エンタメを仕事にできるカルチャーを目指し、インフルエンサーを育てるスゴい人DAY2

TwitterにYouTube、TikTokにInstagram。そして2021年には「Clubhouse(クラブハウス)」が登場したSNS。現代はSNSが話題の先行を攫うことも少なくありません。SNSユーザーの中でも多くのフォロワーを獲得しているインフルエンサーは、時に企業からPRを請け負うなど、既存メディアやタレント顔負けの広報力を発揮します。そんなインフルエンサーが所属している事務所を運営し、企業や個人のTIKTOK・YOUTUBEをコンサル・アドバイスしているのが、パフォーマーのロボットのぞみさん。彼は1年で「内山さん」というアカウントをコンサル指導し400万人フォロワーを増加に成功し、様々な一般企業のアカウントもコンサル指導・編集などもしています。今回はご自身のルーツやインフルエンサー事業、今後の展開について伺いました。

見どころ

-TikTokの可能性を直感した時

-エンタメの収益化への挑戦

-事業の多角化と世界戦略 

DAY1を読む

TikTokの体験から確信した『この世界はもっと広がるはず』という手応え

──TikTokでのこの体験からインフルエンサーの事業に興味が湧いたのでしょうか。

素人の僕がバズったものだから、もっと広がると思ったんです。それまではパフォーマーの事務所をしていましたが、パフォーマーのギャランティというのはだいたいよくて10万円などです。ですがインフルエンサーの世界は違います。フォロワーを持っているので、企業が広告を出したいと思った時に、フォロワー×2円や3円(一例)のギャランティ算出になります。100万人フォロワーのインフルエンサーであれば、2〜300万円のギャランティになりますから、金額が大きくなります。

会社を運営する上での可能性の高さを感じたんです。そこでインフルエンサーの事務所をスタートしました。

 

──インフルエンサー事業について伺えますか。

インフルエンサー部門の収入としては『広告収入』『企業案件管理営業』『コンサルティング』の3つが基本です。

僕が一番得意なのは、タレントさんの能力や個性から、どのような動画を作っていけばバズるかを提案することです。一番伸ばせた人は、2ヶ月で10万人のフォロワーから400万人になりました。企業の公式アカウントのフォロワーを伸ばす仕事もあります。最近だと2ヶ月で40万人にしたアカウントもあります。

 

フォロワー0の素人からでもインフルエンサーを目指すことは可能

──フォロワーがいない素人でも、インフルエンサーを目指せるんでしょうか。

可能です。その人が提案したことができるかどうかです。全員ができるわけではありません。アドバイスした内容を実行に移す時にプライドが邪魔してしまう人もいます。

僕は無茶なことは言いません。必ずこれをやればバズるというロジックがあるんです。やればファンも獲得できるし、企業案件も貰えるという動画のジャンルを攻めていきます。どんな動画をどんな風に作って何をやればバズるのかといったノウハウですね。

 

──今はどんな動画がバズりやすいのでしょうか。

今はVLOGですね。今まではドッキリやメントスコーラのようなものが多かったのですが、今はもっと日常をアップする動画がウケています。「とあるOLさんの1日」という日記のような動画です。TikTokもYouTubeも、こういった日常VLOGを広めていっています。人の目に止まるチャンスがバズりやすいんです。

 

──以前のインパクト重視のものから落ち着いたものへと変わってきているんですね。

SNS運営の作戦なんですよ。若い人がやらないと広がっていかないんです。十分に広がったら、次はアルゴリズムを変えて、一般ユーザーに広げていきます。

インパクトがあり話題性が強いものが流行ることで若い世代に広がって、ある程度広まった後に、今度は一般ユーザーを呼び込む施策として日常的に作れる動画を広まるように対応しています。 

 

パフォーマーであり実業家。逆風とエンタメの収益化という目的

──プロデュースやコンサルティングを事業にして、周囲の反応は?

いろいろ言われましたよね。パフォーマーじゃなくて金儲けに走ったとも言われました。ビジネスマンになっちゃったなとか。でも、ちゃんとビジネスにすべきだと考えています。エンターテインメントやパフォーマンスに対して対価を払うということを文化にしていかないと、仕事ではなくなってしまいます。

そうしていかないと周りから「音楽で食べていけるの?」「パフォーマーって暮らせるの?」という世界にしたくないんです。

職業を掲げたときに「そういう仕事しているって、凄いね、頑張ってるね」と言ってもらえるには、収入の要素は必要不可欠です。

 

──暮らしていくことが仕事としては大切なのに、なぜか対価については否定的な意見をぶつける存在はありますよね。ネットの世界ではアンチと言われる存在もいると思いますが、どうお考えですか。

考え方の違いはあるでしょうが、嫉妬もあるんじゃないでしょうか。

僕にとっては、どんな否定的な意見をぶつけられても損はありません。改善点として受け取れることは素直に受け取り次に活かせばいいし、誹謗中傷のような攻撃は事務的に淡々と対応します。きちんと訴えていくので、慰謝料を得ることになります。

 

──所属しているインフルエンサーの方へもそのようなフォローをされるんでしょうか。

それぞれ個人的には会社としては対応せず、自分たちにまかせています。僕が対応するのは会社への誹謗中傷ですね。

ただ、相談を受けた場合にはアドバイスはします。ちょうど先日、相談に乗った後輩から誹謗中傷の示談が確定したと連絡がありました。ネットの世界って匿名なようでいて、情報開示請求ができれば、相手を探す出すのは素人でも不可能ではないんです。

 

──ビジネスとして成立させるということは、インフルエンサーやパフォーマーのようなエンターテイナーのための場を作ることでもありますよね。ご自身が活動することは今後考えられているのでしょうか。

自分中心で活動すると、自分に仕事が大量に来て対応しきれなくなってしまうので、他の人をプロデュースするほうが楽しいというのはあります。

それに自分が売れると思って自分で売れなかった時って、メンタルにくるじゃないですか(笑)。人のことだと冷静に試行錯誤ができますよね。

 

感動や喜びに嬉しくなる。人の心を『修理』したいという夢へ

──ご自身がエンターテインメントの活動を続けたい理由は何でしょうか。

一番はお客様の反応を受け取れることです。僕はパフォーマーになる前の3年間、電化製品の修理を請け負う会社でサラリーマンをしていました。家電が壊れて困っている人のところへ行って、修理して喜んでもらえて、感動してくれる。それが嬉しかったんです。

そして僕はものではなくて、人の心を修理したいと思うようになりました。だから僕はパフォーマンスで人を感動させる仕事を選びました。これが僕の原点でもあります。

自分がやるパフォーマンスでお客様が喜んでくれることが楽しかった。そして今は一緒にやっているタレントたちがお客様を喜ばせることが楽しいんです。

 

──さまざまな挑戦をされていますが、失敗する不安はないんでしょうか。

僕の場合、最低5本は事業を同時進行で動かしています。これは以前、パフォーマーの依頼をしてくださった事業家の方の教えです。世の中は10年単位で変わっていくので、収入源を1本にすると何か起こると潰れてしまう。

5本やっていると、必ずどれかは軌道に乗りますから。

今、会社の事業として『広告収入』『コンサルタント』『インフルエンサー』があり、その下に『インフルエンサーを育てる専門アカデミー』『ARや映像コンテンツ』があります。他にも『アパレル』『レストラン運営』『アプリ開発』などもしています。

 

──これからはどのような将来を目指していますか?

今、コンサルして育てている人がたくさんいるんです。そのフォロワーの半分が外国人。事業として世界進出を既にしている状態ですね。TikTokではインサイトといって、フォロワーの属性国がわかるんです。これからさらに、ECサイトなどを使った海外展開、アプリゲーム開発、アパレル展開を広げていきたいと考えています。

瑛人さんの『香水』が流行りましたが、あの曲はTikTokから広がりました。音楽チャート10位以内はすべてTikTokで流行っている楽曲です。だから企業がTikTokで流行らせたいんですが、TikTok専門のコンサルタント、ちゃんと企業を伸ばし利益を作っていけるアカウント運用ができる人が日本では数人しかいません。

これからさらにインターネットやプラットフォームを使ったビジネス展開や活躍が加速していくと思われます。TIKTOKでは半年で5億を稼いだ方もいらっしゃるので夢が大きいですよね。全員にチャンスがありますし、また先々な企業もTIKTOKを始めています。ちょっと前はYOUTUBEだったのですがこれからはTIKTOKとYOUTUBEの2大巨頭で進んでいくと思います。僕は世の中がこうなる前に3年ほど前からTIKTOKのビジネスを進めていた感じですね。

 

──ありがとうございました。

 

(了)インタビュー・ライター:久世薫

ロボットのぞみ(ろぼっとのぞみ) プロフィール:

インフルエンサーが多数所属している株式会社RPGエンターテインメント代表。プロデュースやコンサルをはじめ、活動内容は多岐にわたる。自身もパフォーマーであり、演出家・蜷川幸雄氏の舞台に出演したことをきっかけに劇団を立ち上げる。世の中の問題をテーマとしたパフォーマンスで知られており、テレビや舞台、各種メディアで活躍。現在では学校も設立し、パフォーマー育成にも注力している。

 

公式サイト:https://www.robotnozomi.com/

Twitter:https://twitter.com/ROBOT_NOZOMI

公式ブログ〜のぞみの日記〜:https://ameblo.jp/robot-story/

ロボットのぞみTVhttps://www.youtube.com/user/ROBOTNOZOMITVCH

RPGエンターテインメント:https://www.rpg-entertainment.com/

 

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