日本に「法と言語学」を科学的な側面も取り入れ定着させたスゴい人!

スカウトされバンドマンを目指す

法言語学との出逢いは学生の一言から

最初は上手く行かないが努力で景色を変える

言語学の立場から証言や鑑定の分析などを行う法言語学。
近年、我が国においてもこの分野の研究者が一気に増加し、ようやく活気づいてきた。
本日登場するスゴい人は明治大学法学部の教授でありながら法と言語を研究し、日本に法と言語学の基盤を科学的な側面も用いて確立された人だ。
努力を惜しまない彼の人生を覗いてみよう。

さあ…
法と言語科学研究所 代表
明治大学法学部 教授
堀田 秀吾様の登場です!


周りの目を気にする子ども時代

少年時代は変わり者でした。
自分でも気づかないうちに冬でも短パンを履いていて、ある時、1日だけ長いジーンズを履いて行くと「堀田が長ズボンを履いている!」と驚かれ、どんなに寒くても友達は半ズボンの堀田を期待しているんだと思い、それ以降は短パンで通しました。
またある時は、長距離走で頑張り過ぎてお腹が痛くなり最下位になってしまいました。
皆からの同情の拍手が恥ずかしくて悔しくて。
翌日からリベンジのために毎日縄跳びを100回飛び、翌年の長距離走では1位を取りました。
髪型が変と言われれば髪型を研究しまくり、服装が変と言われればファッションを研究しまくる。
人にどう見られているかが常に気になって「堀田、スゴい!」と言われたかったです。

スカウトされバンドマンを目指す

バンドは中学の頃に始め、ギターの速弾きなど誰も出来ないことを最初に出来るようになりたいと、毎晩練習していました。
200人ぐらいはお客様を呼べる、地元では騒がれる人気バンドになりました。
高校1年生の時に9社からスカウトが来たのですがあまり興味はなく、1社だけ気になったので知り合いの芸能関係者に聞くと「敏腕プロデューサーが独立した会社だから絶対に当たる」と言われたので所属してみました。
周りの実力に圧倒されました。
ギターで入ったもののボーカルをやってみないかと言われ、次は作曲をやってみないかと言われ。
周りはどんどんデビューして行き、高校3年生のはじめに自分には実力が無いと痛感し、事務所を辞めました。

恩師を悲しませる事はしないと決めた中学時代

教員を目指すきっかけは中学時代の先生の影響でした。
ヤンキーでは無かったのですがロックンロール・バンドをしていたので世間からは不良と思われていました。
元々は喧嘩っ早く、問題を起こすことも度々ありましたが、怖くて有名な先生が、僕のことだけは絶対に怒らず、いつも最後まで味方になってくれたのです。
でも一度だけ、嘘をついたわけではないのですが、人として少しズレた事をした時に思いっきり叱られました。
先生に叱られている時、この先生を悲しませることは二度としないと思いました。
思春期の男だから色々な事に興味を持ち、悪さをする事に関しては寛大な心で受けとめてくれたのですが、人として間違った事が大っ嫌いな先生でした。
この先生とは今でも交流を持っています。
そして、この先生が英語の先生で英語が好きになり、英語の先生になろうと思ったのです。

まさかの博士課程

大学にアメリカ帰りのカッコイイ教授がいて、こんな人になりたいなと思いアメリカの大学院を目指しました。
当時は英語を話せる先生も少なかったので、1年くらい行って修士号でもとって帰国すれば高校の先生になれるかなと思っていました。
大学院に行く前に2年ほど勉強したのですが、大学院に入るGRE試験がものすごく難しくて、見たこともない単語が沢山出てくるんです。
どうしよう!と思ったのですが、これを覚えたらもっと英語が上手になるし、もっと面白いことが起きるのでは!?と楽しい未来を想像して勉強しました。
入学して一番ビックリしたのは「うちの大学院は修士課程なんて無いわよ。あなたがいるのは博士課程です」と言われたことです(笑)
だから僕は学士の後、博士なんです。
日本では珍しいと思います。
博士で高校の先生は勿体無いと言われ、大学の教授になりました。

法言語学との出逢いは学生の一言から

帰国後の就職活動は大変でしたが、ご縁があって立命館に勤めることになりました。
この頃は言語学が専門でしたので、法学の知識はゼロでした。
ある時、僕のファンであるという学生が「先生の授業は全然面白くないです」と言ってきたのです。
彼を喜ばせる授業をしないといけない!と思いました。
こうして、僕も法律を学ぼう、法律1本で勝負するのは無理だから言語と法律の架け橋を作ろうと思ったのです。
法言語というのが世の中にある事を知り、勉強のためにアメリカやイギリス、ポーランドにも行きました。
3〜4年経った頃、京大の教授から「法律は生半可な気持ちでやってはいけない」と言われたのでロースクールに通い博士課程も終え、法律家とも対等に話が出来るようになりました。
10年間の研究蓄積が世の中に認められ「法言語学」が辞書に掲載されました。
法言語学という分野は研究だけでなく実際に弁護士とお仕事をします。
言語的に分析して脅迫が成立しているか、同じ人物が書いた文章なのか、音声資料が編集されていないかなどを調査します。

ラスベガスでの出会い

ラスベガスの学会でたまたま藤田政博先生と席が隣になり「何を研究されているのですか?」と話しかけたら「法と心理」を研究されていると。
僕は「法と言語」をやっているので何か一緒にやりましょうと話し、このコンビネーションが法律界で好評を得て、色々な所から声がかかり論文も出すようになりました。
この出会いから研究が破竹の勢いで伸び、研究資金も集まり、研究者としては成功しました。
藤田先生から東大卒の恋愛カウンセラーという面白い人がいるから会ってみないかと紹介されたのが、今や人気作家の五百田達成さんでした。
すぐに意気投合し、共著で出したのが『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』という本で15万部売れました。
そこから作家活動も順調になりました。
ちょっとした事でも気になったら会うことを常に実践し、人生を好転させる出逢いが訪れています。

最初はうまくいかないが努力で景色を変える

僕はいつも最初からは上手く行かないんです。
中学の時に遊びすぎて成績は下がり、先生や仲間からさげすまれた事が悔しくて寸暇を惜しんで勉強し、上位に食い込みました。
この時、僕はやれば出来るんだ!と自分の礎が出来ました。
アメリカに行って愕然としたのは、どんなに頑張っても追いつけない天才がゴロゴロいた事です。
だったら睡眠時間を削って勉強するしかない。
そして、僕は凡人だから努力するしかない。
どうしたらショートスリーパーになれるか考えて、ベッドに横にならずに机で寝るようにしました。
朝の4時まで勉強してそのまま机で寝て8時には学校に行く生活をずっと続けました。
努力さえすれば、スピードの違いはあれど誰でも着実に前に進めます。
だた、努力はなかなか難しいのでいつも環境を先に整えていました。
社会は人との繋がりで出来ていて、僕の人生は人からどう見られているかが軸にあり、人と繋がって来ました。
誰と出逢って、その人とどう関わるかで、人生が決まります。
これからもやりたいことは何でもチャレンジして、自分が出来ることを少しずつ広げていきます。

取材を終えて・・・

堀田先生は誰が見てもイケメンで、女性にも積極的に見えるが、実は入学された高校は共学だったものの女子とは別棟。殆ど男子校状態だったそうだ。
この高校3年間で女性との接し方がわからなくなり、今でも女性の目を恥ずかし過ぎて直視できないという。
このギャップも堀田先生の魅力の1つだ(笑)
その活躍は幅広く、アイドルプロデュースやドーナツ開発もされ、大学教授とはかけ離れた事にも沢山着手されながらも、多数の論文や書籍を執筆されていることに驚かされる。


プロフィール

堀田秀吾(ほった・しゅうご)
• 2013.4~現在 ハワイ大学ロースクール 客員研究員 Visiting Researcher, University of Hawaii William S. Richardson School of Law, USA
• 2010.4~現在 明治大学法学部 教授 Professor, School of Law, Meiji University
• 2008.4~2010.3 明治大学法学部 准教授
• 2000.4~2008.3 立命館大学 法学部 ・大学院言語教育情報研究科 准教授

• シカゴ大学大学院言語学部博士課程修了(言語学博士) 
Ph.D. (The University of Chicago)
• ヨーク大学オズグッド・ホール・ロースクール修士課程修了 
LL.M., (Osgoode Hall Law School, York University)
ヨーク大学オズグッド・ホール・ロースクール博士課程単位取得退学
Ph.D. Candidate in Law (Osgoode Hall Law School, York University)

著書:
「科学的に元気になる方法を集めました」 http://amzn.to/2sXKD1e
「特定の人しかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ」 http://amzn.to/2sXRzeW
「人間関係の99%はことばで変わる!」 http://amzn.to/2rXIyTT
「なぜ、あの人の頼みは聞いてしまうのか?仕事に使える言語学」 http://amzn.to/2rYxUfl
「飲みの席には這ってでも行け!人づき合いが苦手な人のための「コミュ力」の身につけ方」 http://amzn.to/2tAO8Zr

◆法と言語科学研究所ホームページ http://ills.jpn.org/
◆個人ホームページ http://www.kisc.meiji.ac.jp/~hotta/

    

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