【中澤 希水】書道界の芥川賞“手島右卿賞”を受賞した書道家のスゴい人!

中澤 希水

両親とも書道家で、1歳の誕生日には筆を持ち、それから大学卒業までわき目も振らず書道一筋に打ち込んできた。
高校生の頃には「将来は書道の道で生きていく」と心に決めていたという。
しかし、年を重ね視野が広がるにつれ、日本の書道界の現状に疑問を抱くようになり、大学卒業後3年間、筆を置くことになった。
その後、書道の道に復帰をし10年になる今年、“手島右卿賞”を受賞した。
彼が書道の道に復帰したきっかけとは?
さあ・・・書道家 中澤希水様の登場です!

「日々の生活を丁寧に」

書道家の両親の元に生まれて、初めて筆を持ったのは1歳の誕生日。
書道が身近にある環境で育ちました。
小、中、高校、大学と毎日のように筆を手にしていたのですが、卒業後視野が広がり、「書道界の古い体制」に疑問を抱き、方向性に迷い、筆を持つ事が嫌になってしまい、置いてしまいました。
この期間は、偶然出会ったビリヤードに打ち込んでいました。
試合にも出場していましたし、寝る間を惜しんで球を突いていました。
ビリヤードの世界は、それまでいた書道の世界と違って勝ち負けがはっきりしていた事に合わせ、己のメンタルとテクニックのバランスを鍛えなければいけない所に魅力を感じていました。
プロになることも考えたのですが、小さい頃からやっている人とは純度がやはり自分とは違いますし、トッププロにはなれないだろうと思ったんですね。
その頃ちょうど書道の道に戻りたいと思い始めていたのもあり、再び筆を持つことになったのです。
3年間書道から完全に離れていたことで、「自分が、ただただ好きで書いていた」という原点を思い出したのです。
それからは、寸暇を惜しんで古典臨書に明け暮れました。
師匠からは「芸術家である前に職人であれ、技術鍛錬を繰り返し行え」ということを厳しく言われて来ました。
「個性は出そうとしてはいけない、出さないようにしようとしていてもいずれ内側からにじみ出てくるものだ。それが個性なのだ。基礎をおろそかにすると、その後の振れ幅が狭くなる」
と教えられ、その言葉を素直に受け止めて、今日までの毎日基礎的な練習を日課として繰り返してきました。
美しい文字を書くという地味で基礎的な練習を徹底的に行い、基本の型を身に着けないと、いざ自己表現としての作品を書こうと思っても全体のバランスや線質が稚拙になってしまうのです。
「こんな練習つまらないな」と思った時もありましたが、今振り返ってみると師匠の教えを守って本当に良かったと感謝しています。
「俺の作品どうだ!!」みたいな見る人に押し付けるような作品は僕には合わないですし、見る人によって感じ方やとらえ方は自由であってほしい。
「なんかこの作品を見ていて落ち着くな」と思ってもらえるような作品を創っていきたいです。
見る人の心に響く作品を創るためにも、これからも日々のくらしを丁寧に送ることを心がけています。

◆書道家 中澤希水 Kisui Nakazawa, Japanese Calligrapher
http://kisui-nakazawa.com/
※一部携帯では見られない可能性があります。

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