多くの大学や大手企業の研究室が実現できなかった“音声による感情認識技術”をベンチャー企業として開発したスゴい人!が本日登場する。この技術は、世界初の感情認識エンターテイメントゲームソフト
「ココロスキャン」などでも応用され、コールセンターや医療現場でも幅広く活用されている。
彼は最初からこの技術を開発するために研究を始めたのではない。ご本人曰く“流されてしまったのだ”と。それを示すように、その経歴は異色中の異色だ。まずは、美大で彫刻を学び、卒業後は彫刻家として活躍。数々の賞を受賞しつつ、東京・桜田門にある法務省の赤レンガ棟の改修工事で窓飾りの復元なども手掛ける。
その後、工学分野で博士号を取り、研究に必要な医学や生理学、心理学、哲学など・・・多くの研究に没頭していった。現在では東京大学でも教鞭をとっている。それは“流されてしまった”からという言葉では、言い尽くせない、茨の道と言える。何故彼がその道を選んだのか?さあ・・・株式会社AGI代表取締役、光吉俊二様の登場です!
「職業は天才」
6歳の時にブルース・リーに憧れた。すぐに空手を習い始め、地元では、ケンカでちょっとした伝説を作るような存在だった。空手で世界を目指そうと上京を決意するも、親の反対に会うことを避けるため、絵が得意だったこともあり一浪して美大に進学。卒業制作の石の彫刻で才能を買われ、研究生として卒業してから大学に2年間残ることになった。その後は、建築の専門学校での講師をする傍ら、新しい素材を使った世界初の彫刻作品を制作して数々の賞を受賞した。転機は1994年、偶然にインターネットの存在を知ったことだった。自分の作品を世界に向けて発信するメディアとしての可能性を感じた。
今までも、建築学や基礎数学、高分子化学を学んできた。必要な知識は学べばよい。
そんな考えから、おそらく芸術家として、日本で初めてホームページを独学で開設し、そこから、全く畑違いのコンピュータ本体の開発やCG制作を行った。その後、あるきっかけで“音声で3次元CGのアニメを自動生成するシステム”を作ろうと思いつく。ここで壁にぶつかる。それは「コンピュータが人の感情的な言葉を理解してくれない。」ということ。そのために「感情認識をさせるシステム」が必要になった。
“ないものは作れば良い。”これはかなりハードルが高かった。ベンチャー企業1社で参入できるような分野ではない。一番苦労したのは、お金。特に研究開発費は膨大で、どんどんお金が無くなっていく。ただ、やりたいことに出資してくれた寛大な株主さんがいたのが救いだった。彼らは「お前の職業は“天才”だ」と言ってくれた。その叱咤に応えようと思った。多くの人に支えられ「音声による感情認識エンジン“ST”」という技術が完成した。
様々な分野を極めていくなかで、その原動力は?と良く聞かれる。でもそれは「流されただけ」だ。
最初からこの技術を目指していたわけではない。目の前のことを1つずつ乗り越えてきただけだ。
「声なき声を聞きたい・・・」感情を認識することで、心の病に悩む人や
ろうあ者の方々を救えたら。そんな気持ちからも開発を進めてきた。
既にこのSTを利用し、メンタルヘルスの分野で世界初のサービスを準備し始めている。とにかく、どんな困難でも人は乗り越えられる力がある。苦しくとも、人はそんなに弱くないから、多少無茶しても死なない。
とことんやってみよう。そうすれば、道は開ける。