本日登場するスゴい人は、三十代~五十代までの方にはタツノコプロの「タイムボカンシリーズ」や「ハクション大魔王」「科学忍者隊ガッチャマン」「北斗の拳」などのアニメ作品でおなじみ。
最近では、社会現象にまでなった「妖怪ウォッチ」のキャラクターデザインまで手がけているアニメーターであり、キャラクターデザイナー。
彼は、どのようにして自身の才能を開花させていったのだろうか?
さあ・・・
アニメーター、キャラクターデザイナー
須田正己様の登場です!
「“楽しいことを見つけること”が大切!」
私たちの時代は、今のようにマンガやアニメの専門学校が無い時代でしたので、「将来何をやったら良いんだろう…」と悶々とした時間を過ごしていました。
そんな時、バンド仲間から「絵を描く仕事がある」と紹介されて、アニメ製作会社のタツノコプロへ面接に行きました。
昔から絵を描くことは得意だったので、その場で絵を描くテストを受け、合格。
それからこの世界に関わるようになりました。
しかし配属されたのは絵を描く部署ではなく、車の運転手で、約4ヶ月で会社を退職。
その後別の会社に移り、それからはフリーとして再びタツノコプロの仕事に関わるようになりました。
「科学忍者隊ガッチャマン」「破裏拳ポリマー」「タイムボカンシリーズ」などたくさんの作品を手がけました。
29才のある日、徹夜続きの上に仕事に没頭しすぎて、午前4時頃に心臓がバクバクして倒れてしまいました。
運動不足と神経の使いすぎが原因の「自立神経失調症」血圧70-30と診断され、医者にあなたはすでに死んでいるといわれました(笑)
そこから一ヶ月間は仕事をせずに過ごしていたら、たった一ヶ月で体重が10キロも増加。
「これではいけない」と始めたのがテニスです。
テニスや他の運動をやり始めてみるとそれが凄く楽しくて、同時に仕事をすることも楽しくなってきました。
この時倒れなかったら、今頃は過労で死んでいたかもしれません。
私の場合はテニスやスポーツでしたが、「楽しいことを見つけること」が大切だと思っています。
挫折はあるけど、楽しみを見つけることができれば人生は楽しく豊かなものになり、挫折も乗り越えることができると思っています。
落ち込んでいるのも自分、楽しみを作るのも自分。
スポーツでもなんでも良いので、好きなものを持つのが一番です。
アニメーションをやっていたのは「自分の絵を描いてみたい」という思いからですが、テレビや映画の慌しいスケジュールの中だと、元来自分がやってみたかった事がなかなか出来ませんでした。
70歳を超えた今、アニメーション業界を少しだけ離れて、自分がやりたかった「アート的」な仕事をやれるようになりました。
最近は奈良で墨絵を描いたりして、墨絵とアニメーションの融合的なこともやったりしています。
私の好きな言葉は、いつでも好奇心をもって積極的に前に進むという意味での「前のめり」。
1年前より、3ヶ月前より、昨日よりも人間は常に進化していなければいけません。
「明日描くものが一番」。それが無くなったときは、自分が描くことをやめるときです。