千年以上の歴史があると代々口伝されている家が京都にある。
その家と、家業であるうちわ店「小丸屋」を受け継ぐ十代目女将が本日登場するスゴい人。
寛永元年に創業し、1660年頃には“深草うちわ”を確立させ、江戸時代には京都を代表するお土産として全国に名を馳せた。
現在一般的には芸妓さんや舞妓さんが名入れをして花街で配る「京丸うちわ」が有名だが、
「都おどり」「京おどり」「鴨川おどり」「北野おどり」の舞扇子や舞台の小道具も製作している。
千年の歴史を持つ家を守る現当主は何を大切に生きてこられたのか。
さあ
小丸屋
代表取締役
住井啓子様の登場です!
「先祖を敬う」
私は三姉妹の長女に生まれ、幼い頃から私が家を守るという想いを持って育ちました。
住井家は、口伝によると千年以上の歴史があります。
しかし、それが記された書物が残っているわけではなく、証明できない事が嫌で、以前はそれを素直に受け入れる事ができませんでした。
しかしながら、お寺様より「子孫に伝えていくことが大切」とお聞きして以来、そのお言葉を心に刻み、店のパンフレットにも記すことになりました。
振り返りますと、言い尽くせないほどたくさんの出会いの中で生かされてきたことが思い出されます。
高校時代は大学進学を目指していましたが、ちょうどその頃縁談があり、それを断るために大学進学を断念し、就職することにしました。
そのお蔭で主人と出会うことが出来ましたし、そこでの社会人経験はのちの人生に大きく影響する貴重な経験となりました。
他方では、先祖代々の深草のお墓が竹の根で動かされる事が多く、父も色々と苦心しておりましたところ、お庭が美しい墓地とのご縁や、墓相学の先生との出会いもあり、きれいに整理することもできました。
それに伴い先祖の家系図を調べた際には、歴史を辿る中で語り尽くせない様々な事が明らかになり、改めて先祖供養の想いが強くなりました。
これまで、さまざまな経験の中で動き、人と出会い、また人の想いや念を受け、私も大変に勉強してまいりました。
何か事が起きた時に、どう思い、どう対応するかで、その人の人間性が問われます。
自分のことではなく、まず相手のことを思うこと。
根本を考えますと、おのずと答えは出てまいります。
色々な壁が立ちはだかっても、純粋な心で一生懸命努力し、素直さを持っていれば、必ずいつの間にかその壁を通り過ぎていることに気づくでしょう。
人生はいつも、人に助けられ、生かされているのですから。
私はいつもそう思い、生きてまいりました。
時代は、より複雑で困難になってきたかもしれません。
出来事に対していかに明るく素直に受け止めるか、どう解釈するかによって明暗が出てくるのだと思います。
うちわの文化も衰退し、他国の物も多くなりました。
私にできることは、常に新しいことを考え、職人さんを守り、つなげ、育むことだけです。
それが代々守っていただいたご先祖様の供養になると思いますので、今後も楽しく店の者みなと励んでまいります。
◆小丸屋ホームページ
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