『クイズ!ドレミファドン』
『なるほど!ザ・春秋の祭典』
『なるほど!ザ・ワールド』
『クイズ!年の差なんて』
『27時間テレビ』
『新春かくし芸大会』
『ドミノ倒し企画』
など数々の人気番組のプロデューサーを務めた敏腕プロデューサーが、本日登場する。
彼の活動はテレビの中だけにとどまらず、1回の放送で7億円売り上げた通販番組やフジテレビ携帯電話サイトの立ち上げ、アナウンサースクールの開設、今や来場者500万人の規模に膨れ上がったお台場合衆国の立ち上げをおこなった。
彼のアイデアの源泉と実行力とは?
さあ・・・元フジテレビ ゼネラルプロデューサー、現株式会社ドリームワン代表取締役、エンタメ思考プロデューサー 王東順様の登場です!
「引用、応用、転用」
私がフジテレビに勤めていた頃の話。
ゆりかもめに乗ってお台場のフジテレビに出社をする時に、夏休みのシーズンになると観光客の姿が目に付きました。
お台場を観光しにきていたんですね。
でも、10数年前のお台場は面白いところは一つもありませんでした。
観光客が地元に帰った時に「フジテレビに行ってきたけど、芸能人にも会えなくて全く面白くなかったよ」と話している姿が容易に想像できました。
それに、ゆりかもめの始発の新橋(汐留)に日本テレビの新社屋ができるという話が伝わってきたんです。
このままだと、お台場は人気の無い孤島になってしまうと危機感を感じたのです。
そんな時、ふと湯布院の町おこしの記事を目にしてこれは湯布院と別府の位置関係に似ているなと思いました。
入り口にある別府を通りこして奥にある湯布院に人が行くのはなぜか?
その理由を探るために資料を読みあさりました。
湯布院は、観光客を呼ぶために、ゆふいん音楽祭や湯布院映画祭などユニークなイベントを次々と行っていたのです。
「我々も何かイベントをやろう」
そこで、毎年8月8日に1日だけ開催していたフジテレビの日というお祭りを、夏休みの40日間毎日ぶっ通しで開催する案を考えました。
すぐに会社の上層部と話をしたのですが、
「フジテレビは放送局であってイベントをする会社じゃない。社員のエネルギーがイベントに分散してしまってテレビ局としての軸がぶれてしまうんじゃないか」と言われて反対されました。
それでも、私はあきらめられません。
「観光客を満足させるには祭りしかない」
プロデューサー魂に火がついて訴え続けました。
そのうちに会社は、
「3日だけやろう」
「お盆の1週間ならどうだ」
と譲歩をしてきました。
でも私は、「テレビという枠を超えて直接視聴者と触れ合ってファンを増やすべきだ」と妥協しません。
結局最終的には上層部が折れて、夏休みの間中40日間のお祭り「お台場番組博覧会」を開催することになったのです。
そのお祭りは、1年目が来場者100万人、その後、後輩に引き継ぎ
「お台場冒険王」
「お台場合衆国」と名前を変えて進化し、今は500万人にふくれ上がりました。
私はいつも物事を見る時に、一見自分のビジネスとは関係がなさそうなことでも
何か使える部分は無いかとアンテナを広げ、気になったらメモしておきます。
その上で「引用、応用、転用」して昇華させます。
そうすると時として化学反応を起こし、まさに1+1=3以上の効果が生まれるのです。