音が流れないビデオテープ
幼馴染との約束
追悼式
本日登場するスゴい人は、前人未到の世界大会8年連続優勝、世界的ダンサーのスゴい人!
世界大会での活躍、海外での審査員、ダンスワークショップ、CM出演。
DA PUMPのメンバー、安室奈美恵、荻野目洋子、SPEED、trf、w-inds.、back number、フェアリーズ、ちゃんみな、MY NAME(韓国)、パク・ジュニョ(韓国)etc…数多くアーティストやCMなど100曲以上提供する振付師としても活躍。
また、自身のダンススタジオを持ち、後進の育成も日本一のダンサーに育てるなど力を注ぐ。
今年1月には待望のダンスDVDを発売。
すべてを自身でディレクションし、海外ロケを含めて1年にわたる製作期間をかけて出来上がった自信作だという。
ダンスに魅了され、またその魅力を伝えるスゴい人のこれまでの歩みを聞かせていただこう。
さあ…
ダンスアーティスト
KENZO様の登場です!
活発な生徒会長
福岡県の宮若市で生まれ育ち、人数が少ないので幼稚園から中学まで1学年1クラスでずっと一緒でした。
今回のDVDを作ってくれたカメラマンも幼馴染なんです。
子どもの頃は活発で、小学校の頃は生徒会長をしていました。
全校生徒の前で話したことは思い出に残っています。
ずっと野球をやっていましたがおもちゃも好きで、ハイパーヨーヨーやミニ四駆をやったり、ガンプラは200体くらい持っていました。
お小遣いを全部ガンプラにつぎ込んでいました。
小学生の頃の夢はプラモデル屋さんになりたかったですね。
今はワンピースの「ワールドコレクタブルシリーズ」を300種類くらい全部集めています。
コレクター気質なんですよね。
音が流れないビデオテープ
田舎町に住んでいたので、情報がない中で、TRFのSAMさんがやっていたテレビ番組で踊っていたダンサーさんを見て「かっこいい!これだ!」と胸の中に衝撃が走って。
それからは毎週録画して、曲もわからないからテレビから流れる音をラジカセでそのまま録音して、見よう見まねで練習して、というのをずっと繰り返していました。
今実家に帰ると、擦り切れて音が流れず、映像だけノイズ交じりにみられる当時のビデオテープが残っています。
中学3年生の終わりからレッスンを受けて、色々な大会に出たりしていました。
ダンスの上手い先輩が集まる高校に進学し、先輩たちは入れ替わりで卒業してしまったのですが、チームに入れてもらったりして、そこから変わっていきました。
高校まで自転車で片道1時間、峠を越えないといけないんですよ。
学校が終わるとそのまま練習に行き、毎日4~5時間練習して、帰るのは23~24時。
僕はダンスが好きだけど、センスが無い子でした。
その時先輩が言ってくれた言葉があって
「練習量はうまさに比例する。例えば宙返りを1回練習してできるやつもいる、自分は100回練習してできるかもしれない。だけど、ショーとかコンテストの時にできていたら一緒。そこの努力は誰も見ないから、できなかったら練習すればいいんやない。簡単じゃない?」
そう言われて、猛烈に練習するようになりました。
夢を実現する考え方
大学に入ってからも1日8時間は練習していました。
大学時代はレッスンを受けたい、洋服が欲しいというダンスの欲求のために、食事を削って過ごしたこともありました。
今大事なのはお金を稼ぐことじゃなくて、自分が上手くなること、夢に投資することだとずっと思っていたので、アルバイトは日雇いしかしませんでした。
大会で高校生日本一、大学生日本一になると、バトルゲストとして海外に行けたりして。
挑戦することでつながりも増えて、自然に仕事が増え、名前が広がっていきました。
僕は大学時代に、卒業するまでにダンスで食えている状態で「俺はダンスでやっていく」と親を説得したかったので、その頃から仕事をして、大学の途中から食べられるようになっていました。
実現できた要因は、僕が高校の頃に感銘を受けたイチロー選手の考え方です。
200本安打を打ちたい、ダンスで食えるようになりたい、それはみんな思うことだけど、そのためにしなければいけない項目を全部出します。
素振り、筋トレ、ランニング、データ分析…やるべきことを全部消去したときに初めて、200本安打が見えるんです。
ダンスも一緒で、練習メニュー、テクニック、歴史、ファッション、音楽、カルチャーなど、色々な項目をすべて出して勉強してやってきました。
DA PUMP加入
2008年、当時のマネージャーから電話があって、事務所に行ったら「デビューしませんか」という話で…3回くらい断りました。
2回目に「DA PUMPの新メンバーとして加入してほしい」と言われて、ただのアーティストではなく、ダンスに対する思いや能力も本物だと思って、メンバーを尊敬していた。
ここにいたら自分のダンスをメディアに発信できるかもしれないと思ったんです。
ただ、自分のダンスチームに相談したら「合わないよ。お前はダンスが好きすぎるから絶対合わない」と言われて、「そうだよね」とまた断ったんです。
3回目は本人たちに会って話して、やっていることに対してのリスペクトはあるし、メンバーから「お前の能力が必要だから、俺たちに力を貸してくれないか」と言われて。
僕はダンスしかできませんし、踊ることしか好きではありませんと話したら、それでもいいと話してくれて、この人たちとやっていこうと心に決めました。
DA PUMPに入って、やっぱり自分はダンスが好きだと改めて実感しました。
幼馴染との約束
高校時代に幼馴染が交通事故で亡くなったんです。
亡くなる一週間前に、彼は服が好きで古着屋で日本一になりたい、俺はダンスで日本一とか世界一になりたいと夢を話していて。
突然亡くなってしまった後に彼の部屋を見ていて、その時に決意しました。
幼馴染に言ったことは絶対俺は叶えよう、彼の分まで背負って俺は生きなきゃだめだと。
そこからまた練習に熱が入りましたね。
だから僕の中に魂は二つあります。
追悼式
ダンスを作り出したオリジネーターである、ロッカーズのグレッグ・キャンベルロックJr.が亡くなって。
ファミリーの組織にも在籍していたので、韓国で追悼式をやるから日本代表として来てくれと、韓国側からのオファーがあり、KENZOの口から彼のことを話してくれと言われて行ったんです。
ダンスバトルの大会の合間に追悼式があったので、バトルにも出たら優勝。
それがアジア大会の予選で、ポルトガルである世界大会に出て、優勝したんです。
だから、彼の追悼式がなかったら僕のチャンスはなかったんです。
僕が世界一になれたのも、僕にエッセンスをくれた、センスや色々な影響を与えてくれた先輩達のおかげだし、一緒に引き上げてくれた仲間たちのおかげです。
僕一人で作り上げたKENZOじゃないんです。
今までにないダンスDVDが完成!
DVDの構想はずっとありましたが、実現できるモノが全て揃い、2017年2月から約1年かけて作りました。
僕、オタクなんですよ。
ダンスDVDも200本くらい持っているんですが、今までのダンスDVDにはない、革命的なDVDになっていると思います。
名刺代わりになる作品を残したくて、振付も、楽曲も、映像のコンセプトのディレクションも、ファッションもすべて自分でやり、ここに自分の歴史と生きざまとテクニックを詰め込みました。
僕は、ダンスが好きな人を増やしていきたいし、ダンスが好きな人はもっと好きになってほしいと思っています。
この作品に愛を込めました。
取材を終えて
KENZOさんの取材中に一番盛り上がった会話はワンピースの「ワールドコレクタブルシリーズ」の話だったかもしれない(笑)
後輩を連れ出しUFOキャッチャーをしまくったそうだ。
子どもの頃からコレクター気質だからダンスでセンスがないと思ったかも知れないが先輩の言葉にヒントとなり一つ一つの動きをコレクターして行ったのだろう。
実際に目の前でダンスを披露してくれたが、人間の身体はこんな動きをするのか!?と驚く動きだった。今回のビデオは業界人も驚く構成になっていた。
きっと見た方は彼のダンススタイルの幅の広さと技術、表現力に感動するであろう。きっと、このDVDを通じKENZOさんのステージは1つ大きく上がる事になるだろう。今後の活躍が楽しみである。
プロフィール
KENZO 1985年1月21日 福岡県宮若市生まれ
ダンスアーティスト/コレオグラファー(振付)/俳優/モデル
現在、日本・東京を拠点に、全世界で活躍中。
世界的ダンサーとして2010年から2017年にかけて前人未踏の8年連続世界大会優勝。
総タイトル数60以上、その実力を評価され、世界大会を始め総数150回以上のストリートダンスの主要大会で審査員を任される。脅威的な身体能力から繰り出されるダンステクニック、表現力、類稀なる才能は世界最高峰と称される。
驚異的な身体能力から繰り出されるダンステクニック、表現力はJAPAN DANCE AWARDにて最も影響力のあるダンサーに表彰されている。
2008年に類稀なる才能と実績を評価され、日本のHIPHOP DANCE&VOCAL GROUPの先駆者的存在「DA PUMP」の新メンバーとして抜擢され加入。スタジアム、アリーナクラスでのLIVE PERFORMANCEを始め、個人としても数多くのTV番組、映画、CM出演など活躍。振り付け師として、日本レコード大賞「最優秀新人賞」、日本有線大賞「新人賞」にも輝かせる振り付け指導者としても活躍。アーティスト振り付け提供数は、100曲以上を超える。
また障害を持った幼児たちにもダンスの楽しさを教える活動などもおこなっている一面なども持っている。
ダンススタジオ「K DANCE ACADEMY」主宰。後進ダンサーやキッズの育成にも力を入れ、2014年にはダンススタジオ、振り付け、キャスティング、アパレル、映像制作など、ダンスエンターテイメントを中心とする株式会社Brush UP代表取締役としての顔も持つ。
◆Officialsite http://www.rising-pro.jp/kenzo-official/
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