現在温泉への旅行者は年間、のべ1億2200万人。
日本人の殆どが温泉に興味を持っていると言っても過言では無いだろう。
リーマンショックに次ぐ3.11で温泉経営は厳しく、温泉旅館の数は減ってきた。
今日のスゴい人!は日本の宝である温泉を守るため“本物の温泉”を再生させる温泉旅館の再生アドバイザーとして活動を続けている。「本物の温泉」とは?
さあ、温泉評論家小森威典様の登場です!
「温泉へのこだわり」
小さい頃人前で話すのが苦手で、コンプレックスだったのですが、ラジオドラマに出演して役者に向いているんじゃないかと思い役者の道へ進みました。
ある時、日テレのプロデューサーに「タレントとしてはダメだ、裏方の仕事がお前には向いている」と言われ、役者として燃えていた時期だったこともあり『コノヤロー!』と思いました。
その人のもとでテレビプロデューサーの仕事を勉強することになりましたが、最初に作った番組は視聴率が下から三番目という残念な結果に。
テレビに関わる仕事を始めてから、番組をヒットさせることができず、苦しい日々が続いていました。
「一年休んで修行してから戻ってこい」と言われ休んでいる間も勉強をし、考え抜いた末に元々好きだった温泉番組の企画を出しました。
視聴者にとって生きる活力になるし、健康にもいい。
一年仕事を休み、悩み続けた末に完成した温泉番組は、視聴率が3年連続15%の記録を達成!
温泉の現場を徹底的に調査し、女将さんやご主人のこだわりや働きぶりなど人物にフォーカスを当てて
撮ってきました。朝から晩まで旅館に密着し、普通の旅番組の3倍の取材時間、撮影・編集期間がかかりましたが、野球で例えるとホームラン王、4番バッター級だ、との評価も頂きました。
しかし、温泉番組を撮り続けるうちに、温泉に入ると効能ではなく消毒のヌルヌル感に気がつきました。
日本の99%の温泉旅館は、加水、加温、循環を利用し、殺菌剤を使用していて、本来の温泉の効能が薄れてしまっています。だから「いい温泉に入りたい」という視聴者の目線から100%源泉かけ流しの“本物”の温泉を探し求めるようになりました。
源泉から1分間に出る湯量、温度、泉質を徹底的に調査してわかった事は、全国で1万3800軒の旅館があるうち、本物の温泉は1%にも満たないということ。この独自の調査結果を環境庁(当時)に持ち込んだところ1%に近い数字だ、とお墨付きをもらいました。この結果、「本物温泉1%」の企画は旅館からのクレームを恐れてTV番組を制作できなくなり、経済的にも大変だった中でもこの事実を伝えたい一心でした。
1%の本物の温泉を守り育てている旅館の方々が命懸けで自然と戦っている姿を皆さんに伝えたい。
世界に誇れる温泉文化を壊さない為にも100%源泉かけ流し旅館を支援していきます。