本日登場するスゴい人は、今までの介護に無かった「学校」というスタイルを取り入れて、たくさんの高齢者に「感謝」と「感動」そして「やる気」を生み出したスゴい人。
彼女が運営する「おとなの学校」では、国語や算数などの科目を「授業」という形で提供することで、認知症の予防や症状緩和にも大きな効果が現れているという。
この、まったく新しい形の介護はどのようにして生まれたのだろうか?
さあ…
株式会社おとなの学校
代表取締役
大浦敬子様の登場です!
「人生になければいけないのは“未来”」
医学部の大学院博士課程を修了して実家の病院に戻ったのが32才の時。
ちょうどその頃に病院の事務長をやっていた母がガンで亡くなり、代わりに病院経営に携わるようになりました。
当時は老人医療が無料だったので、生活するために治療や退院を前提としない長期間の「社会的入院」をしている方が多く、「このままではこの国はつぶれてしまう」と直感したのです。
まずは病院内改革をして203床数を63床まで減らし医療から介護へシフト。
改革はうまくいきましたが、高齢者が生き生きとしていないのに気がつきました。
「高齢者は遊びたいのではなく、学びたいのではないか」と考え平成17年にプリント学習を導入。
それが「おとなの学校」を作ったきっかけです。
当時の私には「学習している老人」のビジョンが見えていました。
そのため、あまり苦労は感じませんでしたが、多分回りのスタッフは大変だったと思います。
私の言っていること、考えていることが、スタッフに見えないことが苦労だったかもしれません。
「おとなの学校」を始めて、まずはお客様であるお年寄りの行動や気持ちが変わりました。
そしてお客様が変わることで同時にスタッフも大きく変わって、元気になっていきました。
「おとなの学校」では大きくて見やすい教科書を作っています。
認知症のセラピーのひとつに「回想法」というものがありますが、おとなの学校では、教科書、黒板などを用い、空間全体で回想出来る工夫をしているのです。
教科書に載っている大根の写真を見て「自分が育った家で食べた大根の味噌汁」「大根がたくさん育っていた畑」などのことを思い出し、当時の思い出を懐かしそうに話してくれます。
実際に「おとなの学校」に見学に来た方は、自分で教室に向かうお年寄りの姿を見てビックリされます。
介護認定3~4の方も自分で車椅子を動かし、杖をついて教室に向かうのです。
すべてをおまかせにして寝たきりになると、できることがどんどん奪われてしまいます。
勉強する場を提供することで、高齢者ご本人、そしてスタッフも生きがいをもらうことが出来るのです。
今後の展開として、ひとつは「おとなの学校」の教科書を使ってもっと多くのお年寄りを元気にしていきたいということです。
そして、もうひとつは「おとなの学校」を海外でも展開したいと思っています。
世界には学校にいけず人生を終える人が多く、その人たちに学べる場を提供したい。
それが「おとなの学校」の最大のテーマです。
人生になければいけないのは「未来」ですから。
◆差別化できる介護レク おとなの学校
http://www.otona-gakkou.com/