日本初!きぐるみを着るセラピーで協会を立ち上げたスゴい人!

悩みを抱えた小学校高学年

きぐるみは「セラピー」になる!

弱い部分を持っていても生きていける

本日登場するスゴい人は、「きぐるみ」がセラピーになると、協会を立ち上げたスゴい人!
彼女はもともと男性として生まれ、小学生の頃から悩みを抱えていた。
社会人になり、社会で活躍する一方で人間関係などに悩み、心理学を学び、そこできぐるみと出会った。
きぐるみが彼女に与えた影響とはどんなものだったのだろうか。

さあ…
NPO法人国際きぐるみセラピー協会
代表理事 吉田 友香様の登場です!

自由にやれる人ばかりではない

思い返すと、すべて今につながっています。
長男として私は生まれ、さらに弟が一人いるんですが、弟は引っ越し先で馴染めなくて幼稚園を移ったり、私と同じようにサッカーをしても倒れて病院に運ばれ「激しい運動はダメ」と言われてしまったり。
自分は色々なことをやらせてもらってチャレンジしてきたけれど、弟はできなかったんですよね。
人は自分と同じじゃないと、知りました。

悩みを抱えた小学校高学年

自分のセクシュアリティがよくわからなかったのもありました。
小学校で集団登校をしていて、通学路に黒いランドセルと赤いランドセルがずらっと並んでいるのが気持ち悪くなってしまって。
ランドセルが嫌で、一人だけ手提げかばんで通学していました。
小学校4、5年生くらいで性に関して多感な時期になり、同級生の会話に全くついて行けなくて。
そういう会話をする場所に近づけないし、そういう会話をする自分にもなれないし、どうしたら良いのかなと感じていました。
みんなが成長していく中で、自分がうまく変われなくて、友達との距離感がわからなくなりましたね。
優等生で学校のテストでは全く苦労したことが無かったですし、毎年嫌がりながら頼まれて学級委員長をしたり、目立っていて。
それで鼻が高くなっていたのか、学年中から無視された時もありました。
最初は自分が無視されているとは気づかなかったのですが、気づいてから1年くらいはほとんど記憶が無くて。
自分を表現しないよう、気配もなるべく消していたんじゃないかと思います。

「楽しいことをしたい」から、きぐるみと出会う

社会に出て、自分の肉体的なことへの悩みが深まり、持っているものと求められるものの違いに悩み、周囲との関わり方、働き方や生き方に悩み、心理学の勉強にはまっていきました。
講座を終えて勉強仲間たちと「何か楽しいことをしたいね」となって、12月開催なのでクリスマスを取り入れることにしました。
友達が「私がサンタさん役をやる」と、仮装もありのセミナーに決定。
私はもっと変化をつけたくて、ネットで着ぐるみを買ってパンダに挑戦しました。
ホテルの会議室を借り、家族で参加ができる笑顔にまつわるセミナーを行ったのですが、きぐるみパンダの影響は大きく、おかげでコミカルなものとなり、皆に喜んでいただけました。
大人から子どもまで参加者はもちろん、会場の人にまで、たくさん「ありがとう」と言われて嬉しいやら恥ずかしいやら。
自分の方こそ何倍もありがとうという気持ちになることができました。
こんなに喜んでもらえて、お互いに元気になれるなんて、きぐるみって楽しいなと思いました。

きぐるみは「セラピー」になる!

再びきぐるみを着ようとしたら、きぐるみを着られる場が見つからないんです。
友達に「きぐるみは絶対に着る方が楽しい。着るところがあったらやってみたいと思う?」と聞いたら、10人中10人がやりたいと。
じゃあやってみるかと。
最初は友達の主催するセミナーにきぐるみを持っていきました。
一人では着られないので周りを巻き込むことになるのですが、みんなすごく乗り気でワクワクしながら手伝ってくれるんです。
そして、たくさんの人が楽しい気持ちになる。
そんなことを繰り返すうちに、きぐるみの効果を感じるようになりました。
自分でいることがしんどいってことありますか。
きぐるみは、無理して自分を出さなくてもそのまま人気者で、愛情をいっぱいやりとりできる。
不思議な感じでした。
きぐるみの中からは、視界が狭いので、見えている部分や音から周囲の状況を想像して、外からどう見えているのかを意識しないとポーズが決まらないんです。
1個1個のアクションをするのに積極的に自分で意識しなければならず、動きながら瞑想している感じです。
きぐるみを着ている間は自分に意識を向けている暇がなく、すごく自分なんだけど、全く自分ではないという感覚です。
性別も年齢も容姿も人種も言語も宗教も飛び越えられるんですよね。
外側の自分とは関係なく、自分の内側にある想いや意識だけで全部勝負する。
だから、自分が性別で悩んでいたこと、見た目や声や外側に出て違和感を持たれてしまう悩みもその時は一切なくて。
自分がいることで喜んでもらえて、自分が救われる感じがしました。
ここまできて、きぐるみは自分という存在を確認するセラピーなんだと気付いた訳です。

仲間が集まりNPOを設立

友達に「この事業計画書はドリプラに出すといいと思う」と言われて学びや人のご縁をいただけました。
キャラクターの協会理事長にお会いすることができ、「きぐるみはセラピーだと思うんですよ」と話すと、「そうそう、そんな感じ」と共感してもらえ、事例まで伺い、やっぱりそうなんだと確信しました。
NPOとして活動を始め、現在はダウン症の子どもたちと一緒に歩く「バディーウォーク」という活動をメインにしています。
ご縁の中で会をスタートさせることができ、色々な人が応援してくれて、有名なアクターさんもジョインしてくださって。
想いに人が集まってくれたのは、自信になりました。
一人の人間が事を起こせるということを知りました。
ただ、自分が止まるとすべてが止まってしまう。
自分が描くものがすべてなので、描ききれないことや迷うこと、経営やマネジメントという点では力不足を痛感しています。
きぐるみは視界や動きに制限があるため、事故などのリスクもあります。
どれだけ楽しい未来を語っても、どんなに素晴らしい活動でも、事故が起きてしまうと迷惑も掛かりますし、活動そのものが止まってしまいます。
喜びがたくさんある分、リスク回避との両立にたくさん悩みました。

今、元気にするべきなのは会社員

現在、NPOになってから5年目、大きな転換期を迎えていると感じます。
私が企業で組織開発の仕事をするようになり、経営者の視点、社員の視点を改めて知ることで、見ているターゲットも変わってきました。
今もっとも元気にしなくてはならないのは、会社員なのかもしれません。
形を変え、もっと手軽に続けていく方法があるのではないかと考えています。

弱い部分を持っていても生きていける

常々、自分がやりたいことの前に、自分が求められていることをできているかを考えています。
あなたがいることできっと社会に役立つことがある。
誰にでも、存在している意味や意義、ポジティブなものがきっとあるはずです。
大人になって求められること。
それは、誰かを育てることかもしれません。
伝えること、支えること、繋ぐこと、背中を見せて頑張ることかもしれません。
何でもいいので、まずはやってみることかもしれません。

取材を終えて

幼いころから現在に至るまで、様々なことがきぐるみセラピー協会の活動につながっていることをお聞かせいただきました。
きぐるみと触れ合うことで元気が出るのは想像できますが、「きぐるみを着ることで元気になるってどういう感じなんだろう?」と思っていたのですが、吉田さんのお話を聞いて納得。
取材の途中から、私も着てみたい!という気持ちになっていました。
これからも、子どもから大人まで、たくさんの人を元気にしてください!

プロフィール

吉田 友香(よしだ・ゆうか)
NPO法人国際きぐるみセラピー協会 代表理事
◆ホームページ http://kigurumiworld.com/
◆Facebookページ https://www.facebook.com/kigurumiworld/

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