視覚障害者も楽しめるクライミングスクールを主宰する視覚障害者のスゴい人!

本日登場するスゴい人は、フリークライミングを通して、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げる活動を行うNPO法人を立ち上げたスゴい人。
彼自身も28歳から病気によって視力を失いながら、フリークライミングを行うだけでなくスクールでの指導や啓発活動、講演活動など、幅広く活躍をする。
彼らの運営するスクールには、4歳から82歳まで性別、年齢、障害の有無にかかわらず様々な人が参加し、クライミングを通じた多様性を認め合う社会づくりを行っている。
さあ・・・特定非営利活動法人モンキーマジック代表理事 小林幸一郎様の登場です!

「POPでHAPPYな社会を目指して」

フリークライミングとの出会いは高校2年生の夏休み。
小、中学生の頃は運動が苦手だったのですが、クライミングに出会って人生が変わりました。
運動は勝ち負けや優劣がつくイメージでしたが、フリークライミングは自分の目標との戦いのスポーツなので優劣がつかないのが性格に合ったようです。
それに、自然の中でのクライミングは景色もよくてとても気持ちいいんです。
大学時代は毎日アルバイトをしてお金を貯めては海外にクライミングに行っていました。
目に異変を感じたのは28歳の時。
車を運転していると見えづらく感じるときがあり、パソコン作業のせいで視力が落ちたのだと思っていました。
しかし病院に行くと精密検査をされて、「あなたは遺伝性の目の病気で、この病気の治療法はありません。近い将来失明します。」と言われたのです。
その時は自分の事とは思えず、「何を言っているんだろう?」という気持ちでした。
しかし雑誌や新聞が読めなくなり、運転免許は更新ができなくなって、見えなくなっていく現実に直面して「次は何を失うんだろう」という気持ちになっていました。
セカンド・オピニオンを求めて色々な病院に行ってもやはり診断結果は同じで諦めかけていた時、友人に勧められた病院で初めてロービジョンケアというものに出会いました。
そこではケースワーカーの先生が、視覚障害を持った人に対してどのようにして仕事を続けていけば良いかなどの相談に乗っていました。
僕が「見えなくなっていく前にどんな準備をしたらいいですか?」と質問をすると、「大切なことは、何をしたいのか、どう生きていきたいのか。
それがあれば、周りの人たちが支えてくれるからもっと自分の人生を生きなさい」と言ってくれたのです。
それまで長いトンネルの中にいるような気持ちだったのが、この言葉で一筋の光が見えました。
もう一人、僕に大きな影響を与えてくれたのが、全盲でエベレストに登ったエリックさんでした。
彼と出会った事で、視覚障害があっても自分が思っているよりも色々な事ができるのかもしれないと可能性を感じられるようになりました。
出会いがきっかけとなって、自分が視力を失い始めていてもクライミングを続けていられるなら他の視覚障害の人にもできるはずだと思い、NPO法人の活動を始めるに至りました。
これからも「POPでHAPPYな社会」を合言葉に、クライミングを通して多様性を認め合うような社会を目指します。

◆特定非営利活動法人モンキーマジック
http://www.monkeymagic.or.jp/
※一部携帯では見られない可能性があります。

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