東京、日暮里で194年もの間続く老舗団子店“羽二重団子”
羽二重(絹)のようなきめの細やかな団子は多くの文学者からも愛されていた。
夏目漱石著「吾輩は猫である」
正岡子規著「道灌山」「仰臥漫録」「寒山落木巻三」「俳句稿巻一」
司馬遼太郎著「坂の上の雲」
など多数の文学作品にもこの団子が登場している。
本日は、この長い歴史を持つ羽二重団子の7代目を受け継ぐスゴい人が登場する。
歴史ある家を受け継ぐうえで大切にしている事とは?
さあ・・・株式会社羽二重団子代表取締役 澤野修一様の登場です!
「ほどほどに」
昔は職住が同じでしたので幼い頃から父親の仕事場に出入りして、特別に跡を継ぐ事を意識した事はありませんでしたが、何となく仕事を知っていました。
私は大学を卒業後、2年間の会社員生活を送り、その後、京都の菓子屋で1年間職人として働いた後、実家の羽二重団子に入りました。
平成22年に、50年務めていたベテランの職人が退職しました。
すべての事を引き継いでいたわけではありませんし、先代である父もすでに現場を離れてしまっておりましたので、それからは、若手の職人達と私とで試行錯誤をしながら羽二重団子の味を守っております。
羽二重団子は、米の粉を蒸かし、ついて作った団子に生醤油をつけて焼いたものと、さらし餡をつけたもので、どちらもとてもシンプルです。
特段秘伝の技のような物はありませんが、シンプルなだけに、少しの違いで味に差が出てしまうのです。
団子の水加減は基本ですが、新米と古米、湿度の高い日と乾燥した日など、その時々によって水加減を調整しています。
長くにわたってご愛顧下さっているお客様がいらっしゃいますので、昔の方が良かったと言われないように日々できる限りの努力を続けています。
私の家に家訓のように伝わる団子作りについての言葉があります。
自家製粉をおこなっておりますので、米を製粉する時には、細かからず粗からず。
団子をつく時には、よそが300つくならうちは600つけ。
手間をかけろと言う事ですね。
それから、しょうゆの団子は焼いた方が味がしみ込みますが、焼きすぎると黒こげになってしまいますので、「何でもほどほどに」と言われておりました。
羽二重団子はこれまでに3度の危機を乗り越えました。
明治維新、関東大震災、それから戦争です。
この頃は、材料となる米も配給でしたからお菓子など作っている余裕はありませんし、商売をする事もできなかったそうです。
その間は、祖父も働きに出て家庭を支えていたと聞いています。
父は招集されました。
こうした時期があっても、今まで続けて来られたのは、羽二重団子を愛して下さるお客様があってこそですね。
羽二重団子は伝統の食文化の一つですので、これからも残していくことに意味があると思っております。
変化し続ける時代の中で、羽二重団子どのようにして残していくか。
それを、次の代を継ぐ息子とともに考えてまいります。
◆羽二重団子ホームページ
http://www.habutae.jp/
◆羽二重団子フェイスブックページ
https://www.facebook.com/pages/%E7%BE%BD%E4%BA%8C%E9%87%8D%E5%9B%A3%E5%AD%90/179922242053348
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