昨日から2日間にわたってご紹介するのは、女優のえまおゆう様。難関で知られる宝塚音楽学校の受験をどのように突破し、誰もが憧れるタカラジェンヌのトップにまで上り詰めたのか? 今だからこそ話せる宝塚の世界の裏側とともに、えまおさんのスゴさに迫ります。
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星組に配属、役に入り込みすぎて大変なことに
編:その後、えまおさんは73期生として宝塚歌劇団に入団。14年間、星組で活躍されますが、特に印象に残っている公演は何でしょうか?
え:1996年の『エリザベート』。私はルドルフという悲劇の皇太子役だったんですが、役に入り込みすぎちゃって、ちょっとおかしくなってしまった。家に帰ってもずっとルドルフの動画を見てたり、ウィーン版(ライブCD)のルドルフのところばかり聴いてて。友達が家に来た時、曲を流しっぱなしにしてルドルフのところになると直立不動になって寝てたこともあったみたいです。
編:スゴい入り方ですね。
え:私、セリフ覚えが遅いんですよ。文字だけじゃ覚えられなくて、周りが見えてこないとセリフが入ってこないんです。でも一旦スイッチが入っちゃうと急に変わってしまう。それだけ感情が入り込んでしまうので、芝居するとエネルギーの消耗もすごくて、この後、宝塚バウホールの公演をひとつ休演しました。そのまま宝塚を辞めることも考えましたね。
編:そこまで追い込まれてたんですね……。
え:でも、同期がお手紙をくれたり、『殉情』という作品でご一緒した石田昌也先生からも連絡を頂いて...
私の背中を押してくれる人たちに救われ「もう1回がんばろう」って気持ちになりましたね。
編:復帰後は大きな問題もなく?
え:全然、大丈夫。次の沖田総司はさわやかな感じの役柄だったんですが、私はもうルドルフから沖田総司になっていたので(笑)。
紺野まひるさんにプロポーズ!? 雪組トップスターの秘話
編:えまおさんは2002年に雪組トップスターに就任されますが、トップ娘役の紺野まひるさんとの雪組新トップコンビ披露公演で紺野さんと同時退団されています。どういう経緯があったのでしょうか?
え:私はこの1作で退団することが決まっていたので、思い残すことがないように相手役を選びたいと思っていました。それで、以前組んだこともある紺野まひるさんが良いと思ったのですが、彼女はすでに退団届を出してたんですね。なので「まひるちゃんご飯食べにいこう」って誘って口説きました。((笑)
編:(笑)!
え:彼女は「でも退団することは周りの方にお話ししているので少しお時間いただけますか」って言われて。私は「もしあなたが嫌な思いをしたら、私はトップの力を利用してでもあなたを絶対守るから相手役になってほしい」ってプロポーズみたいな形でお願いしたら、まひるちゃん、泣いちゃって。そして2、3日後に「こんなに求められて相手役になれることなんて無いって周りの方にも言われ、私も本当に嬉しかったので、絵麻緒さんの相手役になります」ってお返事くれたんです。
編:とてもいい話ですね!
え:まひるちゃんの結婚式の時、旦那さんに「最初のプロポーズはわたしだったのよ」って言っちゃいました(笑)。
コロナ禍で気づいた自分のやりたいこと
編:現在はフリーで活動されていますが、今度はどんなことをしていきたいとお考えですか?
え:今回の新型コロナで仕事が飛んだりして、自分の価値ってなんだろうって改めて見つめ直す時間が持てたんですね。人のSNSを見ると「踊りたい」とか「歌いたい」とか「演じたい」とか皆さんアップしていて、じゃあ私は1番何がしたいんだろうと思って。今まで歌も踊りも芝居も、確かにやれることは全部やってきたけど、別に歌いたいだけでもないし、踊りたいわけでもない。でも最近気づいたんです。私、人が喜んでる姿、笑顔を見たいんだって...
編:人が笑顔になってくれると嬉しいですよね!
え:そう。以前、刑務所で慰問コンサートをしたこともあるんですが、受刑者の人が「久しぶりに笑うことを思い出した」とか「もう1度頑張ろうと思いました」とかそういう感想をくれたことが嬉しくて。「あきらめないで頑張ろうよ!」って言ったりするのも自分の活力になっている気がします。
編:えまおさん、小さい頃から積極的にグイグイ引っ張っていくタイプでしたもんね!
え:やりすぎて“口うるさいマザー・テレサ“って言われたこともありますけどね(笑)。だからこれからも、人に「ありがとう」と言ってもらえるようなことをしていきたいですね。
編:この度は貴重なお話、ありがとうございました。
インタビュー:アレス 校正:NORIKO ライター:西秀進
◆Profile えまおゆう
1987年 4月 宝塚歌劇団初舞台 星組に配属 歌、ダンス、芝居と三拍子揃った華やかな男役として活躍
2002年 雪組トップスターに就任
2002年 9月 宝塚歌劇団退団
退団後は女優として数多くの舞台に出演、また歌手としてもコンサート、ディナーショーなど様々なステージで活躍している。
◆CD 「Un Sourire / えまおゆう」 価格:2,000円(税込み)
収録曲 「This is My Love」 「And Now」 「See You」 「Smile」 全4曲
DRUMS:岡本敦男、まぁびい BASS:山田章典 GUITAR:本園太郎 KEYBOARD:青柳茉莉 SAX FLUTE:大堰邦郎 ACCORDION:桑山哲也 CHORUS:久路あかり
お問い合わせ ブンズメイト:bunsmate@mail.goo.ne.jp
◆えまおゆう バースデーライブ2020
・日時 9月26日(土)19時30分開演 ☆シークレットゲスト出演あり
・場所 ラドンナ原宿
東京都渋谷区神宮前4-28-21ハーモニー原宿B1 03-5775-6775
最寄駅 JR山手線「原宿」駅より徒歩7分
・チケット代金 ¥12,000(ワンプレーのお食事とウェルカムドリンク付) 座席完売御礼! 生配信はまだございます!
チケット申込はこちらから bunsmate@mail.goo.ne.jp
・生配信 視聴チケット¥3,500-(販売手数料 ¥100-) 生配信チケット残り僅かです!
チケット申込はこちらから https://twitcasting.tv/c:mzrecords/shopcart/25857