本日登場するのは、将棋のプロ棋士のスゴい人。
プロ棋士は男女合わせても日本にわずか200名ほどしかおらず、プロの養成機関に入った人でもプロになれる人数は年4、5人という狭き門をくぐり抜ける必要がある。
17歳でプロとなって以来、11回の優勝。
合計13期のタイトルを獲得。
特に「棋聖」位は第73期(2002年度)から78期までの6期獲得し、永世棋聖の資格を手に入れた。
2006年度には、将棋大賞において最優秀棋士賞・最多対局賞・最多勝利賞・升田幸三賞を同時受賞するなど多数の受賞歴も持ち、2011年からは日本将棋連盟棋士会の会長を務めている。
厳しい勝負の世界で活躍を続けるスゴい人の考え方とは?
さあ・・・公益社団法人日本将棋連盟九段・棋士会会長 佐藤康光様の登場です!
「将棋の魅力を伝える」
将棋との出会いは、小学校1年生の時に友人が将棋盤を学校に持ってきたのがきっかけでした。
それから将棋の面白さに取り憑かれ、将棋を覚えてからは家へ帰ると食事の時間と寝る時間以外は将棋の本を読んだり、父と将棋を指したり、ずっと将棋の勉強をしていました。
将棋の世界では、小・中学生のうちにプロを目指して養成機関である奨励会に入るのがほとんどですので、私は中学校1年生の時にアマチュア4段の実力でしたが6級で奨励会に入りました。
入ってみると、アマチュアとプロを目指す人の緊張感の違いを肌で感じ、1、2ヵ月後には将棋の世界で生きていこうと決意していました。
好きで始めてやっていることですので嫌になる事はありませんが、負けたときには自分に対しての不甲斐無さを感じることが多いです。
17歳でプロになり、24歳で初タイトルを獲得しましたが、20代後半の頃、勝ち上がっていくと当時からタイトルを保持していた羽生善治さんと当たり、連敗が続いた時期がありました。
それまでは、常に最善を求めていくことのみを念頭において戦っていましたが、それだけでは勝てないこともあるのだと気付かされ、自分の将棋のスタイルそのものを変えなければならないと考えました。
それまではオーソドックスな指し方をしていましたが、未知の魅力を求める指し方へとスタイルを変えました。
その結果、今では変幻自在・個性派などと呼ばれるようになりましたね。
将棋は対局数に関わらず、どんなに強い棋士でも年間15~20回は負けます。
負けた時は当然反省も多くなりますし落ち込む事もありますが、原因をしっかりと突き止めてやって行けば必ずチャンスはあります。
将棋には、集中力、計算力、事前研究、創造力、決断力、精神力など様々な要素が詰まっています。
私は子供の頃から将棋と向き合ってきて、礼儀や決断の大切さなど将棋によって人格を形成されたと思っております。
勝負の世界ですから厳しさもあり、対局前には緊張する事も多いですが、対局までに自分なりに不安要素を取り除き、自分が納得できる状態で臨むようにしています。
対局に邁進すると共に将棋の文化を広める事も、プロ棋士の務めです。
今後、プレーヤーとしてタイトル獲得や優勝を目指す事も勿論ですが、より自分の将棋を盤上で表現できるようになり、将棋の魅力、面白さを知らない方にも広く伝えていければと思っています。
◆公益社団法人日本将棋連盟
http://www.shogi.or.jp/
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