事業は“起す”より“続ける”方がはるかに難しい。
起業後10年以内に倒産してしまう割合は、実に93%にも上るという。
そんな中、お客様から愛され続け76年もの間続いている老舗江戸前寿司屋がある。
魯山人、志賀直哉、歴代総理大臣・・・
各界の著名人を虜にした一流の“味”、“技術”、“もてなし”。
日本の伝統的食文化を守り続ける三代目に商売に対する哲学を語っていただきましょう!
さあ・・・銀座久兵衛 三代目今田景久様の登場です!
「現場第一主義を貫く」
いろいろな方から「生まれた時から跡を継ぐ事が決まっていてプレッシャーではないですか?」と聞かれますが、プレッシャーを感じた事も嫌になって辞めようと思った事もありません。
祖父がお店をやっていた頃は店舗と家が一緒になっていたので、休みの日に祖父母のところへ遊びに行っては、お店をみて
「自分が三代目を継ぐんだ」
と子どもながらに感じていました。
大学2年生の時から学校が終わった後にお店で手伝いを始め、卒業と同時に久兵衛に就職しました。
修業時代から私が指針としている言葉、それは、
「謙虚でありたい」
忙しくなるとつい気が立ったり、仕事が手につかなくなったりしがちですが、そんな状況でこそ謙虚でありたいと思っています。
お客様に最高のサービスをするためにも、従業員には嫌な気持ちで働いて欲しくないですからね。
板前一人ひとりが光っていて、「久兵衛で板前をやっている」と胸を張って言ってもらえるお店にしたいです。
また、初めて来ていただいたお客様には緊張している方が多々いらっしゃいますので、リラックスしてお食事を楽しんで頂けるような環境づくりも大切にしています。
“全てはお客様のため”です。
一貫握るごとにお客様のご要望を聞き、言葉のキャッチボールを重ねて徐々に緊張をほぐします。
銀座久兵衛は数多くのお客様に支えられて創業から76年続けてくることが出来ました。
支えてくださる皆様には本当に感謝しております。
銀座久兵衛には「一見のお客様お断り」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると聞きますが、決してそんなことはなく、幅広いお客様にご利用いただきたいと思っています。
現在のクオリティを保ちつつ、敷居の高さを感じさせないブランド作りを行えるよう、銀座久兵衛三代目として日々精進して参ります。
先代から受け継いだ“選ぶのはお客様であって、店が客を選ぶのではない”という「現場第一主義」を貫き、自身の技にさらに磨きをかけて幅広いお客様に愛される久兵衛をこれからも守り続けていきます。