国内89店舗の大型書店を展開する書店を創業したスゴい人!
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国内に89店舗を展開し、うち52店が「ジュンク堂」ブランド、日本を代表する大型書籍店のひとつに名を連ねている「ジュンク堂書店」
本日は、その創業者が登場する。
実父・工藤淳氏が経営する書籍卸売店「キクヤ図書販売」に勤務したのちに独立し、父の名「クドウ・ジュン」をとって地元・神戸にジュンク堂書店を開店した。
当初は神戸を中心とした近畿圏に店舗を持つ、いわばローカル店であった。
そんな彼が全国展開を志すようになるには、ある大きな転機があった。

さあ…
株式会社丸善ジュンク堂書店
代表取締役
工藤恭孝様の登場です!

「愚直に」

私は元来、商売人はもとより、何かをやってやろうという野心めいたものを特に持たない性格でした。
父・工藤淳の設立による「キクヤ図書販売」の経営を幼少時より間近で見ており、商売がいかに大変か、と感じていたからでもあります。
そんな私でしたが、高校時代に事故によって大怪我を負い、一学期分まるごと休学する羽目になりました。
本来ならば生命に関わる怪我だったのですが、幸いにもその日曜日非番であった医師が当日手術に当たっていただき、一命を取り留めました。
そのため志望していた理科系の進学は断念せざるを得ませんでしたが、自分が持つ不思議な強運をこの時はじめて実感しました。

大学卒業後、父の本の卸会社、キクヤ図書販売に入社。
4年の勤務ののち問屋の下部組織としての小売店を開店し、父の名から「ジュンク堂書店」と命名しました。
利益の少ない小売業界ですが、父の資金力に助けられ、地元・神戸では持ちこたえることができました。
店舗もほぼ関西に限っており、しばらくの間は比較的気楽な時期を過ごしておりました。

そんな状況を一変させたのが、1995年の阪神淡路大震災です。
この震災により神戸・三宮の1号店が全壊。
神戸地区の売り上げを失い、国からの支援も一切ないという窮状に陥りました。
もうだめかと思われたこの状況下で一番の励みになったのは、出版・書籍に携わる業界の方々の支援でした。
また、震災の被害で生活もままならない中でも、多数のお客様が本を求めて再開した店にお越しくださいました。
改めて本の持つ力を実感すると同時に、ともに書籍文化を推し進めてきた出版業界や社員の存在に感謝の念を覚えました。
それがきっかけとなり、以来、出版業界のためにも、本を求める方々のため全国展開をすすめております。
2010年には『丸善』と合流し、おかげさまで、全国に89店舗を構えるまでに成長いたしました。
長年にわたる皆様のご愛顧に、改めてお礼を申し上げます。

最近、若い人たちにはインターネット経由による書籍購入が主流になりましたが、本を実際に手にして見ることの出来る書店には、やはりインターネットでは得られないものがあります。
その自負のもと、よりお客様に愛される店作りに邁進するとともに、日本の活字文化をさらに活気付けていく所存でございます。
今後も、丸善ジュンク堂書店にさらなるご支援を賜りますよう、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

◆ジュンク堂書店 公式サイト
http://www.junkudo.co.jp/

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