25年間、世界の子供たちに和の文化で「心」を伝え続けてきたスゴい人!DAY4

2021 新春特別記事

今回ご紹介するのは国際文化交流舞踊団『曼珠沙華』代表であり設立者であるママローザ(藤中清永)さん。

㈱森英恵(ハナエモリ)VIVID専属デザイナーを経て20代でアパレルメーカーを設立、ヨーロッパでのショーも経験するほど活躍するも、自社ブランドが倒産。自身の生き方を変えたいとマザーテレサに拝謁し、今の活動を始めました。ハンセン氏病療養所やチェルノブイリ原発被災地などに赴くその姿勢に賛同し、国賓として招待される国も多々あります。舞踊という文化が人を慰め、国をつなぎ、時代を和らいでいく。その壮絶で壮大な藤中さんの人生を2021年初春企画として、4日間連続で配信いたします。

奇跡とは人と人との出合い

見どころ

*聖者と言われるマザーテレサにお会いしたいとマザーハウスへ

*国内公演はマザーテレサ様に敬意を表し、日本のハンセン病療養所慰問公演から始まる

*チェルノブイリ被災地公演のきっかけとなる北海道へ公演に

DAY1 DAY2 DAY3

 

ベラルーシ、チェルノブイリ被災地での20日間公演

1999年、曼珠沙華として初めての海外公演はベラルーシ国内の放射能被災地エリアとなりました。ベラルーシ国と絆が深い、北海道の野呂様が色々と間に入って下さりビザなどはすぐ下りました。ただ、当時の駐日大使の奥様に「ママローザ、そこは被災地で放射能がたくさんあり危険な場所です。ベラルーシの人でさえもそこには行かないのですよ」と言われました。でもその被災地から毎回日本へ保養に来ている子供達がいるんです。当時は首都ミンスクに初めてマクドナルドが出来たころでした。ハンバーガー一つの値段がサラリーマンの月給ぐらいしていました。まだまだ貧しい国で、特にベラルーシの被災地エリアには食べるものもなかなかありませんから、自分たちで食べるお米やお水は全部持参しました。公演の衣装まで含めると1トン以上の荷物を持っていきました。20日間かけて被災各地を回り公演しました。毎日メンバーや関係者で炊き出しをして、公演の後にはふりかけご飯を食べました。当時はまだ強い放射能がありますからなんとなくずっと船酔いみたいな、ふらふらした感じになるんです。体力勝負の公演を毎日行うのは過酷でしたが、そこで生活をしている人たちを思えば、この公演を楽しみにしている人たちを思えば、私たちが頑張らねばと思えました。

借りた時よりも美しく、徹底的に掃除をして返す

被災地エリアの劇場は、もちろん誰も来ませんから埃と蜘蛛の巣だらけです。トイレもありません。その当時のカラー映像がありますが、総て白黒です。当時は放射能が強すぎてカラー撮影が白黒になってしまうほどでした。そんな劇場についたらまずお掃除。団員一同、みな膝をついて雑巾がけをします。多くの衣装は裾引き、足袋を履いています。ですから衣装を汚したくない思いもありますが、それよりも日本人の理念のひとつ、「借りた時よりきれいに返す」を実践しました。これはいつも団員に話すのですが、私達は日本を知らない国へ公演に行く事が多いですから私達を見て「日本人」を見る訳です。団員には日本人として恥ずかしくない振る舞いをするようにと伝えています。

ベラルーシはとても美人の多い国ですが、被災地エリアの人達は生きる希望もなく暮らしています。ある美しい女性はお化粧もせず、髪も染めず、暗い顔でしたが、公演が終わった後、可愛らしい笑顔で「楽しかったありがとう!また来てください!」と言ってくれました。

2003年、再訪が叶います。すると今回は女性たちが生き生きとしていて、「あなたたちがまた来てくれると知ったから元気に頑張ることが出来たの!」と言ってくれたのはとても嬉しかったです。そして舞台でご挨拶をしていたら、今度はおじいさんが出て来て「私の孫娘は日本でママローザの所に保養に行きました。そして今度はわざわざ遠い日本から私のところまで来てくれた。ありがとう。」と伝えてくれました。皆を元気付けるためにベラルーシに行ったのですが、こちらこそ皆さんに元気をいただいたんです。

文化の継承こそが「国」の形

ウイグルの母といわれているラビア・カーディルさんが曼珠沙華に来て下さった時に踊りをお見せした時、「日本には素晴らしい文化がありますね。文化のなくなった国は国の魂がなくなったことと一緒です。」と言われました。ウイグルの母として国を守りたいその思いが伝わる深い言葉でした。国とは何か。人がただ住んでいるから国なのではなく、そこに根差した文化があってこそではないでしょうか。日本には素晴らしい文化があります。その文化を曼珠沙華の公演を通して伝えていけたらと思っております。舞台を通じた短く楽しい時間。それは平和そのものだと思います。同じ舞台を一緒に見ることにより心が通う事があると思います。国と国の間に国境はあっても21世紀の子供達がお互いの文化を知ることで、相手を知り、世界の子供達が一つとなってゆくのではないでしょうか。世界が平和になるために目の前にいるたった一人の人のために曼珠沙華は踊ります。

人と人との御縁は「奇跡」と言っても過言ではない。舞踊をお見せするのがたった一人の人でもいいんです。もしも一人の人も喜んでいただくことが出来ないのなら、この活動は出来ないと思っています。「お客様は神様です」を心に私達の所に足を運んで下さるお客様を神様と思って心から感謝のおもてなしをさせて頂く。そこに感動が生まれ、感謝の気持ちが生まれる。人の心はこうして繋がっていくのではないでしょうか。そうやって、人と人とのご縁を大切に大切にあたためて来ました。それが日本の心だと思います。

 

曼珠沙華の活動で人と人をつないでゆく

我々「国際文化交流舞踊団 曼珠沙華」は「世界の子供達に心の花束を届けること」を目的に文化芸能活動をしています。芸能を通じて、たくさんの人に思い出というプレゼントをするために活動しております。今はコロナで公演がありませんが、姫路や奈良、福島から皆さま会いに来てくれます。茨城県の本拠地は2500坪のお庭がありますから、お庭のお掃除の手伝いに来てくれる人もいます。全ての人に感謝いたしますし、みんな家族だと思っています。

これまで25年間の活動で、国内各地より様々なご縁を頂き春日大社、伊勢神宮、靖国神社、姫路千姫天満宮、などへの奉納舞を始め、東日本大震災の被災地慰問公演、皇居勤労ご奉仕、孤児院や病院、刑務所や米軍基地などへも慰問に行ってまいりました。海外公演はベラルーシを始め、ネパール、ロシア、ミャンマー、イタリア、ブラジル、等20ヶ国以上、合計40回以上の海外公演を開始しました。私達はこれらの活動を通じて宗教、文化、風習の違いを超えて絆を育て、深める事ができると考えています。

<完>

ライター:NOZOMI  校正:NORIKO 映像:グランツ

編集後記:本当に人生豊かなママローザ様。常総市本部でのインタビューに伺った私達に美味しいご飯を御馳走してくださいました。まだまだお聞きしたいことが沢山あって、4日間でも書ききれません。「海外公演、ベラルーシ編」「フィリピン編」「イタリア編」何かシリーズになりそうなほどお話盛沢山でした。女性として、人としてとても学べるところが多く、たくさんの方々がママローザ様に会いにいらっしゃるのもわかる気がいたしました。

 

  • ママローザプロフィール:

本名:藤中清永(ふじなか きよえ)

12月18日 三重県尾鷲市生まれ

㈱森英恵VIVIDデザイナーを経て自社ブランド「グレープガーデン」を設立。

1995年1月 国際文化交流舞踊団「曼珠沙華」を設立。衣装、デザイン及び舞台総合プロデュースを行う

茶華道家、仏画師、書道家といったマルチアーティストとして活躍する傍ら、人生経験をいかして企業研修など人材研修にも力を入れている。

 

ホームページ:https://manjushaka.wixsite.com/manjushaka/about

ママローザインスタグラム:https://www.instagram.com/mama_rosa1218/

曼珠沙華フェイスブック:https://www.facebook.com/profile.php?id=100010549696003

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