二輪車で1周500メートルのオーバルコースを規定の周回数走行し、順位を競う競技
“オートレース”
トップスピードは時速150kmという速さで、事故になれば命にもかかわる、まさに真剣勝負の世界。
本日登場するスゴい人は、オートレースの中でも頂点であるSG(スーパーグレード)を8年連続14回制覇したスゴい人。
彼は1997年に選手としてデビュー。
しかしSGでの初優勝は2008年。
この初優勝に至るまでには、結果が出ず苦しんだ長い月日があった。
彼はなぜ苦難の時期を乗り越えてトップ選手となることができたのだろうか。
さあ…
オートレーサー
永井大介様の登場です!
「初心」
18歳の頃、父にオートレース場に連れて行ってもらった時に養成所の募集広告を見て、最初は興味本位で受験しました。
試験に合格し、大学を休学して19歳で養成所に入りました。
自分がオートレースに向いているのかも分からず、「とりあえず1回やってみよう」という気持ちでしたね。
ただ、オートレースが好きだったので絶対に速くなりたいと思っていました。
練習できる時間が限られているので、他の選手と同じ時間で、より効率の良い練習をすることをいつも考えていました。
20歳でデビューし、それから1年ほどで初優勝しました。
その後とんとん拍子に優勝できるようになり、注目されるようになったものの、ある時期から結果が出なくなってしまいました。
同期にも抜かれ、SGのタイトルを後輩に先にとられ、約7年間芽が出なくて辛い時期を過ごしました。
焦りで空回りして事故も増え、先輩選手も巻き込んでしまって、レースを壊してしまい、観客からブーイングされることもありました。
勝ちたいのにうまくいかず皆に迷惑をかけて、この時は本当に辛かったです。
2008年、約1年半ぶりにSGの優勝戦に出られた時に、同期から「何も考えないでスタートだけ切ってくればいいから」と言われ、それまで「とらなきゃ」と焦っていた気持ちが楽になりました。
優勝戦ではトップスタートを切れて、初めて無理せずフラットな状態で優勝することができました。
デビューから11年、やっとSGで優勝できて本当に嬉しかったです。
自分に自信を持てない時期が続いていたので、素の自分で十分できるんだと自信を持つ事が出来ました。
その後は、順調にいい結果が続いています。
優勝して初めて周りが見えるようになり、今までの自分では全然足りていなかったと気づきました。
スタート力、他選手を抜く時の車体さばき、エンジン整備などの技術力から精神力まで足りていなかったのに、「勝ちたい」という気持ちだけが前に出ていたのです。
色々な要素が全部かみ合わないと優勝出来ないのです。
勝てない7年間はとても辛くて練習に行くのが憂鬱になり、一時はSG優勝を諦めそうになりましたが、競技を辞めたいと思ったことはありませんでした。
オートレースが好きで、人と競うことが好きなので、私にとってこれ以上の天職はありません。
18歳のあの時に試験を受けて本当に良かったです。
ファンの方からの「ありがとう」が何よりも嬉しいです。
今後も良い結果を出し続けられるよう頑張ります。
◆永井大介選手プロフィールサイト
http://autorace.jp/netstadium/Profile/2519