
日本発祥のシュートボクシング。その創始者であるシーザー武志は所属するジムの会長でもあり、技術はもちろん武士道に通じる精神を養ってくれる。その尊敬するジムの会長が病に倒れ、内弟子である自分が会社を支えなければならないという窮地に。早朝から外回りの営業に奔走し夕方ジムに戻ってからのトレーニングは、困難を極め周囲に心配を与えるほどフラフラだったがやるしかなかった。その極限状態で男の中の日本魂が目を覚ました・・・男は世界チャンピオンになった。さあ・・・S-cup2006世界王者、緒形健一様の登場です!「死の意味付けをする人生」少年時代は信号も自動販売機も無い海と山に囲まれた土地で育ちました。実家は兼業農家。急勾配の段々畑。家の手伝いで足腰は鍛えられ、自ら苦労して作った作物を食べた時、感動と共に有難さという感謝が芽生えました。思い返せば人生の大きな分岐点は2つあります。1つは中学1年生の時。親戚の兄貴が交通事故で亡くなり、人間いつか死ぬなら好きな事に取り組まなきゃ無駄だと考えるようになり、そこから嫌いだった勉強よりも身体を鍛え始め漫画の影響で空手に没頭し、高校3年生のときに雑誌でシュートボクシングを知った。僕は、熱い衝動に駆られて東京のジムの門を叩いた。もうひとつは初めての海外選手との試合で鼻骨を陥没骨折し即入院したときのこと。次の試合は、眼窩底(がんかてい)骨折で即入院。お医者さんは治ると言ったが見えるものは全て二重に見える。そんな時お袋の癌が再発。長男である自分は睡眠時間を削り倒れるまで働き仕送りをしていたので、神様に「格闘技はもう辞めろ!」と言われているのかと落ち込みました。しかしそんな時、まさに末期ガンで入院されていた会長のお母様をお見舞いに行くと、僕の心を見透かしたお母様は力を振り絞ってベットから起き上がり「あんた根性無いね!人生とは、死ぬ為の準備でありその心構えをするものなんだから、男は男らしく女は女らしく精神力をしっかり強く持って生きないと駄目よ」と叱咤してくれたんです。突き刺さりました。それでもう一度挑戦する事を決意。落ち込んだことなんて、振り返れば何の意味も無かった。止まっている時間は全て人生の無駄。スパッと忘れて行動しなければ損。自分はそういう先人達に対して「あなたのお蔭でこれだけ頑張れました。ありがとう。夢を見つけて頑張ろうと思うことができました」と、命ある言葉に対して感謝し意味付けをしていきたい。