多国籍の人が活躍する新宿エリアを、ボーダーレスな社会へ導くスゴい人!DAY2

2日目の今日ご紹介するのは株式会社アイロリ・コミュニケーションズ代表の森田様。常に自由な発想でアートと広告のはざまを走り抜けた過去や大久保という多国籍な町で国内初の運動会を開催し、真のボーダーレスの実現に取り組む、ボーダーにとらわれない生き方を実現しているそのスタイルを伺いました。

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二日目

見どころ

―企業や部署をまたいで広告制作

―国と企業と地域をつなぐ国内初の運動会

―ソリューションはボーダーレスな発想から

 

企業や部署をまたいで広告制作

2年間の講師生活を経て思ったのは僕自身が創作をしていないということ。管理職にもなり、人に教えるのは現役を引退してからでいいかなと思うようになりました。早い話が飽きちゃったんですけど(笑)。大学時代に専攻していたアートイベントの講師と「村おこし」をすることになりました。滝に映画を投影したり、村全体をミュージアムにするような、環境を活かしつつ技術とアートとの融合を目指していく作品なのですが、建設省や環境省が支援していたころでした。

26歳の時に四国の印刷会社と出会い、そこの東京支社企画室を立ち上げる形で就職しました。半年後、印刷業がメーカーからクリエイティブ擬きと見られていることに気付き、社名が印刷屋は無いと話し、系列会社「デコプラス(デザイン&コミュニケーション+α)」になりました。そこでは某有名飲食店チェーンに大変お世話になりました。チラシ制作の受注から、徐々に期間メニュー、グランドメニューと受注しました。数ヶ月間におよぶ撮影期間を過ごすうち、お客さんとのアイデアが次々に広がり、会長夫婦に気に入っていただいてからは新ブランドの企画、従業員マニュアル、制服、社員旅行、お皿の作画、果てはトイレットペーパーのデザインまで(笑)。もうやっていないものないんじゃない?と言われるほどでした。3年ぐらいかけて仕事がどんどん拡大していく中でCMを作ることになり、広告代理店の中でCMを作れることになったので転職することにしました。でもね、行ってみたら社員でもなく、派遣でもなくてね(笑)。局長の命で、営業局のルームに部屋を作ってもらって、必要な機材を入れてもらい、僕はそこに「存在」する人になりました。営業局のスタッフの方にしたら「よくわからない」人がいるって感じです。だけど営業が制作に渡す前のブレスト段階というか、予算もまだつかない案件の相談を受けるという役割でした。そのきっかけになった当の飲食店チェーンのCMも出来上がりまして、バラエティー番組から女性客役を起用して話題になりました。

 

国と企業と地域をつなぐ国内初の運動会

そんなことを重ねながらも新宿の地元や家業との付き合いは長く続けていました。新宿の自治会、宝石業の組合などです。宝石業では親族と鑑定協会からの紹介で世界各地の宝石鉱山や職人を渡り、その報告会を頼まれました。その度に2〜3週間不在になるわけですから、いよいよサラリーマンを続ける事が厳しくなってくるわけです。様々な経験をさせていただく中で、地域や業界のつながりの面白さは、まず歴史から始まることでした。戦後まもなく社会の必要性から生まれた組織が現在も存続している事実。ここには僕が夢中でいた規模や収益を拡大する事業にはなかった、積み重ねた時が築いた価値があると思いました。この長い経験と人のつながりがあるからこそ、地元企業の経営やそこに住む人々の生活環境を改善するという大切な役割があると気が付きました。今たずさわっている出来事が20年後、50年後、どう積み重ねた価値になっているのだろう?と考えるようになったんです。それまでここの場所は企画仲間とざっくばらんに鍋をつつきながらブレストをする囲炉裏端だったのですが、アイデアと地域がつながる企画サロンとなり会社になりました。囲炉裏にアイデアと人が集まった株式会社iroricommunicationsです。

地域活動の中でもとくに関係が深い団体が新宿間税会です。間税会は間接税の納税者で組織される税務協力団体で、もとは戦後の商売に対し、物品税(いわゆる贅沢税)の納税企業と闇商売をすみ分け、平等な税務執行に協力することを目的に組織されました。間税会の会員であることが闇ではない正規の企業であることを証明する組織だったのです。当時からのつながりで、小田急百貨店、京王百貨店、新宿高野など、今に続く老舗企業が所属されています。税金というと「支払っている」というよりも「取られている」という感覚が市民の中にまだまだあるのが現実ですが、その使い道を知ること、また税制度の改善を国税庁に提言するなどの取り組みをするのもまた間税会の役割です。新宿で会社を作ったことで、祖父が立ち上げのときから携わっていた新宿間税会に誘われたわけですが、会員に老舗の企業が多い中、ここでも自分は次第に若者代表のような立ち位置となり、会のイベントや企画等を頼まれるようになっていきました。間税会の幹部の方だけでなく税務署の方々と直接お会いする機会も増え、様々な話しをする内に、企業との繋がりはあるが地域の商店街や住民の方々との接点がなかなかない、という事などを相談されるようになりました。以前の間接税と違い、消費税は企業に限らず大人から子どもまで全ての人々が支払う税ですから、その税金の仕組みや使い道などについてもっとオープンな話しが出来ないか、消費税が持つ地元への社会貢献の一つとして、そして皆が自分と関わりのある問題として税について考える場をもっと広げていけたら、と思うようになりました。そこで企画したのが、子供たちに税金の仕組みや正しい税知識を知ってもらうための運動会の開催で、税クイズ綱引きや新宿高野提供の「クリーミーメロンパン」のパン食い競争など、税務署と企業と地域の人たちが親睦を深めました。税務署がかかわる組織がこのように民間とフランクな交流をするのは、実は国内初だったそうで、多くのメディアで取り上げていただきました。このことが東京国税局を通して全国の税務機関に話題となりました。また、新宿税務署の改築の際には旧税務署庁舎を使ってリアルスプラトゥーンと題して子供たちも交じってペンキの掛け合いをしたり、新庁舎に子どもたちを招いてスタンプラリーをしたりなど、お固いイメージの税務署がもっと身近になるようなイベントも企画しました。地域と行政とのボーダーレスな交流です。

運動会の様子・新聞にも掲載されました

 

 
 

心に境界線が無い環境で自由な発想が生まれる

僕は、ボーダーレスはとても大切な指標だと考えています。物事の前段階と後段階において境界線の無い環境があって初めて心が自由になることができ、本当に必要な発想に気づけると考えています。それはとても簡単なもので、1+1=3という間違いに、何で?と気がつくようなレベルだったりします。例えば、すごく良い発想だけど外部の人にはあてはめないとか、みんなが幸せになる仕組みだけど儲からないなど、内外や稼ぎなどの境界線を前提としてしまうことが、心をしがらみに閉じ込めてしまう。いったんはそういった境界線を脇において、自由な発想を許容できる柔軟な社会であれば良いのにと思います。やっちゃった後でボーダーに気が付くのもありです。僕自身も、学校では席に座ってなければいけないとか、部署間のしがらみとか、勝手にイベント立ち上げるとか、行動してしまった後で知らずに存在している身の回りの制約に気が付いたこともたくさんありましたが、気付かないことで良い結果を生むこともたくさんありました。大切なのは、心の現在地を知ることだと思います。心を制限している境界線があるか?損得とか倫理とか上下とかの枠をはめて心を支配しようとするゲームに参加しない。僕の地元の大久保周辺は、国籍の多様化が著しく、事業経営者に外国籍の方も多くなりました。将来的な世界標準を先行しているだけだと思いますが。この新宿で古くからの住民と多様化した現在とのボーダーレスなつなぎ役でありつづけたいと思っています。

 

 

 

◆プロフィール

森田應学(もりた おうがく)

東京都新宿区出身

多摩美術大学グラフィック卒

(株)アイロリ・コミュニケーションズ代表

新宿間税会常任理事 青年部長

https://shinjuku-kanzeikai.jp/

東京国税局間税会連合会理事 青年副部長

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