医師と患者をつなぎ、未来の医療を変えていくスゴい人!DAY2▶小川智也様

昨日に引き続きご紹介するのは、医療人材プラットフォームを構築している小川社長。コロナ禍のずっと前から医療システムにおける問題点に気付き、関係各所に提言していた。多くの人が医療にアクセスできなくなったコロナ禍にあって、その先見のサービスが今、多くの患者を救っている。その思いと挑戦の過程を伺った。

さあ、MRT株式会社 小川智也CEOの登場です!

医想全咲(いそうはるさき)

▶今日のポイント

・限りある医療人材を効率よく社会の課題へ

・ポストコロナの時代の医療インフラを

・病気になる前のヘルスケアに医療を取り入れる

DAY1を読む

▶動画を見る

オンライン診療を支える28万人の医療従事者

現在スマホを使ったオンライン診療を実際取り入れている病院やクリニックは全国ではまだ10%には満たないほどです。ただ厚生労働省のデータではオンライン診療を行っていると公開している病院は16%くらいあります。この差は、電話診療です。患者さんが高齢者だったり、医師自身がスマホを使わなかったりするケースが実際にはあるので、写真やデータの送受信による精密な診断までできていないところがまだまだあります。今後このオンライン診療はもっとスピードを増していくと思います。今もコロナで自宅療養の方、医療サービスにアクセスできず、不安を抱えている方にはオンライン診療をご利用いただいています。たった一人で診察などもなく経過をただ観察していくというのは非常に不安ですから、患者さんの精神的な面でもオンライン診療はとても心強いと思います。当社のオンライン診療では初診からオンラインで受けられます。それを支えている登録医師は全国に7万名。看護師さん等を含めると28万名のネットワークがあり、患者さんの「今すぐ助けて!」の声に対応できる仕組みを整えています。我々の事業がもともと「現場で困っていることを解決する」というところから発生していますから、現場で今活躍している医療従事者の方のご理解や賛同を得やすいのだと思います。実際にこの事業をスタートした頃は、ニーズの大きさに対して医師が不足していました。一人の先生がとても忙しく診察をしていた時期もありましたが、当社の目指す医療の形に賛同した先生方が自ら同僚や後輩の医師へお声がけくださり、今では本当にたくさんの医師の方のお力を借りられています。

また子育てや様々な理由で、今は勤務していない看護師の方や、現役を退かれた医師の方々などの潜在医療従事者の方々にとっては、その能力が発揮できる場がオンライン診療であることも大きいと思います。活かしきれていない医療人材と、医療が不足して困っている患者とを確実につないでいく。そんな使命も果たせるオンライン診療が今確実に必要とされています。

 企業理念は「医療を想い、社会に貢献する」

インフラとしてのオンライン診療

オンライン診療というのはもともと都会型ではなく、過疎化が進む地方や、離島、僻地などの医師不足により医療が行き届かないエリアで地域医療の厚みを増すことができる大きなメリットがあります。一人暮らし高齢者の方の不安解消にもつながります。またコロナ禍をきっかけにしてリモートで働くことが可能になり、地方へ移住することを検討される若年層も増えました。当社の医療サービスがあれば、より安心してその地域で暮らすことができます。地方創生にもつながる一つのインフラとして各自治体とやり取りをすることもあります。

また将来的にはオンライン診療というものが「医療」の手前の、もっと身近で手軽に医師に健康相談ができるツールにしたいと考えています。

例えば当社のサービスの一つに、医師が患者さんのバイタルデータを分析して、健康管理、健康相談ができるヘルスケアサービスがあります。

今はヘルスチェックができるウェアラブルデバイスが沢山あります。指輪の形をしているものなどは負担も少なく、身に着けやすいと思います。そのような患者さん自身が持っているデバイスからのデータをこちらに自動送信してもらいます。普通の生活、通常の活動をしながら取得したバイタルデータがあれば、睡眠時と日中の活動時間帯の変動なども比較検証することが可能になります。これですと睡眠データや心拍の波動、一日の活動に伴う変化などもすべて医師が把握できます。通常、不調を感じてから病院に行っても、その時に測った血圧や心拍が正常であれば、医師の診断は「特に問題ありません。」となります。病院で診察したその瞬間の、ワンポイントのデータでその患者さんの病気を予測するのは難しい場合がありますが、一日のバイタルデータを基に診察した場合には、予見できる症例が増えますから、一見して健康な方の将来の予防医療のアドバイスができます。病院に診察にいくよりも気軽に、医師と相談する中でこれは一度ちゃんとCT撮影したほうがいいよな。という判断になって、早めに病気が発見される世の中にしたいです。

 

医療とヘルスケアの垣根をなくしていく。

当社の将来的なビジョンの一つは、医療MaaSMobility as a service)のリーディングカンパニーたることです。内閣府が主導している新しい技術、新しい仕組みを使ったスマートシティやスーパーシティ構想の中で、当社は先進的な医療への取り組みを実践すべく既に着手していることもあります。その一つが、車両を使った移動型の診療サービス。このサービスがあれば病院が無い地域でも、医師が不在の過疎地でも、人が安心して生活できるようになります。苦しい、困った思いを抱える患者さん自らが遠くの病院に行かなくても、医療にアクセスできる社会を実現できます。また海外医療ベンチャー企業との連携の可能性を検討しながら今はまだない、新しい医療サービスの構築も進めています。

もう一つは再生医療。今まではどこか具合が悪くなれば病院へ行き診察を受け、投薬などの治療を受けるのが医療の一般常識でした。今回のコロナ禍で何が一番人を不安にさせているかというと「治療法がない」こと。治療薬がないとなると自分自身の抵抗力、いわゆる免疫を高めることが重要になってきます。怪我や、病気をしても人間は本来持っている免疫から自然治癒する力があります。今自分が持っている治癒力を高めていくように普段から健康に気を付けて暮らす工夫がこれからは注目されます。

当社関連企業が取り扱う再生医療の商品はヒト幹細胞培養上清液とよばれるもので、自分の細胞を採取しなくても、安全に自身に点滴できる画期的な治療法・予防法を提供できるものです。再生医療の力で免疫力をさらに強化して、病気を克服していく。病気になってからの投薬治療だけではなく、現代の技術や知識を使って新しい治療法や予防法を開発し、医療と健康の間を大きく変革していきます。

*医想全咲(いそうはるさき)とは当社の造語:

新型コロナウィルスが猛威を振るう状況だからこそ、MRTの企業理念である「医療を想い、社会に貢献する。」を今一度意識して事業に取り組み、更に広めたいという想い。 そしてそれをすべての人達に対して取り組むことで、やがて花が咲くという意味。

(了)

取材:アレス 校正;NORIKO 映像:グランツ株式会社

 

◆小川智也氏 プロフィール

MRT株式会社 公式サイト:https://medrt.co.jp/service/index.html

1973619日生

20024        96回医師国家試験合格

20046        大阪府立千里救命救急センター入職

20056        国立病院機構大阪医療センター救命救急センター入職

20119        当社取締役事業本部長

20139        当社取締役執行役員経営戦略室長

20145        当社取締役執行役員事業本部長

20156        当社取締役副社長メディカル・ヘルスケア事業本部長

20183        株式会社CBキャリア(現株式会社日本メディカルキャリア)取締役(現任)

20194        当社代表取締役社長(現任)メディカル・ヘルスケア事業本部長

20201        Vantage株式会社代表取締役社長(現任)

 

◆医師紹介サービス「Gaikin」:https://medrt.com/

◆看護師紹介サービス「MRTナースバンク」:https://nurse.medrt.com/

◆オンライン健康相談・診療「Door. into 健康医療相談」: https://medoor.com/webmed/

◆「ヒト臍帯由来 幹細胞培養上清液」の販売、世界最大級のアンチエイジング医学会A4Mの日本統括などを行う当社関連企業「Vantage株式会社」:https://vantage-inc.net/

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう