着物についての事典「男のきもの大全」を独学、独力で作りあげたスゴい人!が 本日登場する。
かつて日本で日常着であった着物に関する文献は少ない。
特に男性は、外でスーツを着て、家に帰ると着物を着る家庭も少なくなかった昭和から平成の時代には、着方を教えてくれる人がいなくなった。
池波正太郎や多くの文豪の生き様や文章から1つずつ紐解き女性の着物の付録にあった男性着物についての資料を集め完成させた。
彼はもともとシステムエンジニアをしており、きもの業界で働いていたわけではなかった。
しかし、あることがきっかけとなり、着物を生涯の仕事にすると決めたと言う。
そのきっかけとは?
さあ・・・「日本きもの学会」副会長 着物伝承家 早坂伊織様の登場です!

「好きだから、ただそれだけの理由で」

着物との出会いは、子供の頃、月命日の供養に自宅に訪れる僧侶の法衣に興味を持ち、「着心地がよさそうなので一度着てみたい」と思ったことに遡ります。
初めて着物に袖を通したのは、中学生の頃、家にあった父の着物を着たのが最初でした。
サラリーマン時代には、プライベートな時間のほとんどを着物で生活していました。
着物以外の衣服を着ていると、どうにも落ち着かないのです。つまり、私にとって着物とは衣食住の衣であり、ワードローブのひとつです。
着物は、現代のライフスタイルには合わないとよく言われます。確かにそういう一面もあるのは否定できませんが、何より着物が好きで仕方ないのです。
好きだから、着たいから、私はただそれだけの理由でいつも着物を着ています。
しかし、着物を着始めてあらゆる疑問がでてきてネットで調べてもでてこないので、男の着物に関する書物や芝居や画像を見て調べていきました。
1997年に独学で学んだ事を少しずつ自分のホームページに書いていきました。
まだネットも今のような環境ではない時代でしたが、1ヶ月1万件くらいアクセスがありました。
個人の意見なので、ホームページを見た専門家の方から指摘や意見があるといいなと思っていたのですが、指摘より全国の呉服関係から講演依頼が入るようになりました。
当時はコンピューターの会社でSEをしていましたが、ホームページ開設後5年目に本の執筆の依頼を頂いたのち、命が助かっただけでもありがたいと言うほどの大きな交通事故に遭いました。
一時は、右手の怪我は重傷でもう完治しないとも言われましたが、命だけでも助かったことに感謝しました。
そんな時に、このままコンピューターの仕事を続けて行くか大好きな着物を仕事に選ぶかの選択を迫られました。
私が選んだのは着物の仕事でした。
コンピューターは自分以外でも沢山の後継者がいますが、男の着物は先の見えないリスクはあるものの、自分にしかできない。と、思ったのです。
女性の着物もまだまだ普及しつくしていませんが、男の着物については日常に着る為の本をまだ誰もまとめていないので、ネットでまとめた「男のきもの大全」を
本として書き上げました。
今までソフトウェアとしての着物の情報をまとめてきましたが、これからは、着物の産地や作り手と着る人を繋げる部分にも手を広げ、実際にハードウェアである着物の企画、製造、販売もしていこうと思っています。
私は長年かかって着物を楽しむということを探しつづけてきましたが、着物を着たいという男性たちに気軽に着物を着て、楽しめる環境を提供して行きたいと思います。

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