江戸時代に成立し、今日まで伝承されている日本の伝統的な話芸、落語。
本日登場するスゴい人は落語を世界に広める、カナダ人落語家のスゴい人!
彼はもともとカナダで劇作家・作曲家として活躍していたが、演劇を通じて日本の伝統芸能である能に興味を持ち、1999年に来日。
2008年より桂三枝(現・六代桂文枝)に弟子入りし、現在は上方落語会初の外国人噺家として活躍する。
今年(2015年)8月からは拠点をイギリス・ロンドンに移し、自身の夢である「落語を世界に広める」ために活動を続けている。
さあ…
落語家
桂三輝(さんしゃいん)様の登場です!
「師匠に感謝」
演劇を通じて日本に興味を持ち、最初は「半年くらい日本に行ってみよう」という軽い気持ちで来ました。
しかし、伝統を大切にする日本文化の素晴らしさに惹かれ、すぐに日本が大好きになり、日本に住むことを決めました。
特に目標も無いまま5年が過ぎた頃、行きつけの居酒屋で行われる若手落語家の公演に呼ばれたのが落語との出会いでした。
内容はさっぱりわかりませんでしたが、4席聞くと面白さが分かり、すぐに恋に落ちました。私は落語に出会うために日本に来たのだと思いましたね。
落語家になりたいと言っても「外国人はいない」と言われ、最初は色物としてアコーディオン漫談をしていました。
しかし関われば関わるほど、落語家になりたいという想いは強くなっていきました。
ある時、知人に勧められて桂三枝(現・文枝)師匠の創作落語を聞き、再び恋に落ちました。
直訳してカナダ人に聞かせても絶対にウケると思い、別の日に師匠の公演が終わるのを待って「弟子にしてください」とお願いをすると、「番組収録を見に来るのはかまわないよ」と言われました。
それから毎週「新婚さんいらっしゃい」の収録現場に通い続け、8か月経った頃、師匠が声をかけてくださり、弟子入りをさせて頂きました。
修行は大変でしたが、師匠から落語の教えや桂三輝という名前など、たくさんのものを頂いているのに、私はなぜもっと出来のいい弟子になれないのかと思う時が一番つらく感じました。
入門した頃、私は敬語が全くできず、自分ができていない事にも気づいていませんでした。
ある時、師匠から「あの言い方は良くない。話のプロになろうと思うなら、お前もちゃんとしなさい」と言われ、「外国人だからできなくても良い」ではなく、日本人と同じように見てもらえたことに師匠の愛を感じ、それから一生懸命敬語を勉強しました。
落語はテクニックではなく心ですから、教わったからと言ってうまくできるわけではありません。修行を通して師匠の心を学ばなければ、落語はできないと思っています。
師匠には感謝してもしきれません。
うまく行かなくて未来が見えない時は、夢や目標が遠く感じますが、実現してみると意外と近くにあるものです。
うまく行かない時は、日々の小さな幸せを実感しながら、その時が来るのをじっと待つことも大切です。
今後はロンドンに拠点を移し、ロンドンで落語の公演を始めます。
公演を成功させ、日本の落語を世界へ広めていきたいと思っています。
◆オフィシャルホームページ
https://katsurasunshine.wordpress.com/