ビール製造大手で初の女性工場長となったスゴい人!

製造に興味を持ち希望を出し続けた

経営職への転換は、みんなの努力を無駄にしないため

チャンスに備えて常にエネルギーを高める

本日登場するスゴい人は、ビール製造大手、キリンビールで初めての女性工場長となったスゴい人。
彼女はキリンビールに入社後、品質保証や醸造担当、醸造部長などを経て、神戸工場長に就任。
現在は同社の出発点でもある横浜工場の工場長を務めている。
「女性初」ということが注目されることが多いが、彼女の仕事への取りくみ方、キャリアへの考えは男女問わずきっと勉強になるだろう。

さあ…
キリンビール株式会社
執行役員 横浜工場長 神崎 夕紀様の登場です!

製造に興味を持ち希望を出し続けた

大学時代は生物化学を学び、大学院卒業後医薬系の会社に就職し、4年勤めました。
私自身はとにかくずっと、仕事は一生続けようと思っていたので、継続して長く自分が働けるところが良いなと考え、お客様に直接物を届けられる企業ということで転職しました。
最初は品質保証を担当し、それはそれですごく面白くて、工場全体の幅広いことがわかる部署でした。
ただ一方で、はたから見ていたらビールを作る実際の工程も面白そうだなと思い、希望を出し続けていたら、5年くらいして神戸工場の立ち上げに行かせてもらえることになりました。

神戸工場立ち上げ、忙しくも充実した日々

忙しかったですよ。
立ち上げ真っ最中で修羅場のような状況でした。
ただ、ゼロベースから工場を立ち上げたのはこの時が今のところ最後で、非常に貴重な経験をしたと思います。
最初は品質保証として行って、醸造に移ってから6年半、製造の力をつけさせてもらいました。
当時は本当に仕事に没頭していたので、忙しいけれど楽しかったですね。
とにかく、みんな忙しかったですが、全然嫌だとも思わなかったです。
没頭する時間ってすごく大事で、本当にありがたい経験だったと思います。
私が大変だったと思っている時が2回あって、1回目は大学の終わりから大学院の3年間、ずっと実験ばかりしていた時。2つ目は工場の立ち上げに行かせてもらってから1、2年の間ですが、大学の時の経験があるから何とか平気だったかなと思っています。
やりがいがあって、自分がしたくてやっていることだったし、工場の立ち上げはみんなが一体になってやるから面白いですし。
その時は大変でしたけど、充実していましたね。

経営職への転換は、みんなの努力を無駄にしないため

工場の仕事はチームなので、みんなで一生懸命、色々なことを考えるんです。
特に現場の場合は一つのアウトプットを出すためにみんなが頑張って動くので、出たアウトプットを会社や組織の中で評価されるようにしたい、みんなの労力を無駄にしたくない、次につなげたいと思うようになりました。
そうなると自分のポジションをある程度上げて、それなりにパワーを持っていないと実現できないことが多くなります。
また、良かれと思ってやって「ダメだったよ」と言われた時に、討議や評価の場所に自分がいないことには何をどうしたら良いかわからないんです。
皆の努力を形にしていくためには自分自身を上げる必要があると考えるようになって、経営職になるために昇格して、資格を得て、試験を受けて、色々と経験をさせてもらいました。
今、男女問わずリーダーになりたくないという若い人が多いようですが、そのうちきっと、マネージャーになった方が自分のやりたいことの実現可能性が高まると気付くと思います。
やりたいことを実現していく中で、キャリアアップが必ず来る。
やればやるほど、もっとこれがやりたいって出てくると思うんです。
仕事の楽しさややりがいが溜まって、いっぱいになるとポンと弾ける時があって、そうすると次を目指したくなり、もっと上を目指したくなる。
だから、まず1回自分の器を満杯にしてみてください。

プレッシャーもポジティブに受け止める

一番びっくりしたのは醸造部長になった時ですね。
女性を製造工程の部長にはしないだろうと、なんとなく思っていたんですよ。
勿論嬉しかったんですが、ラインの部長は工場の中でも責任あるお仕事なので驚きました。
そこで、また一生懸命仕事をさせてもらって、本社や研究所に行ったりして。
次は工場長と言われた時は、驚きながらもすんなりと受け入れることができました。
仕事自体は経験の延長上にあるけれど、責任も重くなっていきますし、それなりに大変でしたね。
自分を知ってくれている人や自分自身は大きく変わらないけれど、人の見る目も期待されることも変わりました。
プレッシャーが無いわけではないですが、ポジティブなので、このポジションになればこんなことをしたい、できるかもしれないと考えています。
私の場合、今まで自分がやってきたことや経験の中でちょっと背伸びはするけれど、登れない山に登れというのではないので、準備させてもらったのは大きいですね。
幸いにも当社は10年くらい前から多様性の推進に時間をかけていたので、周りも含めて気持ちの準備ができているんです。
気持ちと組織をきちんと作っていけば、性別に関係なく、色々な人が色々なポジションに就けると思います。

工場再編の経験から学んだこと

栃木工場を閉める仕事は大変でした。
みんなすごく頑張ってくれて、次の所に元気に旅立ってくれたから良かったのですが、前を向いて何かを作る仕事ではないので、精神的につらかったですね。
このエネルギーをもっと違うところに使いたかったなって。
新しい工場を建てるプロジェクトと、工場を閉めるプロジェクト。
どちらも大変で、やりがいがあることかもしれないけれど、どちらが良いかと言ったらやっぱり新しいものを作りたい。
だから、もう二度とそういうことをしなくて良いように、会社をみんなにとって働き続けられる場所にし続けるのが私たちの仕事だと、今の立場になって思います。

チャンスに備えて常にエネルギーを高める

工場の組織のリーダーとしては、皆が明るく元気にやりがいを持って働いてもらえるような環境作りや、組織作りをしていきたいですね。
一人一人が楽しみながら成長できる環境を作るのが一番大事です。
今は工場長ですが、突然違うことをやれと言われたら、また元気にやるんだろうなと思います。
何が向いているとか向いていないとか、やってみないと自分じゃわからないんですよ。
色々経験させてもらいましたが、あまり「この仕事嫌だったな」というのはなくて、一生懸命やっていると何をやっても楽しいし、学びも多い。
与えられたチャンスを自分自身でプラスにしていければ良いかなと。
私自身はそういう風に仕事に向き合うし、皆も働きながら前向きに成長してもらえたらいいなと思っています。
今までずっと、諦めないことが大事だと話してきました。
最近はもう一つ、チャンスはいつ来るかわからないから、来た時に最大限に活かせる自分になっておくことがすごく大事だと伝えています。
自分の器をいっぱいにして、エネルギーを満杯にしておけば、きっとそのチャンスを最大限に活かせます。
自分がやりたいのはこの仕事じゃないとか、向いていないかもしれないと思っても、一生懸命やって、学ぶべきことを学んでいたら、プラスになるかもしれないし、強みになるかもしれない。
自分のエネルギーとポテンシャルを常に高めておくことは、すごく大事だと思います。

取材を終えて

明るくポジティブで、周りにまでその明るさがうつっていくくらいのパワーを持つ神崎工場長。
仕事への取り組み方、キャリアへの考え方は本当に勉強になりましたし、特にこれからリーダーになっていく世代の人には男女ともに参考になるのではないかと感じました。
泣く泣くカットした部分にも、伝えたい言葉がたくさんありました。
キャリアアップは出世の為ではなく、自分のやりたいことを実現するためのもの。
一生懸命やっていれば、もっとやりたいことは出てくる。
一生懸命やっていると何をやっても楽しいし、学びも多い、といったお話は特に心に残りました。
また、会社に来たらちょっとでも良いから製造現場に行くようにしているそう。
現場が好きだし、気分転換にもなるからと仰っていました。
お話を聞いた後はパワーがみなぎり、「もっとやってやる!」という気持ちになりました。
本当にありがとうございました!

プロフィール

神崎夕紀(かんざき・ゆき)
キリンビール株式会社 執行役員 横浜工場長

大学院卒業後、バイオベンチャー企業を経て92年キリンビール入社、福岡工場品質保証担当。
97年神戸工場品質保証担当へ異動し工場立ち上げに参加。
98年神戸工場醸造担当へ異動。
2006年より醸造担当部長。
2013年より神戸工場長を務め、2017年3月より現職。

◆キリンビール株式会社
http://www.kirin.co.jp/
◆キリンビール横浜工場
http://www.kirin.co.jp/entertainment/factory/yokohama/

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事