大事すぎるほど大切に育てられた幼少時代
ポールダンスとの運命的な出会い
並外れた行動力で周囲を巻き込んでいく
本日登場するのはポールダンスの世界大会ダブルス部門で初参加にして世界チャンピオンとなったスゴい人。
その素顔は天真爛漫、素直にまっすぐ育った女性そのもの。
ポールダンスの経歴がそれほど長いわけでもない彼女がどのように世界大会の表彰台を目指し、そして実現したのか。
スポーツは幼少から始めなくても世界の頂点を目指せるという驚きの事実を知ってもらいたい。
さあ…
曼珠沙華(keiko&maki)
keiko様の登場です!
大事すぎるほど大切に育てられた幼少時代
東京都の生まれです。
姉と二人姉妹でしたが、両親はとにかく心配性でしたね。女の子だから顔や体にけがをしてはいけないというのが口癖で、家族で行った富士登山では「疲れちゃうから」と、親におんぶされて登りました(笑)
「石橋を叩いて渡る」を超えていて、「石橋を叩きすぎて壊れて渡れない」と言っても良いくらいでした
一方、私自身は好奇心旺盛で、なんでも挑戦してみたい性格でした。
木登りや蝉取りが大好きで、
トトロを本気で探して森を歩き回ったりするような、両親の意に反して日常では生傷が絶えない、活発な女の子でした。
小学校の時の習い事は怪我をしない習い事、いわゆる文科系のものばかり。
書道、ピアノ、声楽、英会話、茶道、華道、着付け、水泳などです。
本当は運動系の習い事をたくさんやらせてほしかったのですが。
ただ、茶道だけはお茶菓子が食べられたので、楽しんで通っていました。
中学生や高校生の頃は、門限は18時でした。
当時はそれが普通だと信じていたので、夜遅くまで遊んでいるお友達は皆不良なんだと思っていました
怪我をしないなら好きな運動をやって良い
中学校の時に陸上部に入りましたが、走り高跳びで背中にひどいあざを作って帰ってからは、なるべく怪我をしないようにと長距離へ転向することになりました。
今では、ポールの練習であざは日常茶飯事になっていますが(笑)
高校性の時にはバレーボール部を希望したのですが、「毎日の通学でそもそも疲れているのだから、やめておきなさい」ということで、(スポーツがやりたかったのですが)結果的に入ったのは英語部と華道部でした。
この経験は後に社会人となって秘書をしていた時には華道の経験が役立ちましたし、職場でも英語を使う局面があり、最終的には私を助けてくれたスキルとなりました。
何にもまして、競技大会は海外での開催が多く、英語が話せると他国の参加選手とコミュニケーションもとれるので私自身の確かな助けとなっています。
親元から離れて自立の道へ
大学卒業後、一念発起して親元から離れ、念願の一人暮らしを始めました。
そこから自分自身の好奇心の赴くままに、様々な挑戦をしていきました。
当時はマラソンやトレイルランにはまっていて。
3日後に知り合いがホノルルマラソンに出場すると話しているのを聞いて、「私も出る!」とすぐさまチケットを購入して突如エントリー。
未知の世界でしたが初参加にして42.195キロを完走。
その後も千歳マラソンや、モスクワマラソンなどにも出場しました。
他にも、ボクシングやボルタリング、フラダンス、ベリーダンス、バレエなどなど、やりたいと思ったことは、片っ端から挑戦しましたね。
やはり子ども時代に積極的に運動をしていなかったせいか、運動神経はあまりよくないですが、体を動かす事が楽しかったです。
ポールダンスとの出会い
30歳も近くなった頃、通りすがりの小さな喫茶店でポールダンスの生徒募集のチラシを偶然見かけました。
それがポールダンスとの出会いです。
やってみたら本当に楽しくて、すっかりはまり、365日ポール一色となりました。
最初は身体のあちこちにあざができて、電車であざだらけの足を周りの人にじーっと見られたりもしました。
本人としては、あざはポールダンサーの勲章!くらいに思っていましたけど(笑)
目標としていた国内のショーに出演できたことが自信となり、徐々にショーに出演できる機会が増えていきました。
自分でショーの企画をしたりもしました。
調べていくうちに世界でポールの大会があることを知り、挑戦してみようと思ったんです。
ところが世界の大会に出場してみて、レベルの差に愕然としました。
世界の高いレベルに対して、私は表現力も技術力も全て劣っていた。
帰国してからは今までの自分のポールに対する考え方や練習方法その他諸々を壊して、1から積み上げて創り直しました。
今度は世界を意識しながら。
ポールをもっと追求したい!という気持ちが高まり、海外へポールダンスを習いに行くようにもなりました。
インドの国技でマラカンブという直径20センチほどの木でできた支柱で踊るポールダンスに似ている競技があるのですが、インドまで何回か行きました。
大会にも出場させてもらっちゃいました。
インドでは男性の国技ですが、日本人、なおかつ女性で大会出場というのは前代未聞でした(笑)
そのご縁から昨年度、マラカンブ協会を設立させていただきました。
周囲を巻き込んでいく
もともと私は、ポールの世界でまだダブルスの認知度が高くない頃から、ダブルスが大好きで取り組んできました。
過去にも数人とペアを組み、国内外の大会に出場してきました。
今のパートナーのMakiは、国内のショーでみかけた時に私とは全く違う雰囲気のダンサーで、とても気になったんです。
一匹狼の空気をまとっていて。
曲目も技も個性的で、独特の世界観を持っていました。
ダブルスは本当に相性、そして信頼感がとても重要なのですが、初めて手を組んだ瞬間、この人は間違いない!と確信したんです。
根拠はないですが、感覚と何ともいえないフィットする感じがありました。
ダブルスを組んでまだ3ヶ月くらいの時にロシアのウラジオストックで大会に出場し、初の国際大会で準優勝することができました。
その2ヶ月後、スペインで行われた世界大会にも二人で挑戦したところ、準優勝をいただきました。
その頃には、makiもダブルスの面白さにすっかりはまっていましたね(笑)
優勝まであと一歩足りないのは何だろうと二人で何度も話し合って対策を研究して。
2015年11月に行われたポールダンスの世界大会でついにチャンピオンになりました。
そこから現在まで様々な国内外の大会に出場し経験を積み上げて、スポーツとしての競技ポールダンスの普及活動も二人で行っています。
日本人ならではの魅力を引き出したい
多くのスポーツがそうであるように、同じ技をやっても手足の長い海外の選手の方が美しく見え、点数が高いです。
日本人の平均的身長の女性2人が、この体型をいかした技や表現は何なのか、私たちらしさとは何なのかを日々研究しています。
私は大人になってから出会ったスポーツで世界チャンピオンになりました。
スポーツである以上怪我とは常に隣り合わせで、ポールのやりすぎであばら骨を疲労骨折したこともありました。
それでも私はこのスポーツを通して社会を知り、世界を知りました。
何かを始めるのに遅すぎるということは決してなく、自分次第だと思います。
現在も平日はOLをしながら、終わったら練習、週末はショーや普及活動、年休は全て海外の大会にあてる、という日々です。
仕事とポール一色の日々ですが毎日が充実していて楽しいです。
そして、こんなにも心も体も捧げられる「ポールダンス」に出会えて私は本当に幸せ者だな、と感じています。
取材を終えて
まさに天真爛漫。
小柄で清楚なワンピースの装いでにこにこと語りだすその言葉はかわいらしい限り。
この女性がポールスポーツで世界チャンピオンとは、道行く人は誰も気が付かないでしょう。
ただその語る内容は波乱万丈。
これまでの人生の前半は静。
現在に至るまでの後半部分は激動と言っていいほどの急展開。
まだまだ若くこれからの更なる活躍が楽しみです。
プロフィール
keiko
本名:竹元景子(たけもと けいこ)
東京都出身。
2015年11月IPCポールダンス世界大会 にてダブルス部門で世界チャンピオンとなる
International Pole Championship POLE FIT CHAMPION(IPCの正式名称)
◆Instagram https://www.instagram.com/keiko.mallakhamb.pole/?hl=ja
◆マラカンブ・ロープマラカンブ協会 https://www.facebook.com/keiko.mallakhamb/
◆曼珠沙華facebook https://www.facebook.com/manjyusyage/
◆曼珠沙華プロモーションPV https://youtu.be/0HBwb8Pba2Y
アイドル・自衛隊・探偵・官公庁・盛り師等々、ライター、異色の経歴を持つ。現在は競技ポールダンスの世界チャンピオン。インドの国技「マラカンブ・ロープマラカンブ協会」も設立し代表を務める。
[受賞歴]
Capital of Texas Aerial Championships 2017 総合優勝・部門優勝・オーディエンス賞
International Pole Sports Championship 2017 9位
Miss Pole dance Japan / Pole king Japan 2016優勝・ 2017 優勝・オーディエンス賞
全日本ポールスポーツ選手権大会2016、2017 優勝
World Pole Arts Championship2017 2位
Philippine Pole Cup 2017 総合優勝&部門優勝
International Pole Sports Championship 2016 5位
Pole Art Swiss 2016 優勝
Miss Pole dance Japan / Pole king Japan 2016 優勝
Pole Art(Cyprus) 2016 5位
SG pole challenge 2016 2位
Pole Art Italy 2016 4位
IPCポールダンス世界大会 2015 PoleFitチャンピオン
International Pole Championship POLE FIT CHAMPION
IAPPAロシア大会2015 2位
PoleArtSpain2015 2位
東京都ヘブンアーティスト登録パフォーマー