ピアノ教本と言えばバイエル。
という世間一般の常識を変えた教本“ピアノランド”を生み出したのが、本日登場のスゴい人。
彼女は、作曲、執筆のみならず、セミナー、コンサート、公開レッスン、音大での特別講義、ゲーム音楽など、“音楽家”として幅広く活躍している。
4歳の頃からピアノを始め、幼い頃から音楽家になると心に決めて生きてきた彼女。
子供の頃から今も変わらずピアノが好きで、遊んでいるような感覚で音楽に取り組んでいるという。
そんな彼女が『ピアノランド』の執筆に至ったのは、ピアノ教室で教えていたときの経験がきっかけだった。
さあ・・・作曲家・ピアニスト 樹原涼子様の登場です!
「好きな事をやるのが一番」
バイエルでピアノを教え始めたところ、子ども達も私も楽しくなくて、それまで、日本人が日本人のために作ったピアノ教材が無かったから、
「日本の子どものために日本の作曲家が作らなくてどうするの」
と思ってピアノランドの企画を考えました。
始めから両手で、タイトルと歌詞があり、連弾の伴奏がついていて、クラシック以外のジャンルもカバーできる本格的なメソッドを作り、子ども達が楽しく学べるようにしたかったのです。
企画段階で高校の同級生のイラストレーター岡久留実さんに
「絵本の様にきれいな楽譜を作りたいんだけど、絵を描いてくれない?」
と声をかけ、それからエディターとデザイナーの4人でBeansというチームを組んで絵本のように美しい曲集を作りました。
新しいものだからこそ、音楽出版界で最も権威のある音楽之友社から出版することに意義があると考え、楽譜のダミーと、収録曲を録音した音源を持って行ったら企画が通ったんです。
それから、営業の人の提案で全国をまわってピアノランドのセミナーをしたら、瞬く間にベストセラーになりました。
セミナーでは弾き語りをして驚かれました!
自分の生徒達にと買っていた100冊ほども、出版社から在庫が足りないからすぐに買い戻したいと連絡が来た時は本当に嬉しかったですね。
今では、『ピアノランド』は日本のメソッドとして根付き、音大でも教えられていて、沢山の人材を生み出しつつあります。
出版は年子の2人の息子を産み育てながらでしたし、最初の1年で5冊出したのを皮切りに
続けて出版をしていったので、子育てとの両立は体力的、時間的に大変な部分はありました。
でも、作曲することは楽しくてしょうがないし、「子どもがいるからできない」とは絶対に言いたくなかったんです。
とにかく無我夢中でしたね。
やっぱり、やりたい事をやるのが一番。
好きな事を仕事にすると、苦労を苦労と思わないうちに過ぎていきます。
私の両親はきちんとお稽古をしていれば自由にピアノを弾かせてくれたので、両親の考え方が才能を助けてくれました。
子を持つ大人の人には、子どもが自分のやりたい事を見つけられる子育てをしてほしいですね。
それから、若い人は自分を大事にして、自信を持って。
“誰か”のようにならなくていいと思う。
憧れるのはいいけれど、“誰か”を目指してもその人を超えることはできないから、あなたはあなたとして輝けばいいのです。
だから、人と比べて自分をすり減らさずに、あなたなりの幸せを自分で手に入れてください。
私は、この経験を通じて、1人の行動が、世の中を変えることができると思うようになりました。