いま、キックボクシング界で注目を浴びている一卵性双生児の兄弟がいる。
彼らは兄弟で世界チャンピオンの座を獲得したのだ。
本日登場するのは、兄でありWKBA復興後初代世界バンタム級王者のスゴい人。
アマチュアで14連勝、プロでは16戦14勝(引き分け2)という負けなしの戦績を誇る。
高校時代、弟と親友と語り合った夢。
それを実現し、彼は世界チャンピオンとなった。
さあ…
WKBA世界バンダム級王者
江幡睦様の登場です!
「親友との約束」
物心ついたころから親戚の店にあったサンドバッグを殴る姿を見て、母が空手に通わせてくれたのが小学4年生の時。
すぐに空手が大好きになり、週3回の練習は欠かさず通いました。
しかし、無差別なので当時体重が30kgしかなかった僕たちは60kgの選手にどうしても勝てないのが悔しくて、練習量を増やすために小5からキックボクシングジムに通い始めました。
3ヶ月後にキックの初試合があり、相手は同体重なので絶対に勝てると思ったら、負けたのです。
それも、弟と同日に同じ相手に負けてしまい、本当に悔しくてたまりませんでした。
これを機に空手を辞めてキック一本に打ち込むようになりました。
平日は地元のジムで弟と練習し、週末は憧れの東京本部で先輩選手の動きを見て学び、地元のジムに持ち帰って弟と二人で研究しました。
デビュー戦はKOしましたが、2戦目で東京に行かないとこれ以上強くなれないと感じ、二人で相談して高校を辞めて聖地である東京本部へ。
会長から「高校を卒業する歳まで高校生と同じ生活リズムで過ごすこと」と言われ、毎朝8時半からミット打ちをし、フラフラで家に帰り、夜の練習はついていくのがやっと。
22時に家に帰り、死んだように眠る生活を続けました。
日本タイトル戦の時、会長から「お前は取れる!信じろよ!」と言われ、「俺は今、世界への階段の1つである日本タイトルを取るんだ!」と相手選手も強かったのですが、気持ちでは負けませんでした。
戦っている時、高校時代に親友が「俺は俳優で日本一になる」と言ったので、僕達兄弟は「キックボクシングで世界一になる」と話したのを思い出しました。
俳優を目指した彼は先に東京に出て、お互い会うことも出来ないほどがむしゃらな日々が続いていましたが、セコンドを振り返るとそこに立っていたのは弟と親友の三浦春馬。
世界への1歩をあの時と変わらぬ3人で勝ち取りました。
会長から本を読めと言われ、最初にもらったのが新渡戸稲造の『武士道』でした。
それから沢山の本を読み、浅田次郎さんの『天切り松 闇がたり』の、“男というのは「俺ア漢だ」と言い聞かせて生きなければならない”という一節に救われ、辛い時は常に「俺は漢だ」と言い聞かせてきました。
目標は兄弟でラジャナムダンのベルトを巻くことです。
9月20日WKBAの世界タイトルで勝てば射程圏内に入ります。
これからも辛い時は「俺は漢だ」と歯を食いしばり戦い続けます。
◆2015年9月20日(日) 17時~
後楽園ホール
「TAITANS NEOS XVⅢ 江幡睦、大逆襲」
WKBA世界バンタム級&日本ミドル級王座決定戦
http://www.shinnihonkickboxing.com/