日本で初めて、宝探しという「職業」を創り出すスゴい人!DAY1 ▶齊藤多可志さん

株式会社タカラッシュ 代表取締役社長 齊藤多可志様

 賞金5億円の宝探しを開催する 

 

謎解きやクイズがブームになっている今、このブームの先駆者というのが齊藤多可志社長その人。設立以来20年間、宝物を手に入れる達成感を通してお客様に成功の疑似体験をしてもらいたいと考えてこられました。2014年に初めて取材をさせていただいてから7年の時が過ぎ、今度は宝探しという「職業」を生み出すその夢のプロセスについてお尋ねしました。

DAY2を読む  動画を見る

 

編集部(以下、編):ご無沙汰しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

齋藤社長(以下、齊):どうぞよろしくお願いいたします。

 空前の謎解きブームが到来

編:さて、宝探しや謎解きというカルチャーは齊藤社長のお力ですっかりメジャーとなりました。各地で謎解きのイベントも開催されたり、同業他社も増えてきている現状ですね。

齊:そうですね、ありがたいことに、私が立ち上げた当初は考えられないほどにマーケットは拡大、認知されてきています。2人でスタートした当社も今では社員が53名おります。4月からは新たに14名が入社します。

 

編:趣味や特技であったクイズや(トルツメ)謎解きが、職業となる時代を有言実行、創り出されました。

齊:この事業を開始した20年前は、宝の地図を書ける人材をどう募集していいか、どこにそんな人材がいるのか見当もつきませんでしたからね(笑)。今は当社の事業説明が伝わりやすい時代になったなと実感しています。当社には地図などを作製するモノづくり担当、企画などを発信する営業担当、そして全体の企画担当がいます。大学のクイズ研究会に所属している方や、謎解きなどで名前の出ていない裏方で活動されてる方なども在籍しています。

 

編:やはり20年前は大変でしたでしょうね。

齊:いやもう、大変なんてもんじゃなくて、そもそも存在が怪しいですよね(笑)。クイズ作りますからお金くださいっていうのは(笑)。なんでそんなのにお金払わないといけないの?っというのが普通のリアクションでした。「無料でもやりません。」と言われたこともあります

 

編:無料でもやらない理由は何だったのでしょう?

齊:ある市役所の担当の方には「宝探しならこちらで自分たちでもできますから」と言われました。学校などの場合は、海や山で宝探しなんて危険すぎる。生徒にやらせるわけにはいかない。と言われたこともありました。その当時は、弊社の宝探しの魅力や、宝探しをやることの意義というものを明確にプレゼンしたり明示することにまだ準備が足りませんでした。30歳で独立して信用もない時でしたし、大変に苦労しましたね。

 

編:宝探しというサービスを提供・開始するうえで必要なのは何だったのですか?

齊:宝探しというコンテンツ自体は、当初全て私が作っていたので、必要なのは宝の地図の印刷代や映像を作るためのパソコン代くらいでした。イベント運営や賞品なども自分で手配していたので、起業してからいわゆる元手というものはあまりかからないサービスではありました。

 

転機となった一つのプロジェクト

編:最初の転機となった案件はどのようなものでしたか?

齊:安福氏(現専務取締役)と二人で起業して半年くらい経った頃、前職の旅行代理店時代のクライアントのご紹介で旅行中の観光客向けに宝探しのイベントの依頼がありました。100人程度の規模で河口湖周辺にて開催したのが最初です。これがお客様に大変喜んでもらえたもので、二人で安堵しましたね。僕たちがやろうとしていることは必ずいつか、伝わる、わかってもらえるはずだと思いました。当時は安アパートに二人で寝泊まりするような生活でしたから。

 

編:当時は将来に対する不安もあったのでしょうね。

齊:ええ。ありました。ただ、イベントを開催すると、来場してくれたお客様が本当に喜んでくださったのでそれがとても自信になりました。‘宝探しのイベント‘というのを知ってもらえればこのビジネスは必ず上手くいくという確信みたいなものがありました。

 

編:ではそこから一つ一つの実績を積み上げてこられた。

齊:そうですね。テーマパークや各地で地元企業の協力をいただきながら大成功を収める事例がいくつか出てきたんですよね。そこで我々が想像していた事業計画を遥かに超える参加者がいたり、参加者からの前向きなコメントが大量に社内に届きましてね。我々は今大きなことを成し遂げているんだという実感がありました。

 

編:差支えなければどちらで開催されたイベントだったのかを伺えますか。

齊:ええ。愛知県にある明治村や、江ノ島で開催したイベントは大変盛り上がりました。2006年頃だったと思います。明治村のイベントは4カ月間の開催だったのですが、当初宝探しの地図や資料の冊子を参加者合計6000部と予想して用意しました。ところが2週間くらいで増刷依頼が来たんです。何かの間違いじゃないかと思って愛知県まで見に行きました。

 

編:それほど信じられなかった?

齊:そうです。テレビCMや駅広告などのプロモーションは行わず、ホームページに掲載していただけでしたので。テーマパーク入口すぐの場所で販売していたのが効果的だったようです。結果的に24000部を販売する大ヒットとなりました。宝の地図は3-4人のグループで一緒に使用するので、実際の参加者は販売冊数の3-4倍の人数だと思います。

 

編:7-8万人の方がその宝探しイベントに参加されている計算ですね。

齊:そうなんです。当社もその年の社員旅行は明治村にしました。実際にユーザーとして参加することも大切ですし、何よりも嬉しかったですね。当時はまだ社員が11名くらいでしたが、感謝もありました。

 

今も続く社内での戒めの合言葉

編:やっていることが認められるって社員さんにとってもやりがいにつながりますよね。

齊:はい。ただね、これでちょっと我々調子に乗ってしまったんですよ(笑)

 

編:どういうことですか?

齊:そのままの勢いで、夏休みの2か月間、お台場でイベントを開催したんです。そしたら全く失敗。お台場ってね、それぞれ皆さん目的があってくる町なんですよね。仕事、買い物、映画、家族サービス、デート。「明治村に行こうか」という同じ目的で集まっている人達では当然ないわけです。

 

編:それぞれ背景が違いますもんね。

齊:その見極めというか、マーケティング要素を見過ごして勢いでやったもんだから大失敗でね。明治村という地元企業さんの集客力があって、その上で成立していたのに、自分たちの力で集客したという風に過信してしまったんですね。

 

編:なるほど。

齊:しかしながらこの失敗のおかげで、自分たちに何が足りないのか、どうすれば成功させることができるのかを学びました。それ以来、社内には諫めの言葉として「NO MORE ODAIBA(ノー・モア・お台場)」という言葉ができました(笑)。今でもちょっと無理な、肩に力の入った提案とかがあった場合に自然に皆の口から出てきますね。(笑)

 

 

コロナ渦にも負けぬ創業の想い

編:2020年はコロナの影響で多くのイベントが中止や延期となりました。

齊:そうですね、当社もその影響はとても大きいです。コロナ以前は年間150件ほど宝探しのイベントを開催していました。当社は特定のビルや場所は持たず、基本的に海や山などのアウトドアで宝探しをします。宝を探しあてた方に賞品を渡す。というのが基本的なスタイルです。いわゆる三密蜜ではないのですが、やはり企業や自治体さんがそもそも人が集まるイベントを開催すること自体が難しい状況でしたのでね。

 

編:そうですよね、皆、先がわからない状況でしたからね。その中でオンラインでのイベント開催もされました。

齊:オンラインでの宝探しイベントは無料ですと約8000人集まっていただいたのですが、有料になると途端にガクッと少なくなって、1000人程度の参加者となります。

値段は3000円と高くなく、賞品もなかなか予約の取れないレストランの招待券など、魅力的なものなのですが、無料の方がまだまだ参加者は多いですね。

 

編:オンラインイベントというのはポストコロナでは主流となるでしょうか。

齊:そうですね。オンラインでのイベントはもう少しやり続けていけば、ビジネスとして浸透するかもしれませんね。また、当社では宝探しを職業にしていくための一歩として、宝探しのプロ組織を作りました。そこでの賞金は今年は1000万円となっていまして、ゆくゆくは1億とか大きい金額をプレゼントしていけたらと思っております。

 

編:1億!スゴい。本当に宝探しで生活できますね。

齊:日本初の宝探し事業を進めている当社では、「宝を探し出す喜びをすべての人へ」という理念を大切にしています。一人が宝物を奪うのではなく、皆で見つけていくという共通の目的をグループで楽しんでいただきたい。地域で行う宝探しイベントも十数年に亘って開催しております。最近では教育委員会とも連携して提供しています。このような活動は地域学習にも繋がるので効果的であると思っております。

 

編:プロのトレジャーハンター養成のための御社の新サービス「ハンターズビレッジ」をロンチされました。ここは一般の人は入れない領域なのでしょうか?また、どういう場所で行うのですか?

齊:ハンターズヴィレッジは誰でもお楽しみいただけます。サービスの中で本気でプロを目指す人は本気で頑張るというサービスですね。賞金1000万のような高額賞金はプロハンターだけが参加できる大会で争ってもらいます。プロの大会の舞台はまだ確定していないのですが、現在山口県に「宝島」と命名した島を保有していまして、そこを使用することを検討しています。

 

2日目に続く)

明日は億万長者を生むかもしれない、新サービス「トレジャーハンター」についてさらに詳しくお聞きします。

インタビュー:NORIKO ライター:SHUJI 撮影:株式会社グランツ

◆ 齊藤 多可志(さいとう たかし)氏 プロフィール

株式会社タカラッシュ 代表取締役社長

東京都出身

ハンターズビレッジ:https://huntersvillage.jp/

お家で宝探しキット購入はこちら:

https://store.shopping.yahoo.co.jp/takarushshop/bcabc2f0a4.html

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう