目指していたデザインの世界で活躍したものの…
イギリスでシュガークラフトと巨匠との運命の出会い
日本で教室を開講!生徒さんと共に
本日登場するスゴい人は、予約が取れないレッスンとして知られる、シュガークラフトと
英国焼き菓子の教室を主宰するスゴい人。
彼女は本場イギリスで学び、全英ゴールデックスアイシングカップ“アジア人初”の金賞受賞、全英BCCスコーン部門優勝、最優秀生徒賞ディスティンクション2年連続受賞と立て続けに華々しい成果を得た。
しかし、彼女にも自信を失っていた時代があった。
さあ…
コルチェスター
主宰 守屋 みどり様の登場です!
子どもの頃から工作が大好きだった
子どもの頃から工作や、図工の時間がすごく好きでした。
中学校2年生の時に美術の新しい先生がやってきて、のちに、芸大卒の芸術家肌の先生だったと知ったのですが、その先生がすごく生徒を褒めたんです。
当時は叱られたり注意されたりするのは普通でしたが、先生が褒めることの無い時代。
だけどその先生は、生徒一人ずつに「ここが良い」と褒めていました。
また、高校の時の美術の先生は美術系に進みたい子たちを集めてデッサンなどを無償で教えていました。
当時も美術系の予備校はすごく高額だったので、お金が大変だからといって自分の夢を諦めるようなことはあってはならないと言って教えてくださいました。
高校2年生の時の進路相談で、当時担任だった数学教師に「デザインの道に進みたい」というと、「いくら努力をしても才能がない人にはできない。君には無理だ」と言われました。
やったこともないのに何でそんなことを言うんだろうと思い、逆にそれを言われたことで「絶対になる!」とファイトが湧きましたね。
目指していたデザインの世界で活躍したものの…
その後、デザインを学び、広告代理店に就職。
仕事を任せてもらえて周りの先輩もいい人でしたが、半年で事実上の倒産。
仕事はなくなり、借金取りから会社に電話がかかってくる日々。
次の職場を探し、年鑑日本のディスプレイに載っている会社に上から順に電話したものの、半年の経験では何もできず、箸にも棒にもかかりません。
100社あったリストは残り3社になり、とにかく会ってくださいと頼み込むと「今日来れる?」と言われ、茶飲み話のような感じで「銀座の和光のディスプレイデザインに憧れて」と話すと、なんとその方が偶然にも和光のウィンドゥデザイナーだったんです。
「一緒に仕事やってみる?」と声をかけていただき、彼がディレクターのプロジェクトに入り、色々な仕事の経験を積むきっかけとなりました。
デザインが好きでやりがいも感じていましたが、とにかく過酷な労働で「いつまでこの生活が続くんだろう」という毎日についに体調を崩し、積み上げた自信も完全に失ってしまいました。
先を考えて、違う形を模索し始め、次の道を拓くためにデザインのマスターを取得しようと思い、イギリスへ渡りました。
イギリスでシュガークラフトと巨匠との運命の出会い
ある時、友人のホストマザーが雑誌をもってきて、シュガークラフトのページを見せて「みどりって日本でデザイナーだったんでしょ?作れる?」と言いました。
これが初めて目にしたシュガークラフトでしたが見た瞬間になぜか「できる」と感じ、私が行こうとしていたカレッジに専門の学科があったので書類を送り電話をすると、「おいでよ」との返答が。
訪ねてみると、君はdiplomaを受けたほうがいいと言ってくださいました。
英語にも自信がなく卒業出来るのかと不安でしたが、ずっと断られてきた人生で、君はここに来た方がいいなんて言われるのは初めてのことでした。
帰り際、強く握手をして「いい返事を待っているよ」と言われた時、認めてくれる人って世界にはいるんだって、心から嬉しかった。
希望を胸に歩いた帰り道が、教室の名前にもした「コルチェスターアベニュー」でした。
業界の巨匠であった教授は会うたびに声をかけてくれて、いつも後押ししてくれたことで私は少しづつ自信をつけていきました。彼は私に自信を取り戻してくれたのです。
ドイツで初めて教えたことが現在につながる
日本に戻るつもりでしたが、ドイツに半年滞在することになり、知人から教えてと言われたことが大きなターニングポイントになりました。
まだシュガーや英国菓子の先生になろうとそんなに強く思っていませんでしたし自身もありませんでしたが、「いいじゃないダメだったらまた考えれば」と言われて教えると、彼女たちは出来ることになることで自信を持ち、どんどん輝いていきました。
彼女たちに出会えていなかったら、今の私はありません。
日本で教室を開講!生徒さんと共に
日本で教室を始めた頃は生徒さんの集め方がわからずに悩み、新聞折込チラシを作ったり、自分の足で配ったりしましたが、全然思うようにはいかなかったです。
そんな時、数少ない生徒さんのひとりが「先生、一緒に行きましょう!」と手伝ってくれたのですが、あるマンションの郵便受けに入れに行った時、警備員さんに禁止されていると止められたんです。
するとその生徒さんが「なぜですか?!住民の奥様方に喜んでいただける情報なんですよ!」って抗議してくれて…驚きましたが嬉しくて、力が湧きましたね。
こんな生徒さんがいるなら、きっと何とかなるって思いました。
その頃、イギリス菓子は全然知られていなくて、スコーンといえばスナック菓子だと思われ、伝統のクリスマスケーキはシュガーペーストでカバーしたフルーツケーキなんですが、いらない、普通のイチゴのクリスマスケーキは出来ないんですか?と言われて道は遠いと思いました。
無料試食会を開き、一人でもいいから作ってもらうところからレッスンをしました。
その数年後に、現地のクリスマスケーキを知っている生徒さんとの出会いがあり、その方がみなさんに「絶対やったほうがいいよ。すごく美味しいしステキだよ」と言ってくれた
ことで、広がりました。
今では、「予約が取れないレッスン」と言われるまでになりましたが、その領域に到達するまでには、本当に膨大な時間が経過しました。
諦めずにやり続けられたのは、「お菓子作りを通じて、輝く、自信あふれる女性を育てていきたい」という思いがあったからだと思います。
教室開講16年、教室開催数2,305回、固定受講生412名。
一人ひとりと向き合いながら、自信と輝きを取り戻させ、徹底的に個性を引き出す教え方に、「ここまで生徒の身になって教えてくれる先生はいない」と言っていただけるように
なりました。ありがたいことに「先生が支えてくれたから出来た」と生徒さんから言っていただけることがありますが、本当は私が一番支えられて来たんです。
感謝の一言しかありません。
これから夢や目標をかなえる若者に必要なものとは…
苦手克服”より”得意を追求”
誰でも苦手なことがあります。
それを克服しようとすることは、とても素晴らしいのですが、ある程度までで自分を許し、それよりも得意分野をもっと得意にすることにエネルギーを注いだほうがいいと思い
ます。
得意なことはイコール好きなこと、向いていることなため、やりがいを感じられるし、なによりも人より抜きん出るレベルにするのは手が届く範疇で、自分の武器となります。
それがいわゆる個性となり、他の人との差別化になり、認めてもらえたり、チャンスをもらえることにつながると思います。
取材を終えて・・・
シュガークラフトを実際に取材班に披露して頂けるとなり、大きな台車を転がされわざわざ別室まで取って頂いた。
取材していて感じたことは1つの物事に集中し夢中になれる力が非常に強いということ。
一つ一つの質問に対してもより丁寧に詳細に答えてくれる姿勢は、そのまま仕事にも通じているのであろう。
ドイツで最初に教えたのは現地で暮らす日本人女性。
海外へ赴任された奥様方は一見、優雅そうに見えるが実際のところ言葉の問題、文化の問題において苦労があると知った。
当時、ストレスと先行きが見えない日本人女性にとって守屋さん、そしてシュガークラフトや英国菓子との出逢いは本当に救いとなったのだろう。
自信を失った過去があるからこそ自信の無い方へ、教室を通じ守屋さんは自信を与え続けている。
プロフィール
守屋みどり(もりや・みどり)
シュガークラフトと英国焼き菓子 コルチェスター主宰
シュガークラフトデザイナー 英国菓子研究家
教室開講 16年、教室開催数のべ2,305回、受講生412名。
ひとりひとりと向かいながら自信と輝きを取り戻させ、徹底的に個性を引き出す教え方に
「ここまで生徒の身になって教えてくれる先生はいない」と、クチコミ全国1位、ファン登録全国1位教室に連続で選ばれ、コンテストでも多数の受賞者を輩出。
“自信と生きがいを持てば、誰でも変われる”を信念に掲げ、その人がその人らしく輝ける『お菓子作りで輝く人を作るレッスン』を展開中
コルチェスターオフィシャルホームページ http://www.colchestertokyo.com/
ブログ http://ameblo.jp/lovly/