リハビリのイメージを覆す「ショッピングリハビリ(R)」を生み出したスゴい人!

従来のイメージを覆す明るく楽しいリハビリの構想

利用者さんの声がモチベーション

出会いを大切に更に多くの方に

ショッピングセンターで買い物をしながら、楽しんでリハビリをできる取り組み「ショッピングリハビリ」をご存知でしょうか。
現在13か所に展開され、NHKやTBSを始め多数のメディアに取り上げられている。
本日登場するスゴい人は、この仕組みを生み出したスゴい人!
ショッピングリハビリによって、商業施設は集客増、高齢者の方は足腰の健康増進、そして自治体も介護保険給付減によって元気になるという、三方よしの取り組み。
この画期的な取り組みはどのようにして生まれ、広まったのだろうか。

さあ…
光プロジェクト株式会社
代表取締役 杉村 卓哉様の登場です!

子どもの頃からクリエイティブ

小さい頃は砂場でトンネルを作ったり、基地を作ったり、ねんど遊びをしたり、クリエイティブなことが大好きでしたね。
創造するのは得意なので、頭に浮かんだものを形あるものにしていたような気がします。
私は0から1を作るのが得意なのですが、作った1を100にするのは苦手なので、そこは仲間に助けてもらいながら今は事業をしていますね。

従来のイメージを覆す明るく楽しいリハビリの構想

アルバイトで介護の仕事をしていた時にリハビリを初めて知り、リハビリの仕事って素晴らしいなと思ったんです。
地域の高齢者さんを元気にする仕事に携わりたく、学校を卒業して作業療法士のライセンスをとりました。
病院でリハビリの仕事をしていたとき、なかなか歩けなかったおばあさんが、歩行器を使ったら水を得た魚のように自由に歩けるようになりました。
歩行器を研究している頃にちょうど、お店で買い物カートにもたれかかって歩いている方を見まして、歩行器の機能を備えたカートがあったら楽しく買い物をしながらリハビリをできる!と思いつきました。
リハビリはきつい、頑張ってやるものというイメージがありますが、大好きなことをしていたら、気づいたら元気になっているような。
お店でのリハビリは明るくて楽しく、エンターテイメント性に優れるので、わくわくどきどきしながらできるのかなと考えたのです。
ただ、こういうものは大企業の作るものですし、計画を立てて儲けようと考えていたら、きっとやらないでしょう。
私はがむしゃらに、面白いな、こういうものがあったら地域の高齢者さんが元気になるな、という気持ちだけで取り組み始めました。

アイデア実現のカギは仲間の応援と協力

リハビリのことならわかりますが、モノ作りから入ってしまい、最初はどのようにして形にして良いのかもわかりませんでした。
ですが、「これを作りたい」「こんな夢がある」と色々な方に夢を話し続けていたら、だんだん協力してくれる方が出てきて…デザインができて、図面ができて、量産までたどり着くことができました。
楽々カートができると、今度はそれを使ってリハビリできる場所を作って…と、発信していたら仲間が増え、形になり、事業となっていきましたね。
お金の面でも、借金をするのはどうだろうと思い、バイトをしてお金を貯めては試作機を作り、バイトをしては試作機を作り、ということを繰り返しました。
構想から約2年、独立から1年で形にすることができました。
なかなか形にならなくて、何度も諦めようと思ったこともありましたが、諦めなかったことが結果につながりました。
楽々カートが量産され、大量に出来たのを見たときには「チャレンジしてよかった」と思ったのが今も強く印象に残っています。
この間、成功のイメージをとことん頭の中に思い描きながら乗り越えました。
このカートが走って、高齢者の方がハッピーになっている姿を常にイメージしていましたね。

利用者さんの声がモチベーション

ショッピングリハビリは、カートだけを置いてできる事業ではありません。
カートがあっても、それだけではなかなか使ってもらえないですし、お迎えをしたり、付き添ったり、仮に転倒した時に備え、サポートする専門職の配置が必要となります。
お店がこういうことをして集客したいと言っても専門職を配置することができないので、介護事業者さんと商業施設をマッチングするんです。
実績がいくつかできると、メディアにも出るようになり、少しずつ広がっていきました。
今では全国13か所で、たくさんの高齢者の方が買い物をしていて、まさに思い描いていた通りになりました。
利用者さんが楽しく歩けていて、「これだと長い距離歩けるわ」「ついついたくさんお買い物してしまいます」という言葉をいただいたときに、チャレンジしてよかったなと感じますね。
利用者様の反応が、明日への一番のモチベーションになります。
今年の夏にはショッピングリハビリ専門施設もできました。
ずっと、お店の中におしゃれな施設を建てて、リハビリをして、買いものをして帰るという仕組みをイメージしていたので、思考は現実化するという言葉は本当だと感じています。

「やりたい」と思ったら一歩踏み出す!

目標を達成するためには、セルフイメージが大切です。
自分のモチベーションが常に高くないといけないので、セルフイメージを上げる事は意識しています。
そして諦めないこと。諦めなければ必ず成功します。
また、私は人との出会いを大切にしています。
自分一人でできる事は限られているので、自分の強みと弱みをしっかり見極めて、弱みのところはなるべく仲間の力を借ります。
そのために、自分に無いスキルを持っている人に積極的に出会いに行くようにしています。
色々な人にとにかく会って、「こういうことをやっていて、こういうことができないんです。ちょっと力を貸してくれませんか」と素直にお話ししています。
私は「動けば変わる」という言葉がすごく好きで、座右の銘でもあります。
若い方は、アイデアを持っていても実際に行動に移されない方がたくさんおられるなと思っていて。
アイデアが浮かんで、やりたいなと思ったら、まずは一歩踏み出してみることが大事だと思います。
事業計画を書いたり、机上で話をすることも大事ですが、まずは動けと。
私にとっての一歩目は、「これが作りたいです」と声を大にして、とにかく動き回って色々な方にプレゼンしていったことですね。
最初はまだアイデアレベルだったので、お付き合いをしてくださる方は少なかったですが、その中でも、これは本当に社会の課題解決になるんじゃないかと、協力してくださる方はおられましたね。
そういう方々にまた人を紹介してもらい、少しの光をたどって模索していきました。
それは今でも変わらないですよ。
チャンスがあれば動く!
また、私の仕事はどちらかと言えばクリエイティブな仕事なので、自分の直感・インスピレーションを大切にしています。
直感を磨くためにもガツガツ仕事ばかりするのではなく、睡眠はよくとる事を心がけています。
疲れていると、第六感も直感も働かないですから。
また、人と出会って、多角的に自分や物ごとを見られるようにしています。

出会いを大切に更に多くの方に

たくさんの出会いとご縁によって、今の私があります。
これまで、何とか自分で13施設に広げてきましたが、もっとたくさんの人にショッピングリハビリ、楽々カートを利用していただきたいと思っています。
提携できる企業・仲間をいち早く見つけて、広めるのがうまい方と手を組んで、広げていけたら嬉しいです。

取材を終えて

広々とした明るい空間で、ポップな色遣いの楽々カートを押して買い物を楽しみながら、リハビリをできる。
「一生懸命に頑張る」というリハビリのイメージを一新させた「ショッピングリハビリ」の存在を知った時には衝撃を受けました。
取材時に「ベッドの上で一生懸命足を動かすのと、ショッピングをしながらリハビリになるのと、どちらが良いですか?」と杉村さんから問われ、そう聞かれれば当然後者なのですが、そこを結び付けられる柔軟な発想と、実現させる努力に感動しました。
ショッピングリハビリが更に広まれば、日本中がきっともっと元気になっていくのだろうと思います。

プロフィール

杉村 卓哉(すぎむら・たくや)
光プロジェクト株式会社 代表取締役

「高齢者が活き活きと輝く世界をつくりだしたい」との強い信念で、2010 年にプロダクト・アクシィー社を起ち上げる。
高齢者支援事業で多くの行政・民間企業とコラボレーションし、地域に求められる介護サービスづくりに尽力。
その過程で生み出されたのが次世代型ショッピングカートを使用した買い物リハビリ(ショッピングリハビリ®)。
ショッピングリハビリ®事業をメインとする光プロジェクト株式会社を 2014 年 9 月設立。
「10回の運動より、1回のお買いもの!」をキーワードに、高齢者が光り輝く社会をつくるため、島根県から日本全国へ、世界へ情報を発信中。
全国各地をショッピングリハビリ®の普及のため、次世代型介護サービスの啓蒙のために奔走している。

◆光プロジェクト株式会社 https://hikari-project.co.jp/
◆ショッピングリハビリFacebookページ https://www.facebook.com/shopping.reha/ 

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