1969年の創立以来、これまでに120万人の卒業生を輩出してきたハクビ京都きもの学院の理事長が本日登場する。
1976年、三笠宮妃百合子殿下に、着つけをご進講。
1978年、紺綬褒章を受章。
1980年には天皇・皇后両陛下に、和紙ちぎり絵のご進講などの実績を持つ、日本で初めての花嫁貸衣装専門店を始めた会社です。
着付けのみならず、和紙のちぎり絵教室の講座も持つ学院であるが、いずれも理事長の意志ではなく、周囲の人々からの勧めで始まったものだという。
多数の着付け教室が乱立した着物ブームの時代をこえ、需要の激減した今も尚、学院が残っているのは、ハクビ京都きもの学院が多くの人から評価されている何よりの証といえるだろう。
老舗きもの学院の理事長の大切にしている思いを聞かせていただきましょう。
さあ・・・ハクビ総合学院理事長 水島恭愛様の登場です!
「嫌な事にもありがとう」
ハクビは、白くて美しい日本初の花嫁貸衣装専門店からスタートしました。
はじめは、着物の着付けの基礎を学ぶ為、着物学院の講師となって働いていました。
ある時、その学院の先生から独立して教室を開くことを薦めていただき、巣鴨で開校しましたが、はじめは生徒が全く集まりませんでした。
ある時、妻が講座の開始日について助言をくれました。
「1月7日に開講しても女性は家事で忙しくて誰も集まらないから、小正月明けの1月20日過ぎに始めてご覧なさい」と。
彼女の言うとおりにしたら、生徒がたくさん集まったのです。
生徒の多くは小さな子どもを持つ母親だったので、当時同じ境遇にあった妻が「自分が習い事をするなら」と考えてくれたのでした。
それから僕は、女性の意見を聞くことが一番重要だと考えるようになりました。
その後は良い先生にめぐり合い、短期間で習得できる小物を使った着付けから、紐のみを使用した着付け、様々な帯の結び方など目的やレベルに応じた複数のクラスを持つことができました。
私は人様の長所を見つけ、褒めるのが好きなのです。
ライバルはたくさんいますが、相手の短所を見ずに長所を見て長所を一生懸命真似するようにしています。
そうすると、いつの間にかライバルを越えることができているのです。
この発想を継いで、社内では長所発見運動というものを行っています。
誕生日の人に、その人の長所をカードに書いて渡してあげるのです。
人生で大変だったことはたくさんありました。
人間、生きていると四六時中、嫌な事や大変なことが鉄砲のように飛んできます。
嫌な事は、逃げようとすると追ってくるものなのです。
これは人から教わったことなのですが、僕は良いことが起きた時は感謝し、悪いことに対してもありがとうと言って受け止めるようにしています。
「ありがとう」と言うことで、良いことが起こるのです。
「ありがとう」は魔法の言葉ですね。
着物は、最も日本人の長所を引き出せる衣装です。
今後も、「和の心」と「調和」を大切に、皆さまに着物文化を伝えていきます。