元不良、年収ゼロ、資産売却から40拠点の広告網を構築。人生を何度でも立て直すスゴい人!▶山中直彦様 DAY2

人気YouTube番組「令和の虎」の「虎」(投資家)としても活躍する山中直彦さん。問題児を自覚していた子ども時代、バイト三昧だった高校・大学時代を経て、安定したサラリーマンの道へ。しかし安定には満足できず、起業・独立。その直後に想定外の試練が待っていた――。現在、複数の会社の代表として事業を多角的に展開する同氏が語る、その波乱万丈の人生とは。

失敗は成功への入口

 

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電車に飛び込みたかった。家族が踏みとどまらせた

独立直後の頃。仕事がなく、鎌倉の寺で自問自答して過ごしたことも

 

仕事はまったくないし、行くところもありません。

朝から晩まで酒浸りでした。正直、何度か電車に飛び込みたいって衝動もありました。

だけど、家族の手前それは絶対できない。その時に妻に言われたのが、「酒なんか飲んで、気持ちをごまかしていたって何も変わらないじゃん」。

はっと我に返って、そこから奮起したんですけど。だから高校までの自分とは全く別人格ですね。

家族のために自分を犠牲にして、ちゃんと生きなきゃいけない。そこから、初めて真剣に生き始めたのかもしれません。

45歳までの自分は、やっぱり本業があるから副業もうまくいって、お金も入ってくるし、山中さん、山中さんって、皆近寄ってきた。

ところが、会社を辞めたら手のひらを返すようにいなくなった。お金も入ってこない。その時に生きるってこういうことなんだなって目が覚めて、そこから、行動を変えました。

アメ横の大型ビジョンが人生を変えた

 

アメ横センタービルの大型ビジョンが人生を変えるきっかけに

 

過去の取引先に連絡する。会える人には会う。断られても、また次に行く。

とにかく、動き続けました。48歳の時、以前お付き合いのあったビルオーナーから声がかかりました。

「ここに大型ビジョンを設置しないか」。場所は、上野のアメ横でした。これが、今の事業の原点です。

ただ、問題は資金でした。設置には約3000万円かかる。銀行は貸してくれません。

独立したばかりで、実績も信用もない。

そんなときにある先輩が「俺が出資してやるからやってみなよ」と言って、2000万円出してくれたんです。

僕は自分でなんとか1000万円調達して、機器を買って設置して。そのビジョンは、うまくいきました。広告が入り、収益が出る。

信頼が生まれる。次の案件につながる。そこから、少しずつ事業が広がっていきました。

現在では、首都圏を中心に約40カ所の大型ビジョンを展開しています。

大型ビジョン事業は媒体をお預かりしてその枠を埋める広告代理店とは違い、弊社が媒体主になります。僕はやっぱりおおもとをやりたいんですね。

小学生の頃のお金集めて皆を仕切るのが好きだったのと同じなんですよ、発想が。

自分がそこの主になって、皆さんが売ってきていただければ、マージン払いますから、皆でやりませんかという。

商流の一番上にいたいんです。その他に、マンションエントランス向けのデジタルサイネージ事業も200カ所以上に広がりました。

どん底だったあの頃から考えると、人生は本当に分からないものだと思います。

事業のもう一つの柱、マンションのデジタルサイネージ事業

特許12個。広告効果の「見える化」に挑む

モバスタという会社でモバイルスタンプラリー事業も展開しています。

通常のスタンプラリーと違い、モバイルスタンプラリーは、行った場所でQRコードを読み込み、

アプリ内でスタンプが押される。そしてスタンプをコンプリートすると、何かをもらえたりするのは一緒です。

会社を辞めてくすぶっていたときにその仕組みを考えて、ビジネスモデルの特許を取ったんです。

なぜそういうことをやったかというと、大型ビジョンでいろんな情報を発信しているだけだと効果がよくわからない。

その広告を確かに見たというエビデンスが欲しいなと思ったんです。広告を見た人にQRコードを読み込んでもらって、効果測定をする。

それを集計して広告主に見せれば、確かにこの広告見てますでしょって言えるじゃないですか。

利用者にいろいろなところを回ってQRコードを読み込んでもらうって、よく考えたらスタンプラリーだねってことで、

弁理士さんと相談をして、モバイルスタンプラリー関連の特許を時間をかけて12個ぐらい取ったんですよ。

それで実際にやり始めようと思った矢先にコロナウイルス感染症が流行して、また我慢の日々が続きました

。今いろんな会社でこのような取り組みをやっていますけど、それって弊社の特許を侵害しているんですよ。

なので、弁護士、弁理士とピックアップしながらお手紙出しています。「特許侵害ですよ。やるなら一緒にやりましょう」って。

受けた恩は一生かけて返す。人間関係の信条

大切にしているっていう意味で言うと、若い頃からいろんな人と交流してきましたけども、人を裏切ったこともあるし、

裏切られたこともあって、人と人との関係をないがしろにしてきた時代があったんですよ。

振り返ると、もう本当に恥ずかしいですし、自分の中の一番嫌なところ。

自分と向き合ったのが、会社辞めてから本当に生き始めた45歳以後でした。やっぱりそこは大切にしています。

受けた恩は絶対に忘れちゃいけないし、きちんとそれを返す。むしろ人にしてあげたことなんか忘れてしまって構わない。

だけど、していただいたこと、これに関しては、きちんと僕は一生かけてでも恩返ししたいなっていう。

そこはこだわりと思っています。実は僕には一番お詫びしなきゃいけない人がいるんですよ。

20歳上の大先輩で、大変ご迷惑をかけて相当なお叱りを受けたんですけども、今は月に2回ゴルフをご一緒してるんです。

一生かけて学ばせていただきながら、何かご恩返しができればなと思いながら、いいお付き合いさせていただいている。

歳をとるにつれて、自分にモノを言ってくれる人って少なくなりますからね。その先輩は今でもいろいろ忠告してくれるんで。

その時にはっと気がつくことも多いです。そういう人がいるってことは幸せだと思います。

失敗は成功への入り口。諦めない生き方の証明

2019年、起業の心得を説いた著書を出版

 

座右の銘は「失敗は成功への入り口」「リスクはチャンス」。失敗を恐れて何もやらないことこそ最大の失敗だと思います。

やっぱり成功している僕の友人や社長さんを見ていると皆、何らかの失敗をしています。

恩人の大先輩も何度も失敗しているんですけど、そのたびに這い上がってくるんですよ。そこにやっぱり魅力がある。

YouTubeで配信されているリアリティ番組「事業再生版 令和の虎」に昨年(2025年)、出演させていただきました。

会社を辞めて、どうにもならない期間が3年近くあった。でも諦めなかった。

諦めなかったことによって、今、人生が180度変わったところを、

これからビジネスをやろうとしている人たちにはぜひ教えてあげたいなということをずっと思っていたので、

2019年に『牛の尻尾で終わるヒト 鶏の頭で羽ばたくヒト』という本を出版しました。

“虎”となったきっかけ

 

夢を抱く若者たちが憧れる令和の「虎」(写真は番組出演時)

 

この本を出版したからでしょうか。会社員生活と起業後の生活は全然変わるもんなんですよ。

そういうことをいろんな人にお教えしていたところ、特に講座を開いていたわけではないんですが、皆さんが僕の話を聞きたいと訊ねてくるんですよ。

あるとき、僕が主催する交流会で、年下のある経営者と仲良くなって、その彼が起業して一生懸命やっていて、一昨年「令和の虎」に志願者として出演したんです。

そうしたらすごい再生回数があったんですね。バズったことをお祝いしようと、200人ぐらいの参加者を集めた祝賀パーティーが渋谷で開催されました。

私も少しですが、彼の事業に出資していたものですから、呼ばれまして。

会場で彼が「山中社長のおかげだ」って言ってくれて、壇上に呼ばれて挨拶したら、そこに来ていた「令和の虎」の番組関係者が、

「よかったら今度番組に出ませんか」とお誘いしてくれて。それがきっかけで、番組に投資家である“虎”として出させてもらっています。

答えより大切なもの。壁を越える気持ち

会社員の方から、よく「どうやってここまでになったんですか?」って聞かれるんですよ。

聞かれるんですけど、やっぱりリスクを取らないとダメなんですよ。話を聞いて、

僕がどうやってこうやったって言ったところで、同じことできないと思うんです。

例えば、今の若い子って皆、何かやろうと思うとスマホで調べるじゃないですか。

答えは出ているんですよね。

出ているんですけども、成功している人たちが答えを書いていますけど、成功までの間にいろいろな壁にぶち当たりながら、

限りない失敗とかをしながら、諦めないでたどり着いたっていうことは書いていない。

結果しか書いていない。若い人たちはそれを見てやるじゃないですか。

で、壁にぶつかると、くじけてしまう。それじゃダメなんですね。

やっぱり自分で本当にリスクを背負ってですね、挑戦し続けて、失敗してもまた立ち上がって、

這い上がっていくっていう、その気持ちというか、それがないとダメだよって言っていますね。

自分自身もそう。これからも、人が驚くようなことをやっていきたい。

新しい仕組み、新しいビジネス、新しい価値を生み出していきたい。

そして、自分の人生そのものが、「何歳からでもやり直せる」その証明であり続けたいと思っています。

<完>

取材/アレス(副編集長) ライター・撮影/長澤千晴 動画編集/㈱グランツ

 

山中直彦氏 プロフィール:

1966年東京都生まれ。

株式会社トラストワイズプロダクション/株式会社モバスタ代表取締役。https://trust-ysp.co.jp/

不動産会社に22年間勤務後、45歳で独立。

現在は大型ビジョンやデジタルサイネージ事業を中心に、広告・不動産・新規事業プロデュースを展開している。

著書に『牛の尻尾で終わるヒト 鶏の頭で羽ばたくヒト』(ギャラクシーブックス社)がある。

趣味は極真空手(黒帯)

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