週刊少年ジャンプで新人賞を2回も受賞し『THE MOMOTAROH』を生み出したスゴい人!

漫画よりプロレスの学生時代

ファンとともに完結させた作品

逃げろ!発信しよう!

『THE MOMOTAROH』
週刊少年ジャンプで連載されていたこの漫画を覚えているだろうか。
本日はプロレスとギャグマンガの異色の融合で、現在も人気漫画家として活躍しているスゴい人が登場する。
多数の連載作品を持ち、最近ではなんとクラウドファンディングを活用し、漫画の世界観を取り入れたプロレスのイベントを開催する予定だという。
そんな彼の仰天行動や、ファンへの熱い想いについて迫っていく。

さあ…
漫画家
にわの まこと様の登場です!

大きなキャンバスに絵を描いた

幼いころから漫画が好きでした。
小学2年生の頃、母親の外出時に普段お絵かきして遊ぶ新聞広告の裏紙がなく「なんか描くもんない?」と尋ねたら、母親に「その辺にある物で何か描きなよ」と言われました。
その辺にある物か、とあたりを見回したらちょうどよく壁がありまして、壁にクレヨンで大きな絵を描いたんです。
もちろん母親が帰宅したら叱られ、泣きながら消しました。
この出来事が、僕が絵を描き始めたというファーストインパクトでした。

漫画よりプロレスの学生時代

高校は機械科の学校に通い、柔道部に所属していました。
そのため漫画やイラストと普段から触れ合う機会はありませんでしたが、高校1年生の時に少年ジャンプの新人賞募集を見て、「そうだ赤塚賞を獲ろう」と思い一本漫画を描きました。
締め切りに間に合わせるために、春休みの部活動をズル休みして描き上げました。
ズル休みなんてしたら、僕の時代は体罰が付きものでしたから、鉛の入った竹刀で先輩に尻を叩かれてしまったことはとても痛い思い出です(笑)
そこまでしたからなのでしょうか、初めての作品がなんと佳作として選出されました。
鹿児島の田舎の高校生が、大都市東京の集英社の表彰式に招かれました。
費用もすべて集英社持ちというVIP待遇を受けて向かった表彰式では、手塚治虫先生、梶原一騎先生といった大物漫画家たちが勢ぞろいで、ドキドキしたことを覚えています。
漫画を描いていればこんなところに来られるんだ、といい刺激を受けましたね。
さらに、僕の担当の編集者もついて、さあこれから、とここまでは意気込んでいました。
しかし、3年間まとまった作品を見てもらうことはありませんでした。
なぜなら部活でプロレスごっこをすることが僕の中でブームでしたから、漫画どころではなかったんですね。
プロレスごっこで高校生活が終わってしまいました。

順風満帆、連載開始へ

高校卒業後、絵の勉強をしたかったので、親にわがままを言って博多のデザイン学校に通いました。
漫画に活かそうと思って、デッサンや塗り方、画材を学びました。
しかし、専門学校の2年間もプロレスの試合をみていたら時間が過ぎてしまい、慌てて「原稿を書かないと」と応募し、なんとまた二度目の佳作に選出されました。
専門学校を卒業した後は、色々なアルバイトをしながら漫画を描きましたね。
22歳の頃、当時の担当の紹介でゆでたまご先生のアシスタントになろうという矢先に、『THE MOMOTAROH』の連載が決まりました。
福岡の家を引き払い、新居に家電が届く前に近くのビジネスホテルで1話の原稿を描きあげたくらい、急な出来事でした。

非情な契約打ち切り

連載が終わったときは、毎回辛かったです。
ジャンプで10年ほど連載を繰り返しましたが、だんだん通用しなくなってくるんです。
特に少年ジャンプは若い作家さんをぐいぐい引き上げる雑誌なので、中堅ベテランはシビアにすぐ切られてしまいます。
30歳前に少年ジャンプとの専属契約が打ち切りになりました。
契約打ち切り後は、青年誌、児童誌、同人誌、オールジャンル描きました。
自分の可能性を信じたいし、まだこんなの描けるぞっていうのを見せたかったんです。

自分の本当の居場所

様々な作品を描きました。
でも、一周回って最後はスタート地点、プロレスに戻ってきたんです。
『THE MOMOTAROH』『陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!』など、ジャンプで描いていた作品を描くと、今でもSNSなどの反応が大きいです。
一番印象的な出来事は、日本文芸社さんで『真島』の続編を描いた時です。
担当が『真島』ファンで、続編の1話のネームを描いて持っていったら、号泣しだしたんです。
そのような反応の担当に会ったのは初めてで、こっちも感極まってしまって、より頑張ろうと思わされました。

ファンとともに完結させた作品

『MOMOTAROH vs真島零』の制作途中で頓挫していた時期がありました。
人件費がかさんでいたので、もしよろしければご協力くださいと、クラウドファンディングを始めました。
すると、設定金額をはるかに超えて、おかげで作品を完結することができました。
また、「この続きはリング(イベント)で!」としたかったんですが、自信がなかったのでできませんでした。
結局、リングでの企画「2.5次元プロレス」もクラウドファンディングで募った結果、おかげさまでなんとか開催できることになりました。
本音を言えば10年ぐらい前にやりたかったことでした。
でも当時はリスクも今より大きく、クラウドファンディングもない時代でしたから、現実的には開催は厳しかったですね。

逃げろ!発信しよう!

僕らは好きなことで飯を食っている幸せな人間です。
でも中には仕事で鬱になって、離職、再就職も叶わない人もいます。
鬱になる前に、もう一回自分の好きなものを見つめなおして、何か逃げ道は作っておいたほうがいいですよね。
逃避することは悪いことではないと思います。
まず自分は何が好きだったかっていうのを思い出して、何かを見出す。
ひょっとしたら周りのリスペクトを勝ち取るかもしれないですし、自分が一番自信のあるものを何らかの形で発信したら、新しい自分が見えるかもしれない。
勉強も運動もできないっていう子でも、これだけは譲れないというものがあれば、それは素晴らしい才能だと思います。
必ずありますもんね。
今の時代だったら自分で発信することはできると思います。
自分を見つめる、見つめなおすことが大切だと思っています。

取材を終えて

にわの先生は、お人柄がにじみ出る素敵な笑顔をされる人である。
見事なまでに順風満帆なマンガ家デビューをされ、その後も精力的に作品を発信し続けた。
更に11月27日には漫画家業30周年を記念し、念願だった映像とプロレスがミックスした新感覚イベント2.5次元プロレス「夢幻対戦」を形にしてしまうとは感動的である。
MOMOTAROH役は大人気プロレスラー丸藤正道選手が担うという。
是非、皆さんこの新しい形のプロレスを観に行って欲しい。

プロフィール

にわのまこと【Garden Gate ~ガーデンゲート~】
◆ブログ https://ameblo.jp/0501momo777/
◆Twitter https://twitter.com/niwano0501

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