アトランタ、シドニー、アテネにおいて・・・
銀・銅・合わせて5つのメダルを獲得。
日本人でたった2人の女性しか成し得ていない獲得数。
この2人とは、シンクロナイズドスイミングという競技においてペアを組む2人、である。
日本人女子選手が持つメダル数、歴代一位!
さあ、武田美保様の登場です。
「相手への返事が人生を変えた瞬間」
幼稚園の時に水泳を習い始めましたが泳ぎは上手くない方でした。
人見知りも激しく自信も無く一歩引いた子供。
水泳のコーチから
「シンクロやらないか誘われているよ」
と言われ、小学校2年生で初シンクロ。
初日、誰よりも上手く出来ました。「これなら私は一番になれる!」とかなりの喜びを感じた瞬間。
何度も挫けそうになりましたが、20歳の時に本気で辞めようと思ったことがありました。
私の負けん気が強い性格を見抜いたコーチに誰よりも厳しく指導されました。
要求される事に対して応えられない時期が何年も続き、人間的に否定されていると勘違い。
やっている意味が見出せなくなり、シンクロ自体が嫌いになりました。
でも、ここで辞めたら、オリンピックに出るために常に楽な方より辛い方を選び耐えてきた時間が全て無駄になるし、一番身近なコーチに人間的に認められていないままになってしまう。
こんなネガティブな気持ちで新たな人生を踏み出しても上手くいく気がしない。
だったらこの人間関係を絶対に変えてやる!
私が出来る事で圧倒的に相手が変化を感じられる事を考えました。
それが返事。
ふて腐れたヤル気のない返事ではなく、納得していなくても歯を食い縛りコーチの目を見つめ、明るく「ハイ」と返事をしてみたのです。すると言われた言葉がすとんと腑に落ちたのです。
スポーツでも仕事でもたいてい伸び悩んでいる時は「私はやってるのに」と主語が自分になっているんです。
オリンピック3大会に出場し続けたモチベーション!?
それは遣り残しを消すこと。
最後のアテネオリンピック。人生を賭けてきた集大成はたったの4分だけ。
緊張の中、思い描いた動きが出来ました。演技後、コーチから
「褒めたらあなたは止まるから、今迄ずっと褒めなかったのよ。」
の一言を頂き、やっとこれで引退できると思いました。
自分に足りているもの、いないものを冷静に現状把握できれば努力の仕方も絞れ、目標を手にする事が出来ると思います。