鉄道会社の社長なのに、ぬれ煎餅を販売して、映画も作ったスゴい人DAY1

今回のスゴい人は、今話題のローカル鉄道会社の社長さん!鉄道収入よりも食品売り上げの方が高いという異色の経営状況にある千葉県の銚子電気鉄道株式会社を背負うまでの足跡をユーモアたっぷりに伺いました。

編集部注:諸事情により、一部の文字を〇●の伏字で表記しております。読みづらい点がございましたらご容赦ください。

 

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                                                                                                                                           【YouTube】

 

 

 

 

税理士となり、鉄道会社の経営に携わる

編集部(以下、編):お忙しいところお時間いただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

竹本社長(以下 竹):よろしくお願いいたします

編:さて、コロナですが、影響の方は大丈夫ですか?気になさってらっしゃいますか?

竹:幸い、銚子電鉄はお客様がいないんでね、完全に非感染ですよ(笑)新幹線ならぬ非感染鉄道でございます。

 

編:(笑)そういうところもちょっと含めて今日はお話をお伺いしたいと思います。

竹本社長はもともとは税理士でいらっしゃったとか。

竹:はい。父親も税理士だったので父親の事務所で税理士をやっていたのですが。たまたまご縁をいただいて、千葉市の税理士事務所に来てほしいということでお声がけいただいて。そこを引き継ぐ形で独立しました。

 

編:どういった経緯で税理士さんから銚子電鉄の社長さんになられたのでしょうか。

竹:それは本当にご縁というか、運命というか。まあ、税理士をしていますとですね、様々な世の中の出来事に出会います。税理士としてきちんと責任を果たすべき局面というかね、いわゆるまあ。訴訟問題などもそうですね。

 

編:訴えられたとかですか?

竹:あまり詳しくお話はできないけれど、私が訴えられたというよりは、第三者の訴訟問題に巻き込まれる形とでも言いましょうか。黙って見過ごせない性分でもありまして。ついつい中に入ってしまって。もちろんそれはどうでもよい他人ではなくて、身近な大切な人に起こったことでしたので。

 

編:放ってはおけなかった?

竹:そんな格好いいものでもないのですが(笑) 自分の生き方みたいなものです。

 

編:その訴訟が銚子電鉄さんと関係がおありだったんでしょうか?

竹:いえいえ。それは他ならぬその訴訟相手の弁護士さんからの紹介だったんです。もちろん訴訟が終わってからです。そこは訴訟はそれとして大人としてきちんとお互いに消化した後に、ちょっと財務的にみてほしいというお話をいただきました。だから最初は本当に財務をみるつもりで、税理士として銚子電鉄に参りました。

 

編:なるほど。財務基盤の立て直しのための役割だったんですね。

竹:そんな格好いいものじゃないですが(笑)

 

鉄道会社によるお菓子販売

編:銚子電鉄さんと言えばこの夏、アイスの販売が予定されていましたよね?

竹:あーあれね、〇●君。ちょっと大変でしたね。

 

編:今回は販売されなかったんですよね?

竹:はい。販売はしません。売店で3千円以上買い物してくれたお客様に配布しようと思いましたが、結局それも叶いませんでした。しかし、配布中止という事実がYahooのトップニュースになり、逆にすごく話題になってしまって。

 

編:今回の銚子電鉄さんの仕掛け人は、寺井広樹さんですね。

竹;はい。弊社の、というか私のビシネスパートナーである寺井さんの発案です。実は数年前に、当社オリジナル製品である「ぬれ煎餅味」のアイスを銚子電鉄として出したいということを、あの有名メーカーとお付き合いのある方に話していたのですが、雑談レベルで終わっていたんです。で、最近になって寺井さんから提案があって、別メーカーで作ることになり、最終的に今回の事態に至りました…。

 

編:あの有名なアイスとものすごく名前は似ていましたからね。

竹:はい、でも、このアイスの名前はですね、銚子電鉄の経営状況を表しているわけです。この金欠で運営難の当社の財務状況を皮肉って「吸血鬼ならぬ“金欠鬼”の少年」「主食はアイスの棒で常に栄養不足」「やせ細った不気味なキャラだが、実は福をもたらす存在」という訳の分かんない新キャラクターを作って、そのアイスを販売する話だったんです。ちなみに採算が全く取れず赤字になることが分かって、じゃああくまでも話題作りということでやってみようということになり、最終的にすべてボツになった。

 

編:なるほど。大変ないきさつがあったんですね

竹:そうそう(笑)いっそのこと、ギリッギリ君にしたらよかったかもしれません。経営は確かにギリギリですから、全然成立しますよね! でもね、弊社の寺井さんは絶対「〇●君」推しなんですよ。そこは譲らないと思います。

 

編:以前まずい棒という商品も話題になりましたよね。

竹:そう!あの時も色々ありました。まずい棒も寺井さんが発案者です。

 

編:寺井プロデューサーすごいですね!

竹:すごすぎて涙がでます(笑)経営状況が「マズい」からまずい棒とはよく考えたものだなと。

 

編:まずい棒はしかし商品化されて、販売もされましたよね。

竹:はい、200万本売れましたからね。あれは本当に助かりました。あれも「〇●棒」というしっかりした商品があるから、そのおかげでまずい棒というのが成立して売れたんですよ。正直言いますと、はい。

 

編:「〇●棒」のメーカーさんに感謝ですね。

竹:そう、本当に感謝してます。でも思っていた以上に話題になってしまって。もう2年前ですね、それもYahooニュースのトップになっているよと、同業の他のローカル鉄道の社長さんが教えてくださって。びっくりしました。

 

編:色々といきさつはあったと思いますが。

竹:はい。確かに商品の販売までは色々ありました。そのメーカーさんにもご迷惑をお掛けしたと思います。でも何とか販売開始まで漕ぎつけて、今では弊社の主力商品になりました。つい先日もまずい棒チーズ味のパッケージをリニューアルしたんですが、キャッチコピーが「マズさ倍増!」「さらにまずくなりました、経営状況が…(涙)」という究極の自虐ネタになってます(笑)。

 

編:なるほど。パロディもここに極まれりという感じですね。

竹:しっかりした会社のしっかりした商品があってはじめて、パロディは成立するし、社会をちょっとおもしろくするのだと思います。そして銚子電鉄も大いに助けられました。

ヒカキンさんが、比べてみた動画作ってくださいました。YouTubeにアップされて瞬く間に500万回近く視聴されました。一晩で100万円以上まずい棒が売れて本当にありがたかったです。いつも人の褌で相撲を取るみたいなことばかりしていて、複雑な心境ですが…。ただ、「学ぶ」の語源は「まねぶ」つまり真似をすることだといわれているように、これからも既存の商品に対するリスペクトを前提としたオリジナル商品の開発に勤しんでまいりたいと思います。ちょっと何言ってるかわかりませんが(笑)

(明日へ続く)

インタビュー:アレス  ライター:NOZOMI

 

◆プロフィール

竹本勝紀(たけもと かつのり)

1962年(昭和37年)、千葉県木更津市生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。

2005年 銚子電気鉄道顧問税理士

2009年 竹本税務会計事務所開設

2012年 代表取締役就任

 

◆電車を止めるな!公式サイト https://dentome.net/

  ☆上映館募集中 info@dentome.net

◆銚子電気鉄道株式会社  https://www.choshi-dentetsu.jp/ 

まずい棒 オンラインショップ http://chodenshop.com/shopbrand/ct16/

◆ぬれ煎餅 オンラインショップ http://chodenshop.com/shopbrand/002/O/

BOOK電車を止めるな 寺井広樹著(2019年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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