天才・異才を多数輩出する研究所を創設したスゴい人!

本日登場するスゴい人は、ソニーコンピュータサイエンス研究所を創設したスゴい人。
同研究所はシステム生物学の北野宏明氏、脳科学の茂木健一郎氏、経済物理学の高安秀樹氏、実世界情報学の暦本純一氏など、数々の天才・異才を生みだした夢のラボとして知られている。

彼は、慶應大学理工学部助教授時代にソニーコンピュータサイエンス研究所を創立し、世界的に有名な研究所に育ててきた。

彼が目指す未来とは。

さあ…
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所
ファウンダー/エグゼクティブアドバイザー
所眞理雄様の登場です!

「オープンシステムサイエンス」

子どもの頃から人と同じことをやりたくない人間で、変人と言われたこともありました。
人の言うことを鵜呑みにせず、いつも本当かなと考えていましたが、それが今につながっているように思います。

若いころの苦労は、教員になりたてで外国の大学で教えた時。
1科目週3回講義があり、その準備や毎週行われる小試験の採点などに明け暮れました。
日常英語は出来たのですが、若者の英語は特殊で、質問を理解するのに苦労しましたね。
胃を傷めつつも、1年でようやくペースをつかみ、2年間の任期を終えるまでに数多くの貴重な経験を積むことが出来ました。

研究所を設立したのは1988年。
私が慶應大学の助教授をしていた頃に、後に役員になる土井利忠から今後のソニーのために何をしたら良いかと相談を受けました。
とっさに私は「世界一の研究所を作りましょうよ」と答えたのです。
当時、他の大企業は海外に基礎研究所を作っていました。
私は、日本にも優秀な学生は沢山いるのになぜ日本に基礎研究所を作らないのか、そしてそこに海外から優秀な研究者を呼んで来ればよいではないか、と憤りを覚えていたのです。
こうした私の提案を土井はすぐに上層部に諮り、2か月後には「設立が決まったから来てくれ」と連絡を受けました。
当時は相談に乗っただけのつもりでしたから、本当に驚きました。

メンバーには「人と違ったことをやりたい人」を採用しています。
大切なのはVision(将来の展望)、Passion(やりとげる情熱)、Skill(そのための技能)、そしてHumanity(人間愛)です。
自由であることの責任の重さを理解し、人類のために研究してくれる人ですね。
研究所は短期的な成果にとらわれず、歴史の評価に耐えうる大きな成果を期待しています。

私は今、良い社会を作るために科学や技術はどうあるべきかを考えています。
これまでは大きな問題を解くために、問題の領域を限定し、それを小さな問題に分解してそれぞれを解決し、それらをまた組み合わせて全体を解決する、要素還元主義を方法論としてきました。
しかし、現実の問題は周りとつながっているので、問題の領域を限定し、限られた条件の中だけで解決しても、本当の解決にはならないのです。
私は、開かれた問題空間の中から問題解決のためのもっとも適切な領域を見つけ、相互関係を重視して問題を解決する、オープンシステムサイエンスを提案し、発信しています。
これにより、よりよい社会の構築に貢献したいと考えています。

◆ソニーコンピュータサイエンス研究所
https://www.sonycsl.co.jp/

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◆研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営
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