2014年秋からエゴマ油が身体に良いとテレビで放送されて一大ブームとなり、エゴマ油は全国のスーパーから姿を消した。
このブームの火付け役となった本日登場するスゴい人は、医療放射線の第一線で活躍する人であり、東日本大震災後は毎月被災地を訪れ、学校を中心に放射線の正しい知識講演も行っている。
何故、放射線分野の教授が油ドクターと呼ばれ、沢山のテレビ出演や著書を出版するようになったのか。
彼はアーモンドやクルミのナッツ類や、エゴマ油を通じて、何を目指しているのだろうか?
さあ…
慶応義塾大学医学部 教授
医学博士 理学博士
井上浩義様の登場です!
「予防医療」
九州大学理学部で大学院まで行きました。
当時脚光を浴び始めた人の健康に関するサイエンスの一端を担えないかと考え、生体膜に近い高分子ポリマーの研究をしました。
私はこれまで、一つの所に10年以上勤めたことがありません。
大学院を修了後、自分の専門分野では就職先がなかったのですが、学生時代に脳の情報伝達を数式で表せないかと勉強会を開催していたところ、この会を面白がってくださった山口大学医学部の教授に声をかけて頂き、生理学の助教に採用して頂きました。
山口大学には4年在籍し、教授が退職されると同時に私も退職しました。
これからは特許の時代だと思い、昼間は法律事務所で働きながら、夜は関西大学の夜間に通いました。
しかし1995年、阪神淡路大震災が発生し、仕事がストップ。
偶然見つけた田辺三菱製薬の求人に応募し、120人の応募者の中から1名採用され、社長特命の大きなプロジェクトのリーダーに選ばれました。
プロジェクトは成功したのですが、研究テーマの自由性を求めて、公募で久留米大学医学部の専任講師になりました。その後、助教授、教授になった後、8年前に慶應義塾大学医学部に呼んでもらいました。
昔から料理が大好きで、パンに関してはプロのコンテストで入賞したくらいの腕前でした。
特に、ナッツパンが好きだったので、ある時、アメリカのアーモンド農場に行きました。すると、農場主家族の肌が驚くほど綺麗だったのです。
調べると、ナッツは55%が油であり、その主成分が良質なオレイン酸だと分かり、ちょっと調べてみようと思ったのが油研究を始めるきっかけでした。
趣味で始めた研究ですが、学会発表などでアーモンドオイルに関する発表をしていたら、テレビ局から「ナッツの話をしてください」と依頼を頂きました。
単なるおつまみとして認識されていたナッツが健康にも良いと知られるきっかけとなり、出版や講演活動へとつながってきました。
早くに母校を離れたことや転職を重ねたことにより、私には組織などのバックボーンがありません。
だから自然と弱者の手法として、ニッチな分野で勝負することになったのでしょう。
現在問題となっているトランス脂肪酸であるマーガリンを摂るなら、エゴマやナッツ油に替えて下さい。
ただし、良い油も摂り過ぎてはいけません。成人だと45g(大さじ3杯)程度が適量です。
将来的に医療費の自己負担額が増えていくとも予想されているので、食生活を見直し、適度な運動をして出来る限り大きな病に掛からないように予防して下さい。
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我が国では平均寿命と健康寿命の差は男性だと約9年間、女性だと約12年間あります。
この差を短くすることが良き超高齢化社会を創ります。
一方で、医療費の抑制は国民に必須の課題です。
現代の日本人は、摂取カロリーは十分に抑制されています。
食事の量より質を換えることが必要です。
ナッツや良質な油を通して健康意識を高めると共に、生活習慣全体を見直したいものです。
慶應義塾大学医学部化学教室
http://user.keio.ac.jp/~medchem/