かつて109万人いた漁師が今や16万人。20年後にはいなくなると言われている。
魚が獲れないわけではない。
適正な価格で取引せずに安く買い叩く事が常態化し、漁師の生活は苦しくなり、それを見た次の世代が跡を継がなくなっているのだ。
本日登場するスゴい人は、中間業者を挟まず、港から直接空港に運び、羽田空港内に鮮魚の仕分け・加工センターを設立した。
“羽田市場”の誕生により、生産者と小売業・飲食店を直接取引で繋ぐ事を可能にしてしまった。
何故、こんな斬新な流通を築きあげられたのだろうか。
さあ…
CSN地方創生ネットワーク株式会社
代表取締役
野本良平様の登場です!
「超速鮮魚」
我が家は業務用の食品問屋を営んでいたのですが、儲からない事は幼い頃から体感していました。
大学受験で浪人していると、母から免許を取って来いと連絡が入り、翌日から合宿に行って免許が取れた報告をすると、兄貴が免停になったので配送の手伝いをしろと言われ、翌日からトラック配送をスタート。
本当にお金がなくて、有料道路に乗っても支払う金がなく、いつも事務所で「次回払う」と署名していました。
ある時カーナビを購入し、自宅を設定すると、「すぐ近くです」との案内。
近すぎて道案内をされないことに衝撃を受けました。
自宅、仕事場、パチンコと、生活範囲があまりにも狭かったのです。
このままではダメだと思い、スーツとネクタイを買って、翌月から新規開拓の営業回りをスタート。
大手の仕事が決まり、仕事も楽しくなりました。
メーカーをやりたいと考え始めた頃、取引先が倒産し、売掛金の回収が出来ない代わりに工場を貸してもらうことでメーカー業をスタート。
こちらも順調に軌道に乗りました。
この時、一次産業が儲かっていないことを知ったのです。
飲食業に転職し上場まで果たした頃、私が理想としていた、自社で地鶏を育てて飲食店で提供しているAPカンパニーと出会い、即決し翌月入社。
漁業権を借りて船を購入し、漁師を募集。
本来漁師さんから魚を買うはずの会社が船を持つことに最初は大反対を受けましたが、足りない魚は購入し、加工が必要な魚は業者に出すなど、地域を巻き込み一緒に活性化して行くことで受け入れてもらいました。
問題は、羽田に荷物が届いてから出るまで2時間かかり、輸送時間のロスがある事でした。
配送センターを近くに作っても、飛行機の遅れによるオペレーションの乱れは何とも出来ません。
これは空港内に市場を作る事でしか解決できないと、ずっと思っていたのです。
独立を期に一度はけんもほろろに断られた航空局に再度プレゼンしました。
「本当の地方創生は羽田の中に市場を作る事から始まる」と。
鮮度の高い食品を適切な価格で流通し、一次産業の方に適正な利益を生むことで、若者が跡を継ぐ。
羽田をハブに海外へ直接送り出すことも出来る。
今年は香港、シンガポール、北米への出荷が飛躍的に伸びます。
築地市場の中でも新鮮さを認められ、羽田市場コーナーも作って頂きました。
正しい流通を作る事で一次産業の方を守り、美味しい新鮮な食材を日本のみならず世界の皆様にお届けしていきます。
◆地方創生ネットワーク
http://www.chihousousei.co.jp/
◆羽田市場直販部(個人販売)がオープンしました!
http://shop2.hanedaichiba.jp/