生まれた時からピエロで風船のほしに住んでいる。
地球にやって来る時にはバルーンバイクに乗って日本各地や海外の子供達を笑顔にしてきたキャサリンさんにお話を伺いました。
地球に愛を
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バルーンアートの「裏側」も伝えたい
編:子供達の固定概念が大きく変わりますよね。
キャ;でも、楽しそうに見えるバルーンアーティストも大変なことは結構あります。これアーティストあるあるだと思うんですが、目の前に見えている部分でしか評価をしてもらえないことが多いんです。例えば、バルーンショーだと「たった30分だから安いでしょう」とかフォトスポットだと「材料は風船だから安いでしょう」みたいな。でも、現実は、風船は決して安くはないですし人件費もかかります。また、作品が完成するまでにかかる時間や ひねる技術など、「目に見えない」部分がたくさんあるんだよ。と、いうことを知ってもらえると嬉しいです。
編:たしかに、あまり苦労が伝わらない面はあるかもしれませんね。
キャ:最近多いフォトスポットの場合は、写真の作品ですと、ひねっている時間だけでも、 1人アシスタントを入れて2人で2日間の合計18時間程かかっています。でも、それだけでなく、現場で作業するまでには、デザインを考え、ひねり方を考え、試作品を作り、デザイン画を作り、どの種類の風船が何個必要かなども考えながら注文をするので、1つの作品が完成するまでに2週間程かかります。また、コロナ以降は、戦争の影響もあって、問屋さんに風船が入荷されず在庫切れ状態が続いています。使おうと思っていた風船の在庫がない時はデザインを変更して考え直すこともあります。なので、目の前にある作品が完成するまでには、こんなに時間がかかっているんだよ。この見えていない時間も含めてのアートなんだよ。と、いうことを多くの方に知っていただきたいです。
海外で再認識したバルーンアートの魅力
編:キャサリンさんは海外でもバルーンアーティストとして活動されています。
キャ:個人旅行で何年か前にスリランカに行ったことがあるんですが、その時に観た街並みや人の暮らしなどにめちゃめちゃ衝撃を受けたんです。特に現地の子供達の純粋な表情が忘れられなくて。今度来るときは風船を持って来よう!と、思ったんです。そしたら、帰国後 4 か月で偶然、日本に住んでいるスリランカ人の方に出会い、その方のご縁でバルーンパフォーマーとして再びスリランカに行くことになりました。
編:4 か月とはなんだか運命的ですね。
キャ:正直、運命を感じましたね(笑)再訪した時は、お寺や5ヶ所の幼稚園に行きバルーンアートを披露しました。スリランカの子供たちは純粋で目がキラキラしていました。バルーンアートを見るのが初めてだったので大人も子供も本当に喜んでくれたのが嬉しかったですね。他にも2回タイに行き、南部にある小学校と北部に住んでいるアカ族の子供たちの前でパフォーマンスをしました。
編:コロナによるお仕事の影響はかなりあったのではないでしょうか。
キャ:そうですね、それまで少しずつ増えてきていた仕事がコロナで全てなくなってしまいました。どうしようかなと考えた結果、もともと温めていたオリジナルソングをきちんと制作する良い機会にしました。この歌を創るきっかけになったのは、いつもぬいぐるみを持ち歩いている大学生の女の子との出会いで、「友達がいないから、このぬいぐるみだけが友達なんです」と聞いたことでした。
編:22 歳でというのは珍しいですね。
キャ:とってもきれいな女性でね、なんか気になったんですよね。誰もが集団の中でふと一人になって孤独を感じてしまうことってあると思うんです。そんな時に、「勇気を出して1歩を踏み出してもらいたい、自信を持って生きて欲しい」と、いう思いを込めた応援歌なんです。 MV も自分で制作しました。風船のバイクに乗って地球にやって来たキャサリンが、ひよこのドゥードゥルに命を吹き込み、動き出したドゥードゥルが、 1番では、友達になりたいけど話しかけられない子供に、2番では、1 人でポツンとしている友達に声をかけてあげられない子供に「勇気の魔法をかける」と、いうストーリーで、子どもも大人も応援できたらと考えて作りました。
編:コロナ禍の中で子供だけではなく、老若男女の応援歌が生まれた。
キャ:そうなるといいなと思っています。コロナがきっかけで、オンラインで全国の人と繋がる機会が増え、非接触型イベントとして今の時代に合ったフォトスポットの仕事が前年の約20倍に増え、仕事の幅も広がりました。
編:これまでに出演されたイベントで珍しい場所はありますか?
キャ:霊園があります。ちょっと驚きますよね。でも霊園といっても、とてもおしゃれで、有名な建築家さんが設計された庭園のような場所です。そこでお盆の時に打ち上げ花火やステージイベント、屋台などがあり夏祭りみたいな感じなんです。私は送迎バスを待つお客様にバルーンアートのプレゼントをしました。
編:いろいろなところで需要があるんですね。
キャ:バルーンアートという仕事はとても幅広いです。バルーンショー、風船教室、一人一人にプレゼントをするグリーティング、会場装飾、バルーンギフトもありますし、最近では映え写真が撮れるフォトスポットも多いです。
編:バルーンアーティストになってよかったなと思うのはどんなところですか?
キャ:いろんな場所に行けて、いろんな人に出会えて、みなさんに喜んでいただける。と、いうのが1番で、まさに天職です。30分のバルーンショーの場合、前日に 5.6 時間程かけて風船を作ります。夜中まで準備に時間がかかり寝不足のまま本番を迎えることもありますが、みんなの笑顔を見ると、頑張って良かった!!って、疲れが全て吹き飛んでしまいます。
編:これからもどんどん活躍の場を広げていかれるのでしょうね、頑張ってください。本日はありがとうございました。
キャ:ありがとうございました。
◆バルーンパフォーマー キャサリン プロフィール
・バルーンアーティスト
<バルーンショー、風船教室、グリーティング(風船のプレゼント)、会場装飾、フォトスポット、バルーンギフトなど>
公式ホームページ:https://catherine-love-bal.wixsite.com/catherine公式 Instagram: https://www.instagram.com/catherine.love.balloon/
■編集後記
取材の時間に、相棒である ひよこのドゥードゥルを連れて、颯爽と現れたキャサリンさん。キャサリンさんとの取材の時間は朗らかな笑い声にあふれ、あっという間に時間が過ぎていきました。バルーンアートを始めたきっかけや、コロナの影響など伺って、笑顔の裏側にあるしっかりした信念を知りました。これからも大活躍のキャサリンさんに、ご注目ください!