今、本が売れないと言われる時代に毎月10万部発売されている、ソーシャル・エコに注目した雑誌「ソトコト」
本日は、その雑誌の編集長を務めるスゴい人!が登場する。
雑誌という影響力の強いメディアの世界で、10年以上も中心に立ち続ける人物。
彼は編集人生の中で「釣り」と「アウトドア」という2つのブームの始まりから終焉までを経験した。
彼がその経験の中から学んだこととは?
さあ・・・ソーシャル・エコマガジン「ソトコト」編集長 指出一正様の登場です!
「縦走ライフスタイル」
おじいちゃんが隠居して鳥をたくさん飼っている家だったので、家にはなんと孔雀までいたんですよ。
実家の周りには狸がいたりして、小さい時から、人間だけが暮らす社会ではなく、動物や自然と共に暮らす社会が身近にありました。
少年時代は釣りにはまり、夢中になりました。
徹夜で釣りにいったり、釣り道具のカタログの品番まで暗記していたり、始発に乗って群馬から東京に釣り具を買いに行ったりしていました。
大学時代は釣り部が無かったので、登山サークルに入りました。
何故かって?山で釣りが出来るからです。
大学の時、バイトでアウトドアの雑誌制作会社に入りました。
砂運びをしたり、テントをはったり、とても重労働の多い職場だったし、急にタイアップの記事を書けと言われたり、行ったこともない場所の記事を想像で書いたり、色々しましたね。
ある時編集部で日本一のオタクを決める“カルトQ”という番組に誰か出てみないか?という話になり出演したんですが、ルアーフィッシングが取り上げられた時に優勝しました。
それで、「こいつは詳しいんだ!」と編集部の人たちに認めてもらい、そのまま入社させてもらいました。
ですので、私は就職活動をしていないんですよ。
雑誌を作り始めて、2つのブームの立ち上がりから衰退に立ち会いました。
一つはアウトドアブーム、もう一つは釣りブーム。
ブームってすごいんですが、急な広がりは、影響が激しい。
釣りブームの時、おじいちゃんおばあちゃんが経営している地方のお店でも月に3000万円儲かった時代があったんです。
そのブームにのって事業を拡大したあと、ブームが去ると大変になる。
それを目の当たりにしてショックを受けました。
雑誌やメディアは、ブームの中心にあり、影響力がある。
影響力があるからこそ気をつけないといけないんです。
私が雑誌を作る上で意識している事があります。
「今日得た知識で来月の雑誌を作らない」という事です。
山登りのスタイルに「縦走」というものがあります。
上がったり、下がったりしながら一直線でやらずに、何日かかけて登る事です。
まさに、雑誌の編集をする事は縦走です。
僕はずっと自然とかかわってきたけど、ソトコトに関わるまで、けっして一直線でやってきたわけでなく、「縦走」でやってきた結果なんです。
これからも、上がったり下がったりしながらも、『ソトコト』の紙面を通じて読者の皆さんにとって新鮮な情報を届けていきたいです。