パーソナルトレーナーの枠にとどまらずスポーツビジネス界で広く活躍するスゴい人!

接するお客さんと同じ空気に触れる

1日トレーナー8時間、トレーナー以外8時間

トレーナー+α

本日登場するスゴい人は、数々のトップアスリートやモデル、芸能人、経営者などのパーソナルトレーニングを行い、NIKE+RUNCLUB COACHも務める人物。
また、トレーナーとして活躍するだけでなく、選手のエージェント活動やスポーツビジネスに関わり、ビジネスの分野でも活躍している。
彼はどのようにして活躍の場を手に入れたのだろうか?

さあ…
パーソナルトレーナー
森 実利様の登場です!

高校入学初日に辞めたいと思った

もともと野球をやっていて、高校進学時に駅伝部と野球部からオファーがあり、駅伝部に入部を決めました。
種目が変わるため、中学3年生の時に1年間パーソナルトレーニングを付け、その時に漠然と、パーソナルトレーナーという仕事があることを知り、良いなと思っていました。
高校の初日、部活を辞めたくなってしまいました。
周りはみんな卒業後箱根に行くほどレベルが高かった中で、自分はみんなほど走るモチベーションが高くなく、入る場所を間違えたと思いましたね。
高校を卒業して競技は続けないのでどうしようかと考え、トレーナーを思い出し、専門学校に進学。
学生時代は特別成績が良かった覚えはありませんが、実習には誰よりも行きましたね。
卒業後留学して、そこで出会った人たちが今の仕事の土台を作ってくれています。
出会いに恵まれ、本当に運が良かったと思います。

接するお客さんと同じ空気に触れる

帰国後、一度は就職したものの、これなら自分でもできると思い、1か月ほどで退職し、独立しました。
最初は仕事がありませんでしたが、ブランディングやPRもしないといけないと気づいてから、変わりました。
専門職は専門技術だけ高めていれば売れるだろうと考えがちですが、トレーナーとしての経験や実績を言っても、20代前半ではたかが知れています。
まず本を読みまくって、あとは接するお客さんのいる所に行く。
そうしないと実際に接した時に空気感にやられてしまうので、食べているもの、見ているもの、着ているものなどを見て、感じました。
この頃はお金が無いのに無理して、お金を借りてまで、セルフブランディングをしました。
その結果、2か月もかからず、すぐに食べられるようになりました。

仕事を通じて技術を向上し、紹介で順調に拡大

お客さんがついてからは、トレーナーとしてのスキルを上げることで、お客さんから「紹介しよう」と言っていただいて、順調に広がっていきました。
正直、学校や留学していた頃に学んだ技術はほとんど役に立っていません。
仕事でのアウトプットを通じて技術が上がっていきましたね。
お客さんはアスリートから経営者まで、幅があるほど良いので、僕は専属契約をしないんです。
選手にとっても自分にとっても、1人よりも2、3人で包括的に見る方が良いのです。
今の時代は、単純な動作やトレーニングはトレーナーをつけなくてもできてしまうので、+αを提供しないといけません。
ストレスフリーの状態にし、心身のバランスをとるやり方などを+αで提供しています。
トレーナーとしては、アスリートをみていると伸び率が高くなります。
求められる水準が高くなりますし、アウトプットとインプットを同時にでき、トレーニングしながら発見があります。

トップアスリートの低年齢化のむずかしさ

今、スポーツ界は低年齢化が進み、十代のトップ選手も多数います。
トップアスリートとして接しないといけないけれど、まだ成熟していないのでコミュニケーションをとるのも難しいですし、どうやって伝えたらいいか試行錯誤しています。
子どもたちは最初は疑っているので、信頼関係を築くまでが難しいですね。
負けた後のフォローなどは、特に若い選手の場合はそれで潰してしまうこともあるので気をつけます。
深くかかわっていた選手が大けがをしたり、引退をしてしまう時はつらいと感じることもありますが、仕事そのものをつらく感じることはありません。
自分が見ている選手が結果を出してくれることや、エージェントとして選手の契約が進んだり、イベントが成功する、という成果が出てくるのが嬉しいです。

1日トレーナー8時間、トレーナー以外8時間

最初は個人レベルで選手と企業をマッチングしていて、そのうちに色々なところがつながりだして、アスリートと企業のマッチングを事業として始めました。
トレーナーとしてはアスリートのトレーニングや強化、ケアしかできないので、包括的にサポートできるようにした方が良いと。
スポンサーマッチングや協会周りなど、トレーニングしている選手がうまく行かなかったことをサポートできるような体制を作りました。
現在は強化、ケア、メンタルサポート、トレーニング場所の支援、エージェンシー、スポンサー、イベント、セカンドキャリア支援などをしています。
多分、トレーナーでマーケティングやイベントマネジメント、エージェントまでやっている人はあまりいないと思いますが、トレーニングした選手を一貫してみていられるのは面白く、やりがいがあります。
ただ、トレーナーの仕事がうまく行かないから副業に逃げているとは思われたくないので、トレーナーとそれ以外の仕事に1日だいたい8時間ずつ割いています。
トレーナーの仕事は、専業の人と同等以上やっていないと逃げになってしまうので、トレーナーとしての量も質も落とさないようにしています。

目標との距離感を掴み、直感で動く

目標を達成するには、目標に対して今自分がどこにいるのかを認識すること。
現状どこにいるかわかっていない人が多いんです。
自分と目標の距離感を掴んで、それを立体的にとらえ、ポイントは直感で動く。
今ある情報に頼りすぎないことも大切です。
今あるものはコピペ(copy&paste)の情報で、そこから新しいものが生まれる可能性はかなり低いので、自分でキャッチしたものを鍛えていく方が良い。
直感を高めるためには、意識して五感を研ぎ澄ますこと。
それを繰り返し、根拠のある直感、経験に裏付けされた直感になるまでやり、精度を高めます。

トレーナー+α

トレーナーになりたての頃は、トップアスリートを見るトレーナーになりたいと思っていましたが、それを25歳くらいで叶えてしまって。
20代後半は、次の目標までが遠すぎて、モチベーションを保つのが難しく、苦しかったですね。
そういう時は仕事が充実していても、面白くない。
目標に近づいている感覚もなく、食べられない頃の方が楽しかったと感じていました。
今は道筋がだいたい見えてきたので、モチベーション高く進んでいます。
今後は、海外のトップTOP of the TOPを見て、そこでのストレスプレッシャーに耐えられるかやってみたいです。
エージェントとしては、今やっている仕事を一回まとめて、人材作り、環境や場所も作っていきたいです。
講演でも言っていますが、トレーナー+αをやっている人がいる、こういうこともできる、こういうやり方や考え方もあると伝えていきたいです。
また現在西麻布、夙川で行っているパーソナルトレーニングジム【BEACHHOUSE】をさらに展開して行きたいと思っています。
砂の上で行うトレーニング施設で、普段使っていない筋肉や身体の動きを3D(立体的に)で効率よく効果的にトレー二ングができ、負荷をかけながら負担はかからないメリットがあるので多くの方々に体験してもらいたいです。

取材を終えて

ビシっとスーツを着こなして颯爽と現れた森さんの第一印象は、一流トレーナーというよちも、一流ビジネスマン。
独立初期にお客様となるトップの方々と同じ場所に行き、同じ格好をしてセルフブランディングをしたというお話を聞いて、納得しました。
32歳という若さで、日本の大企業の代表やトップアスリートなどを多数クライアントに持つ森さんのビジネスは、入り口は直感だけれど、とても戦略的。
お話を聞けば聞くほど、魅力的でした。

プロフィール

森 実利(もり・みとし)
株式会社スポーツゲイン 取締役
一般社団法人アスリートエール 理事

NIKE+RUNCLUB COACHを務め、2012年度トレーナーオブザイヤー新人賞を獲得。
トップアスリート、国内外のモデルなどのトレーナー兼エージェントとして活動しながら企業アドバイザー、アスリートイベントなどを手掛ける。カナダ、日本で様々な種目の選手と関わった経験で身体と用具両面の機能を把握して包括的にサポートを行う。政財界に多くのクライアントを持ち、五輪など国際大会でのサポートも行いながらアスリートエール約1000名のトレーニング監修やファッション誌、ソフトバンク携帯ダイエット動画監修など行う。

◆BEACH HOUSE GROUP www.beachhouse.co.jp

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