世界初の特許取得済み小型補正立体カット『ステップボーンカット』を生み出したスゴい人 !

友だちが少ないマンガ好きな少女が世界で活躍する

2店舗目のオープン前に逃亡!?

NYの美容師と日本の美容師の違い

日本の美容師の技術は国際的にも評価が高い。
ただ、現在世界で普及しているカット技法は西洋人の骨格に合わせたモノであるそうだ。
西洋人はどんな髪型でも似合ってしまう骨格。
しかし、日本人の骨格は違う…
本日のスゴい人が過酷な環境の中から独自に生み出した技術が、いま世界中から注目されている。
さぁ、彼女がどんな経験を経て新技法を作り上げたのか見てみよう。

さあ…
一般社団法人日本小顔補正立体カット協会 代表理事
特許技術ステップボーンカット考案者 牛尾 早百合様の登場です!

大人しかった子ども時代

両親が共働きだったので1人で過ごすことが多かったです。
漫画が大好きで自分でストーリーまで考え、漫画を描いていました。
想像するのがとにかく好きな子どもでした。
誰からも邪魔されず想像の世界に浸れたので、寂しさは全く無かったです。
学校での友達は少なく、漫画の研究会に入って大好きな漫画の話を楽しんでいました。

夢は漫画家、美容師はなんとなく…

中学生の頃、16ページの漫画を編集社に投稿していました。
高校は普通の高校に行き、美術部に入部すると個性的な人達が沢山いて楽しい遊びを覚えてしまい、漫画の世界から自然と離れていました。勉強は殆どしませんでした。
美大かデザイン系へ進もうと先生に話すと「自由業だから大変だよ」と言われ、なんとなく美容学校に行きました。

環境が人をつくる

深く考えず近くの美容室へ就職し、5年ほど勤めました。
労働時間も長く、掃除に厳しいお店で、人生で初めて大変だと思った瞬間でした。
2段ベッド2台で4人暮らし、トイレとお風呂などは毎日掃除。キッチンは私の担当。
次に転職したお店は先輩も厳しくなく、掃除もあまりやらないお店でした。
最初に働いた所の習慣が身についてしまっている為、自然と掃除をし始め、気づいたらリーダー的存在になっていました。
正しい事をやっていると、人がついてくるんですね。
このお店は本当に忙しかったです。
忙しい週末はほぼ全員ブライダルの仕事に行ってしまい、私とアシスタントの2名で回していました。
シャンプー台も8席のカット台も待合室も満席で、立って並んでいる状態が1日中ずっと続くのです。
8人を1人で相手したので、この経験が今に活きています。
忙しすぎるので常に効率を考えて行動していました。
「ここを逃したら30分後になってしまうから、パーマロッドを外して流さないままカットする」
など。
究極にならないと人は考えることが出来ないのでしょうね。

自分のお店をオープン

給料は初任給8万円。最後でも20万円。
そんな中で貯めた300万円と借り入れた500万円ほどで、25歳の時にお店を出しました。
最初は全くお客様が来ませんでしたが、ポスティングをしたり、店の前でラジオ体操やバドミントンをして歩いている人に声を掛けていると、1年もせずお客様で溢れました。
ただ、お店が忙しくなるとスタッフの不満が増え、それまでマネジメントの経験をしてこなかったので苦労しました。
一人っ子で友達もあまり作らなかったので、コミュニケーションは苦手でした。
辞めていくスタッフも出てきて、独立してから人がついてこないという事に本当に苦労しました。
気づくと組織の中で私だけが浮いている状態。
定着率は悪いけどお客様も増え続けていたので、スタッフに希望を見せるためにも2店舗目をオープンさせようと動きました。

新店舗建築中に逃亡

2店舗目建築中に自分自身が嫌になり、原点である現場で働く気持ちを知りたくてNYへ逃亡しました。
最初の1ヶ月は面接で断られ続け、2ヶ月目からオレンジビレッジのお店で働きました。
空間も素敵でモデル・タレントも沢山。
そこで、カット技術を教える事になりました。
外国の人は骨格が良くどんな髪型でも似合うので、欧米では友達同士で切るのが普通で、美容室はエステ感覚でお金持ちが来るところなんです。
撮影やクリエイティブな事も沢山させてもらい、今でも忘れられない程、素敵な経験をしました。
帰る間際、自分の店を持たないかという話まで頂いたのですが、日本に残した2店舗目が出来上がる時期なので後ろ髪をひかれながら帰国しました。

上手く行かない…脱出!

帰国すると、スタッフのお金の使い込みが発覚するなどして経営が嫌になり、お店を売ろうと思ったのですが上手く売れず。
元々離れていたスタッフとの距離は更に開き、スタッフから別のオーナーを立ててくれと言われる程に立場は逆転。
最初のお店は別のオーナーを立て、新店は私と男性スタッフ4、5人でスタート。
アメリカでは一般的で日本ではまだ導入されていなかったインセンティブ制度を導入。
個人事業主的な業務委託制度を導入したのです。
するとスタッフもやる気を出し、更には噂を聞きつけた腕の良い美容師達が集まってきてお店は繁盛しました。
スタッフとも対等な関係を築け楽しくなりました。

更なる壁が立ちはだかる…

ところが、売上が好調でも辞めるスタッフが出てきました。
お金を稼ぐスタッフにとっては良いのですが、成長し続ける環境が足りなかったのです。
育成出来る組織を作ろうと、任せたオーナーと共同で組織化を図りました。
新入社員を採用し、今まで自分でやってきた技術を育成カリキュラムに纏め、ビデオマニュアルも作りました。
先輩達は育って来た環境が違ううえに、個人の感性が入るので新人は誰の言うことに従えば
良いのか迷ってしまうのです。それを全部統一化しました。

ステップボーンカット誕生

ハサミを2本持って切る技法があるのですが、2本持つだけでも一苦労。
1本でも簡単に早く切れる方法は無いか?
スタイリングが下手な人がいるなら、乾かすだけで良いカット技法はないか?
と追求した結果生まれたのが、シャンプーもブローもせず、ハサミは1回だけ入れる“ステップボーンカット”
現在主流であるヴィダルサスーンカットは50年前に西洋で生まれ、世界に広がりました。
カットをチェーンの様に繋げて切って、後で揃えていく技法です。
デメリットは毛先が痛み、手入れもし難く、頭も大きく見えてしまうこと。
骨格が綺麗な外人さんに適したカット技法です。
私は身体の骨格の勉強をした事もあったので、日本人の頭蓋骨に合わせてハサミを入れると小顔に繋がるようになりました。

ノウハウを外に出す瞬間

NYの美容師は、技術力は高くないのに優雅な生活をしていました。
日本の美容師は頑張っているのに優雅な人はほんの一部。
技術公開することで何かの助けになるならば!と思って公開しました。
特許を取るために更に内容を充実させ、今日までに1000名以上に受講頂きました。
ある時、25歳で独立した青年が受講しに来ました。
彼は4,800円でカラーカットを提供し、休みなく働いて夜までアルバイトしないとお店を保てなかったそうです。
そんな中、受講料を工面してステップボーンカットを手にし、今はカット12,000円で大成功しています。
成功した理由は、彼はお客様にもスタッフにも今までの技術にもしがみつくこともなく全てを手放せたからだと思います。
美容師を、頑張れば報われ、誇れる職業にして行きたいです。

取材を終えて

終始笑顔で話をされる、早百合さん。
本編には載せなかったがエステビジネスもされ、1億円近く詐欺にあったと笑い飛ばされた。
2店舗目の建設中にいきなりNYに行ってしまうなど波乱万丈な人生を歩んでいるが、自分の心に素直に向き合い、取り組み続けてきた証なのかもしれない。
HPへのアクセスは渋谷区、港区がダントツだが実際の受講生は名古屋、大阪が多いという。
気になっている技術でも、スグに取り入れられない日本の美容師環境が背景に感じられる。
予約システムが無い時代はオープンから閉店までとにかく素早く丁寧にカットしたそうだ。
今は予約システムが導入され時間的な余裕はできたが、切る人数は自然と減り、売上も自然と決まってしまう。
システム化は効率として必要だが、否が応でも我武者羅に取り組むからこそ見える世界が一方であるのだろう。
苦しい環境でも笑顔で笑い飛ばしてきた早百合さんは魅力的な人だった。
これからも日本中、世界中へと活躍して頂きたい。

プロフィール

牛尾早百合(うしお・さゆり)
世界を旅する直感型クリエイター
SAYURIは世界中の街角でモデルを発掘し、衣装調達・ヘアメイク・撮影までの全てを自ら行い、
現地のクリエイターとの出会いの中から独自のスタイルで作品を創作する。
その作品には、いつも天啓に似た直感的なひらめきで紡ぎ出した散文が添えられる。
2010年、幻想的な作品は一冊のART PHOTO BOOK「For Japanese Hairdressers〜日本の美容師たちへ」にまとめられ、世界6カ国13都市で発売された。
「日本の美容師たちへ 自信をもちなさい 日本の美容技術は世界最高水準だと 自負しなさい」
そのメッセージは未来へと放たれ、同じ未来を思い描いていながら離れ離れだった仲間達を結びつけ、
歴史を大きく変えるような新しい冒険がはじまった。
LFCA 一般社団法人日本小顔矯正立体カット協会 http://lfca-japan.com/
◆小顔矯正立体カットアカデミー http://sbc-a.jp/

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